AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

米国株は企業業績からかい離しているか?

caruso_frank_WA2.jpg

 

フランク・カルーソ 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株式運用 最高投資責任者
 

 

PDF版をご希望の方はこちら pdf

2018年3月29日

 
 
 
米国の株式市場には奇妙なアノマリーがある。それはここ数年、収益性の高い企業の株価上昇ペースが利益の伸び率に追いついていないことだ。これは、複雑な市場環境に直面する今日の投資家にとって、重要なヒントを与えてくれる。
 
米国株は、足元での株価調整や税制改革による若干の利益かさ上げ効果などにもかかわらず、市場全体としては依然としてやや割高な水準にある。また、水面下では、過去数年にわたる強気相場が生んだ目に見えない不均衡が広がっている。例えば、過去6年間、S&P 500指数のトータル・リターンは指数構成銘柄の利益成長率を大幅に上回っている(図表の緑の実線対点線)。だが、総資産利益率(ROA)に基づきふるい分けた高収益性企業の株価は逆の動きを示している(図表の青の実線対点線)。高ROA企業の株価は市場全体と同程度に上昇しているが、これは利益の伸び率をはるかに下回っている。
 
 
収益性の高い米国企業は株価リターンが利益成長を下回る.png
 

株価調整後もバリュエーションは高止まり  

これはどのように説明すればよいだろうか? 単純化して言えば、市場には利益の伸び率よりも株価バリュエーションが大幅に上昇した、低利益成長企業が数多く含まれているということであろう。

こうした企業は、生活必需品、公益事業、不動産など、債券の代替投資先とされるセクターにとりわけ多く見られる。ここ数年、配当利回りを求める投資家がこれらのセクターに押し寄せたからだ。2月初めの市場の調整を経た後でも、これらの銘柄のバリュエーションは依然として高止まりしている。米国の公益セクター銘柄は2018年の予想利益に基づく2月末時点の株価収益率が16倍となっており、生活必需品セクターも17.8倍に達している。次ページの図表は、S&P 500指数構成銘柄全体の業績がすでに高水準にある現在の株価バリュエーションに追いつくには、大幅な利益拡大が必要であることを示している。米国企業の営業利益率がすでに16.7%という高水準に達している今日の状況を踏まえれば、それは難しい注文である。
 
すでに利益率が高水準にあることはまた、景気サイクルに敏感な企業にも問題を投げかけている。これには、世界的な企業収益サイクルが力強く推移するとの期待から株価バリュエーションが高騰した製造業や素材セクターの銘柄が含まれる。そうした企業の収益力は非常に不安定な場合が多く、現在高水準にある営業利益率はいずれより低い水準に平均回帰する可能性が高い。
 

高ROA企業: 秘められた潜在力 

こうしたことから、将来にわたり収益力を維持できる企業を見つけ出すことが非常に重要になる。この観点からするとROAは強力な指標であり、特に利益率の変動性や株価バリュエーションなど、先を読み取る他の要因と組み合わせて用いればさらに強力になると考えられる。実際、高ROA企業の1992年から2017年までの期間におけるパフォーマンスは、ラッセル1000グロース指数を年率換算で3.7%上回っている。
 
しかし、上の図表が示すように、高ROA企業の株価はここ数年、利益の拡大ペースに追いついていない。これらの企業の業績は株価をはるかに上回る伸びを示しているため、業績の伸びに追いつくには株価の大幅な上昇が必要となる。つまり、これらの銘柄には市場にまだ認識されていない大きな上値余地があると考えられる。
 

市場のボラティリティに備える 

さて、市場で再度ボラティリティが上昇した時、投資家はどのようなポジションを取るべきだろうか? 市場全体にまんべんなく投資しているポートフォリオは、一見無難に思われるかもしれないが、市場の混乱に大きく影響を受けやすいと思われる。なぜなら、そうした場面では、業績の伸びに先行して株価が大きく上昇してきた銘柄がより大きな調整圧力に見舞われる恐れがあるからだ。
 
収益性を重視するアプローチは、市場の混乱に備える上で効果的だ。言い換えれば、バランスシートが健全で、持続性のあるビジネスモデルを持ち、堅実な経営陣が率いる企業を探すことが重要だということである(以前の記事『米国株式市場の正念場に備えるには』ご参照)。そうした企業は、3-5年の時間軸で見ると、力強いリターンが期待できる。そうした銘柄であれば、下げ相場に巻き込まれたとしても、投資家は長期的な見通しに確信を持ち続けることができるため、より魅力的な株価水準でポジションを積み増すことができる。
 
2月の株価調整は注意警報となった。今こそ投資家は、株式ポートフォリオを注意深く点検し、保有銘柄の収益の実績や見通しが株価リターンとかい離していないことを確認すべきである。
 
 
 
 
 
当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/are-us-stocks-disconnected-from-earnings

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 

 
当資料は、2018年3月6日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@aliancebernstein.comまでお寄せください。

 

 

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
http://www.alliancebernstein.co.jp

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており、勧誘を目的としたものではありません。特定ファンドの取得をご希望の場合には当該ファンドの目論見書をご覧いただき、投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いします。下記の内容は、ファンドをお申込みされる際に、投資家の皆様にご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.24%(税抜3.00%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.0304%(税抜1.8800%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的なファンドを想定しています。費用の料率につきましてはアライアンス・バーンスタイン株式会社が運用するすべてのファンドのうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

 

 

戻る