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インカム獲得の代価は?

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モーガン・ハーティング (写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門
ポートフォリオ・マネジャー
 
 
カレン・ワトキン    
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
マルチアセット・ソリューション部門
ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 

 

 

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2018年6月12日

 
 
このところ、何に投資すればインカム収入を増やすことができるか、さまざまな議論が交わされている。だが、そうした投資に伴うコストについてはそれほど議論されていない。分散型のマルチアセット戦略は、インカム獲得とコスト抑制という2つの目標を両立させる一助となり得ると同時に資産価格上昇の恩恵を受ける余地もある。しかし、重要なのは、どのようにその戦略を構築するかという点である。
 
現在の市場環境ではインカムを確保することが難しくなっており、これが改善する見通しは当面ない。中央銀行が量的緩和策を長年続けてきたことにより、インカムを生み出す債券が市中に出回りにくくなったため、利回りは極めて低い水準に落ち込んだ。利子税やインフレ率を差し引けば、実質的なインカムはさらに低くなる。
 
しかも、同時に、インカム指向型インデックスのリスクは高まりつつある。ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合指数のデュレーション(金利変化への感応度を反映)は2008年以降27%上昇しており、米国金利が上昇する中で投資家のエクスポージャーは脆弱度が高まっている。株式に関しても、高配当株の株価収益率(PER)は24.0倍に達しており、これは過去40年間の平均である13.9倍に比べかなり高い水準だ。
 
実際のところ、投資家がインカム獲得のために注目している多くの資産は、状況が悪化した場合に大きなドローダウンに見舞われるリスクがある。その好例は不動産だ。モーニングスターのグローバル不動産カテゴリーは過去10年間の平均ドローダウンが15%で、最大時には約60%に達した(図表)。 
 
 
 
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ほぼあらゆる資産クラスにわたり、投資家が10年前と同じインカム収入を得るには、10年前よりも大きなリスクを取らざるを得なくなっている。こうした環境においては、単にインカム指向のポジションを積み上げることが答えにならないことは明白であろう。
 

リスクを管理   

現在の投資環境において、低リスクで高水準のインカムを安定的に獲得する方法はあるだろうか? それはあると考えている。もちろん、「少ない」リスクは「ゼロ」という意味ではない。世の中のあらゆるものと同じく、投資においてもただで手に入るものはない。そのため、投資家はどれだけ多くのインカムが必要か、そしてそれに対してどのようなコストを支払う用意があるかを決めなくてはならない。別の言い方をすれば、それは市場の下落局面でどの程度の損失を許容できるかということである。
 
次のステップは、いかなる市場環境においても通用する戦略を構築することである。グローバルな分散型のマルチアセット・アプローチは、インカムを改善し、元本成長に寄与し、下落リスクを軽減するために役立つ可能性がある。
 

マルチアセット・インカム戦略の設計の要件

しかし、成否の多くは、そうした戦略をどのように設計し、運用するかにかかっている。そのためには、幅広さ、奥深さ、柔軟性を備えたマルチアセット・ソリューションが必要だ。
 
マルチアセット戦略が効果的であるためには、幅広い投資対象を持ち、できるだけ投資制約のないものでなくてはならない。それはどのような意味だろうか? 単純に、マネジャーはインカムやリターンの源泉を求める際に制約を受けてはならないということだ。彼らが世界全体の幅広い資産に投資できることは、極めて重要なポイントである。
 
幅広いエクスポージャーはリスクの分散にもつながる。例えば、グローバルな債券や株式との連動性があまり高くない、あまり伝統的とはされない資産や戦略を組み合わせれば、大幅なドローダウンを回避し、どんな市場環境においても望ましい水準のインカムを維持することに寄与する可能性がある。また、債券や高配当株以外の、あまり伝統的にインカム創出源とされていない資産に対する戦術的なアロケーションは、ポートフォリオの成長性を高めることにも寄与する。
 
ポートフォリオに組み入れているすべての資産について、何がリターンのドライバーであるかを深く理解する必要がある。分散型ポートフォリオにも共通のリスクが含まれている。これまでのところ、ポートフォリオを構築する際にボルト・オン型のアプローチを用いるマルチアセット戦略マネジャーがあまりにも多かった。彼らは単一資産クラスの戦略を数多く1つのポートフォリオに詰め込み、それらを別々に運用している。その結果、投資家は知らず知らずのうちに特定のリスクに過度にさらされることになっている可能性がある。
 
例えば、大半のインカム重視型ポートフォリオにとって、高配当株、不動産投資信託、投資適格級社債は典型的な構成要素資産である。すべての投資家が明確に把握していない可能性があるのは、これら3タイプの資産がすべて非常に大きく金利リスクにさらされていることだ。
 
意外なことではないが、これらの資産はすべて2018年1-3月期にパフォーマンスが低迷した。なぜなら、金融引締めや将来のインフレに対する懸念が米国債利回りの急激かつ大幅な上昇を引き起こしたからだ。より統合型のアプローチを取るマネジャーは、ポートフォリオに忍び込む共通のリスクを認識し、ヘッジを行う機会を手に入れやすい。
 
マルチアセット型ソリューションは、ダイナミックで柔軟なものでなくてはならない。迅速に調整する能力はいかなる時にも重要である。そして、今はとりわけそうであると言える。上で述べたように、世界中の投資家は依然として利回りを追い求め、ポジションがかつてないほどある特性を持った資産に集中している。しかし、金利は上昇しており、多くの資産クラスで見られた長期にわたる強気相場は勢いを失いつつある。それは投資家行動の急激な変化につながりかねない。市場環境が変化した場合には、すぐに方向転換できる能力が重要である。
 
ダイナミックなアプローチは、信頼できる長期的な実績のパターンを持つ資産に対する戦略的なポジションを構築すべきタイミングや、特定の市場環境において寄与し得るより短期的で戦術的なポジションを構築すべきタイミングを決める上でも役立つ。
 
高水準で安定的なインカムの創出と元本が損失を被る可能性は、常にトレードオフの関係にある。しかし、確信度の高い分散型のエクスポージャーを構築することができれば、投資家は割高な資産を回避し、長期的にリターンをもたらす戦略を堅持し易くなるだろう。
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

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