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著者
村上尚己Naoki Murakami
マーケット・ストラテジスト
外資系および国内系証券会社や日本経済研究センターなどシンクタンクにてエコノミストを歴任。経済予測分析や金融政策の分析に精通し、日経ヴェリタスやインスティテュショナル・インベスター誌のアナリスト・ランキングにおいて、エコノミスト部門にランキングされた経験を持つ。著書に「インフレ貧乏にならない資産防衛術」(東洋経済新報社)、「日本人はなぜ貧乏になったか?」(中経出版)、「円安大転換後の日本経済」(光文社)などがある。

Vol.37 パウエル次期FRB議長誕生をどう考えるか

2017年11月14日

株高・債券高が長期化する理由

①米国株 vs 米10年金利_201711.png

米国株式市場は、朝鮮半島での有事発生リスクに対する懸念が和らいだ4月後半に反発、その後じり高が続き、11月に入ってからもダウ工業株30種など主要指数は最高値を更新している。

 

一方、米国債券市場で10年国債金利は10月後半にはタカ派と目されるテイラー教授の次期FRB議長指名の思惑で一時2.4%台に上昇したが、その後再び低下しており2017年3月FOMC前の2.63%水準に比べて依然低いままである。

 

年間を通してみれば、長期金利の低下基調は変わらず、株式、債券市場は異なる「シグナル」を発し続けている。 

 

村上コメント

株高と債券高が併存する状況が長期化する要因として、金融市場全般のボラティリティー低下が挙げられます。
米国株はじり高が続いていますが、株式という資産クラスが持つ本来の価格変動リスクが低下し、高配当を得られる高リスク債券と似たような性格を帯びつつある、と考えています。

パウエル次期FRB議長によって金融政策は変わるか

②米国 2年国債金利 vs  10年国債金利_201711.png

米国を取り巻くリスクとされたイエレンFRB議長の後任人事については、11月初旬にパウエルFRB理事の指名が発表された。2017年内にも議会で承認され、2018年2月2日に任期満了を迎えるイエレン議長に代わり、パウエル理事が新たなFRB議長に就任する見通し。

 

米国内の報道によれば、この人事が決まるプロセスにおいて、ムニューシン財務長官やコーンNEC議長など経済政策に携わる司令塔が大きな役割を果たしたとされている。

 

トランプ政権による経済政策は、総需要政策によって成長率を高める観点が引き続き重視されている。

村上コメント

パウエル次期FRB議長は、これまで理事を務めていたイエレン現体制の考え方、アプローチの多くを引き継ぐことになるでしょう。
景気指標を慎重に判断しながら政策金利の引上げが実現する中で、長期金利の上昇も緩やかに留まるでしょう。平時が続く限り、パウエル次期議長はイエレン体制の遺産を生かせると予想します。

日本株の高値更新は脱デフレの過程で起きる必然の動き

③日本株価の推移_201711.png

10月22日の衆議院総選挙での与党勝利後、日本株市場において日経平均株価は11月2日までに5%以上大きく上昇。

 

その後も株高が続き、11月9日には一時23,000円の大台を超えるなど、バブル崩壊直後の1992年以来の水準まで一気に駆け上がった。

 

TOPIXも、1990年代初頭のバブル崩壊以降のかつての高値であった2007年2月の水準を僅かに上回る水準まで上昇した。

 

いずれの指数でみても、1990年代のバブル崩壊後の最高値を更新したことになる。年初以来の日本株のパフォーマンスは、米国対比での出遅れを解消するにとどまらず、米国株をアウトパフォームするに至った。  

 

 

 

 

村上コメント

TOPIXが1,800台まで筆者の想定よりも早いタイミングで上昇しましたが、妥当な金融緩和政策によって、日本経済が完全にデフレから抜け出す過程で、必然的に実現する株高とみなせるでしょう。
2018年以降も、新たな体制となる日本銀行が2%インフレにコミットし金融緩和を徹底することが、株高を後押しすると予想します。

 

経済のお天気予報

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出所:アライアンス・バーンスタイン株式会社

 

         

 

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