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著者
村上尚己Naoki Murakami
マーケット・ストラテジスト
外資系および国内系証券会社や日本経済研究センターなどシンクタンクにてエコノミストを歴任。経済予測分析や金融政策の分析に精通し、日経ヴェリタスやインスティテュショナル・インベスター誌のアナリスト・ランキングにおいて、エコノミスト部門にランキングされた経験を持つ。著書に「インフレ貧乏にならない資産防衛術」(東洋経済新報社)、「日本人はなぜ貧乏になったか?」(中経出版)、「円安大転換後の日本経済」(光文社)などがある。

Vol.42 貿易戦争で世界経済は停滞するか?

2018年04月16日

貿易戦争への懸念で乱高下する米国株式市場

①米国株 vs 米国長期金利_201804.png

米国と中国の間での貿易戦争リスクで、株式市場が引き続き不安定な状況が続いている。

 

4月に入り米中間での500億ドル規模の関税引上げの応酬があった直後に、トランプ大統領が1000億ドルの関税引上げをUSTRに指示した。その後、習近平主席は、対外開放の推進、自動車輸入関税引下げに言及するなど、米中の駆け引きは続いている。

 

現時点では、掲げられたリストの中で、どの品目まで関税引上げが及ぶかは不明である。

 

米国株式市場は日々乱高下し、VIX指数も高止まったままだが、一方で、3月入ってから、株式市場が乱高下する中で、米国の債券・為替市場の値動きは相対的には限定的で、ドル円は米金利に連動する場面が多くなっているようにみえる。 

 

村上コメント

米国の保護主義政策は長期の時間軸のテーマであり、今後1,2年の経済成長率、インフレ率に大きく影響する可能性は低く、仮に500億ドル規模の米中の関税引上げがあっても、それぞれGDPに及ぼす影響は僅かでしょう。
債券市場は貿易戦争リスクに冷静ですが、その認識が妥当とみています。

企業景況感指数の低下をどうみるか

②製造業購買担当者指数(PMI)_201804.png

3月グローバル製造業購買担当者指数(PMI)は53.4と、前月(2月54.1)から低下して、2017年10月以来の水準まで戻った。

 

2018年までやや過熱気味だった欧州経済がこれまでのユーロ高の影響で落ち着き、また新型iPhoneの減産などの半導体需要の一服が背景にあるとみられる。貿易戦争に対する懸念が影響した可能性もある。

 

また、非製造業を含めた同月のグローバル景況感指数も53.3と引き続き50超の水準を保っているが、製造業同様に前月(2月54.8)から大きく低下している。地域別には、欧州や新興国の景況感の低下が目立つ。

村上コメント

単月でみるとPMIは下落しましたが、PMIの水準は50を上回っており、企業景況感は堅調です。
米国のISMによる景況サーベイが底堅いことなどを踏まえると、米国が世界経済の成長をけん引するとみられ、世界景気がこのまま失速するリスクは小さいとみています。

 

経済のお天気予報

Vol40-Global-Map.jpg

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出所:アライアンス・バーンスタイン株式会社

 

         

 

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