デュレーションとは

デュレーションとは、債券投資において非常に重要な指標であり、①キャッシュフローの平均回収期間、②金利の変動に対する債券の価格変動の大きさ=金利感応度の2つの意味があります。

債券投資の平均回収期間

デュレーションは、債券投資の平均回収期間を示し、将来受け取ることのできる予定の利息と元本の現在価値と、それらを受け取るまでの期間の長さを加重平均して計算します(マコーレー・デュレーション)。一般的には、デュレーションは債券の残存期間が長いほど長く、クーポン(受取利息)が高いほど短くなります。

修正デュレーションと金利変動の関係

さらに、デュレーションは、債券価格の金利感応度をあらわす指標にもなります。債券は金利が変動するとその価格が変動する性質を持ちます。したがって金利動向は債券投資にとってきわめて重要な要素です。

マコーレー・デュレーションを(1+最終利回り)で割ったことで算出される指標を修正デュレーションといいますが、これは金利の変化に対する債券価格の感応度をより的確に示す指標です。例えば修正デュレーションが5年であれば、金利が1%上昇すると債券価格はおおむね5%程度低下することを示しています。修正デュレーションが大きいほど、金利変動に対する債券価格の変動が大きくなる、つまり金利感応度が高くなります。金利の動きに対する性質を把握する意味でも、債券投資において修正デュレーションを把握することが必要不可欠となります。

デュレーション.png

上記はイメージです。

出所:AB

利回りが高い債券は修正デュレーションが小さい

上述のとおり、クーポンが高いほどデュレーションは小さくなるため、例えばハイイールド債券と新興国債券などの高利回り債券は、残存期間が同等の国債や投資適格社債といった高格付け債券より修正デュレーションが短くなります。景気拡大時に金利は上昇する傾向にありますが、高利回り債券が景気拡大時に相対的に良好なリターンを上げるのは、スプレッドといわれる上乗せ金利が縮小する(投資家のリスク選好度が高まる)ことに加え、金利上昇による価格下落の影響が小さいことも、理由のひとつです。

債券投資にとって最も重要な指標のひとつ

このようにデュレーションは、債券投資の投資期間を検討する意味でも、金利動向への耐性を見る意味でも、債券投資の際に検討しなくてはならない指標です。債券投資にとって、最も重要な指標のひとつといっても、過言ではありません。

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