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日本の物価連動国債の投資機会が拡大

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駱 正彦
アライアンス・バーンスタイン株式会社
ポートフォリオ・マネジャー-日本債券 マルチセクター
 
 
 
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ガイ・ブルーテン
アライアンス・バーンスタイン・オーストラリア・リミテッド
アジア太平洋担当シニア・エコノミスト
 
 
 
 
 
 

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2017年3月23日

 

日本の物価連動国債(JGBi)は、長年にわたり世界の債券投資家に忘れ去られた存在であったが、ここへきて投資機会が拡大している。アクティブ運用であれば、主要グローバル債券指数には含まれていないこうした資産の投資機会も機動的に捉えることができる。
 
世界の投資家にとって、日本の国債は利回り水準の低さが魅力をそいできた。また、デフレ圧力が根強く残る中、元本がインフレ率と連動して増減する物価連動債はとりわけ魅力が乏しいと思われてきた。
 
しかし、投資環境は大きく変化しつつある。原油を始めとするコモディティ価格の上昇に加え、企業の景況感の持ち直しを受けて、2016年後半から物価動向は世界的に改善してきている。さらに、米トランプ新政権による景気刺激策は米国の経済成長やインフレ率を押し上げるとの見方が強く、日本を含めた世界各国の経済への波及も予想される。日本国内においても、引き続きデフレ脱却を目指した財政拡大が推し進められており、労働市場のひっ迫も進んでいる。
 
こうしたグローバルな市場環境の変化の結果、予想インフレ率とも呼ばれる、普通国債と物価連動国債の利回りの差(名目金利-実質金利)から算出される「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)」が世界的に上昇傾向にあるが、これまでのところ日本のBEI は出遅れている。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、ファンダメンタルズ、バリュエーション(価値評価)および債券需給の三つの観点から、日本のBEI には上昇余地があると見ており、JGBi は投資妙味があると評価している。
 
1. ファンダメンタルズ: 景気/物価動向が改善
 
日本の経済成長に関する市場予想は、外需拡大と円安およびマクロ政策に後押しされた内需拡大を背景に、改善を続けている。物価も、日本銀行がマイナス金利政策に続いて YCC(イールドカーブ・コントロール)政策を導入するなど他国の中央銀行よりも積極的な姿勢を示していることに加え、労働市場の引き締まりが一段と進んでいることなどから、上向きつつある。ABでは2017年度のGDP成長率を+1.5%、コア消費者物価指数は+0.7%と予測している。
 
2. バリュエーション: 日本のBEI も出遅れを取り戻す見通し
 
2016年11月の米大統領選挙以降、米国、ドイツ、英国の BEI は30-40ベーシス・ポイント(bp)程度上昇している。これに対し、日本のBEI の上げ幅はその半分程度に留まっている(図表)。ABでは、2017年後半にかけては日本でもインフレ期待が高まり、BEI は上昇すると見ているため、JGBi は割安であると考えている。
 
 
日本のBEIは出遅れている.png
 
 
原油価格とドル円が現在の水準に留まると仮定すると、昨年来の原油高を反映して電気料金が引き上げられることや円安を背景として輸入価格が上昇することが予想され、インフレ率上昇に追い風となると考えられる。物価上昇が実現するにつれて日銀の量的緩和政策のテーパリング(資産買入れペースの減速)の可能性が徐々に意識されれば、物価連動国債は普通国債をアウトパフォームする公算が高い。
 
さらに、近年発行されたJGBi に関しては額面金額にて償還される元本保証(フロア)が設定されており、これも投資魅力を増している。2011年以降に発行されたJGBi は、物価がどれだけ下がっても償還金額が額面金額を下回らない仕組みになっている。
 
3. 債券需給: 大口投資家による定常的な需要
 
毎四半期のJGBi 発行額4,000億円の半分程度を公的年金が購入していることに加え、日銀による月2回の輪番買入オペ並びに財務省による隔月の買入消却入札が導入されており、これは合計1,800億円におよぶ。すなわち、単純計算による純発行額は僅か200億円に過ぎず、需給は半恒常的にひっ迫気味である。また、JGBi を対象とした国内投資信託の残高も足元では流出がほぼ止まっているほか、BEI が25bp前後で底を打った2016年央以降は海外投資家による購入も散見されている。
 
 
JGBi がそれほど魅力的であるならば、なぜ世界中の投資家がすでに飛びついていないのだろうか。大きな理由の一つは、主要なグローバル国債指数に含まれていないため、インデックス運用のファンドでは購入することがないからだ。ベンチマーク指数に含まれない銘柄も組み入れることができるような柔軟性の高いアクティブ運用であれば、こうした投資機会を機動的に捉えることができる。世界的に金利上昇が見込まれる中、JGBi の投資機会は、そうしたアプローチの有効性を裏付けるものとなっている。
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2017/03/japanese-linkers-opportunity-rising-for-global-bond-investors

 

 

 

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当資料は、2017年3月13日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

 

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