アセットアロケーションとは

アセットアロケーションとは、投資家の目標やリスク許容度などに応じてアセット(資産)のアロケーション(配分)を決定することをいいます。対象となる資産は一般に、伝統的資産といわれる国内株式、海外株式、国内債券、海外債券のほか、オルタナティブ資産といわれる不動産、コモディティ、ヘッジファンドなどがあります。現金や預貯金も対象となります。異なるリスクやリターンの特性を持つ資産を分類し、投資家の目標やリスク許容度などに応じた最適な配分にすることで、ポートフォリオのリスクとリターンのバランスをとることを目標とするものです。

アセットアロケーションは、分散投資を実践する際に考えなければならないことであり、これを考えることは資産運用において最重要といっても過言ではありません。さまざまな資産配分の考え方がありますがここでは代表的な例を説明します。

代表的なアセットアロケーションの例

資産配分が均等

昔からいわゆる「バランス型ファンド」といえば、資産配分を均等にしたポートフォリオではこの手法がとられます。メリットはわかりやすいことですが、一方でリスクの高い資産の値動きに影響を受けやすいという課題があります。

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※上記はあくまでイメージです。 出所:AB

リスク配分が均等

上記の持つ課題を受けて考え出されたのが、いわゆるリスクパリティ戦略と呼ばれる手法です。ポートフォリオ全体に占める各資産のリスクが均等になるよう配分調整を行うもので、リスクの分散を行うことでリターンの安定を目指します。結果として、リスク当たりリターンの向上が期待できます。たとえば、国内株式のリスクが国内債券の5倍あるという仮定で配分調整を行うと、ポートフォリオの組入比率は国内株式1に対して国内債券5となります。国内株式のリスク5×配分1:国内債券のリスク1×配分5なので、1:1で均等ということになります。

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※上記はあくまでイメージです。 出所:AB

また、より投資効率を高めることを目的として、マーケット環境に合わせて機動的にアセットアロケーションを変化させる運用手法を、タクティカル・アセット・アロケーション(戦術的資産配分、TAAといいます。たとえば、マーケットがリスク選好的であれば、リスク資産を増やすと同時に安全資産を減らします。逆にマーケットがリスク回避的であれば、リスク性資産を減らし、安全資産を増やします。

なお、リスク・リターンに基づいたアセットアロケーション構築の際には、期待リターンとリスクの最適化を行い、最も効率的な(リスク当たりリターンの高い)ポートフォリオとなるよう資産配分が決定されます。

アセットアロケーションを行う方法

アセットアロケーションは、個人で行う以外の方法として、金融機関や専門家に委託する方法があります。対象となる商品には、複数資産が組み入れられたファンド(バランス型ファンドやマルチアセット・ファンド)、ファンドオブファンズ、ラップ型口座、ファンドラップ、ロボアドバイザーなどがあります。

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