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債券投資にとって金利上昇はそう悪くない

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ダグラス・ピーブルズ(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
債券部門 最高投資責任者(CIO)兼ヘッド

アイバン・ルドルフ・シャビンスキー
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
クレジット運用ポートフォリオ・マネジャー

 

 

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2014年8月15日

 

米連邦準備制度理事会(FRB)はかなり高い確率で2015年には短期金利を引き上げると述べているため、債券投資家の多くが金利上昇リスクへの対応に躍起になっている。しかし、金利の上昇をうまく利用する方法があることも忘れてはならない。

債券はその性質上、金利の動向に敏感である。つまり、金利が上がれば、通常債券価格は下がる。また、短期金利が上昇すれば、より長い期間の金利もいずれ上昇する。しかも、信用力が高いものから低いものまで、全ての種類の債券が金利上昇の恩恵を受ける可能性がある。アライアンス・バーンスタインでは、金利の上昇は最終的に(向こう2-3年の短いスパンという意味において)債券ポートフォリオにプラスの影響を与えると考える。


金利の上昇と時間の経過がもたらす効果

債券の想定投資期間を5年とすることは一般的である。市場の変動が大きい局面では忍耐力が必要になる場面もある(利回りが高い「ハイイールド」債券では短期的な乱高下はごく当たり前である)が、腰を据えて2-3年待てば、たとえ金利が上昇しても債券投資に成功する可能性があることを過去の分析は示している。以下に、2つのシナリオを例に挙げて説明する。

満期1-5年、平均利回り3%強、平均デュレーション(金利リスク)3年弱の債券ポートフォリオを運用していると仮定する。現在の米国債の低い利回り水準を考慮すると、当ポートフォリオにはハイイールド債が含まれることとなる。1つ目のシナリオでは金利は変化しないケースを想定しており、この場合、5年後のリターンは3%強となる(図表の青色の線)。

2つ目のシナリオでは、当初の利回りはシナリオ1同様3%だったものの、すぐに金利が1.25%(125ベーシス・ポイント)上昇し、その後5年間の投資期間中の金利水準が一定であった場合を想定している(図表の緑色の線)。この利回り上昇により、投資開始時の当ポートフォリオ価値が約3.4%減少するという好ましくない状況となったが、結果的に高い成長率を維持することでこの損失は相殺されることとなった。

 

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なぜこのような高い成長率となったのか? 1つ目の理由は、クーポン収入の再投資によるもので、より高い利率で再投資できるからだ。利子収入を目的とする債券投資家にとっては、金利の上昇は脅威ではなく投資機会となる。2つ目の理由は、ポートフォリオに組み込まれている各債券が満期に近づくと、その価格は額面金額に収斂するためである。償還された元本は、より利回りの高い新たな債券に再投資できる。

これらの理由によって、1つ目より2つ目のシナリオの方が高いトータル・リターンを実現することになる。2つ目のシナリオにおいては、投資開始から1年以内にポートフォリオの価値は当初と同程度に回復し、さらに3年目には、金利が上昇しなかった場合を上回る。この2本の線が交わる損益分岐点が、金利上昇の幅にかかわらず、当ポートフォリオの「デュレーション」となる。この損益分岐点(ここでは3年近辺)以降では、金利が高くなるほどリターンが高くなる傾向にある。

実は、債券ポートフォリオのデュレーションが想定投資期間より短い場合、金利の上昇はトータル・リターンの向上につながると言える。

(負債対応投資(LDI)を行っている機関投資家は上記と類似した戦略を採用しており、例えば年金基金が退職給付など将来の支払義務に備えて投資を行う場合、長期デュレーションの債券を購入することで金利動向に右往左往する必要がなくなる。長期債を用いて債券ポートフォリオのデュレーションを比較的長い想定投資期間に合わせているのだ。)


注意も必要          

金利が上がるのを待ってから投資すればいいと思う人もいるだろう。金利がいつから上昇し始めていつピークに達するかを正確に予想できるのであれば構わないが、ゼロ金利の現在、その上昇を待ち続けることには大きな機会損失が存在すると言える。また、利子収入を必要としている場合、資産をキャッシュのまま放置しておくことは賢い方法とは言えない。

もちろん、金利上昇によるリスクも存在する。利回りの高いポートフォリオでは、デフォルトの可能性があるハイイールド証券に投資せざるを得ない。しかし、デフォルトが発生した場合は、前述のいずれのシナリオにおいてもリターンは低下するため、より高い利回りを求めてCCC格の債券にまで手を伸ばすと痛い目に遭う可能性がある。アライアンス・バーンスタインでは、より保守的なポートフォリオを求める投資家は、投資適格格付の債券よりも高い利回りを提供しつつCCC格の債券よりも大幅に信用リスクが低いBB格およびB格の債券を重視することが最適だと考える。

受け取った利子の再投資を行わず、何らかの支出に用いた場合はどうだろうか? いずれのシナリオでもそうした支出はリターンを低下させるため、両シナリオにおける支出のペースが同じである限りは、損益分岐点は変わらない。


忍耐力が必要

長期的な投資期間を設定している投資家は、最も償還期間の長いものを除けば、ポートフォリオの債券が現在よりも価値が高くなっていると思っていいだろう。また、その投資期間の方がデュレーションよりも長い場合、長期的に見れば金利の上昇はポートフォリオのリターンを向上させる可能性がある。ただし、この恩恵を受けるためにはある程度の時間がかかるため、しばらく待ち続ける忍耐力が必要となる。
 


 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。 

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当資料は、2014年7月30日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。

 

 

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