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新しい銀行規制がもたらす債券の投資機会

 

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ジェフ・スコグランド(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・クレジット・リサーチ・ディレクター

シュルト・バキル
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・クレジット・リサーチ・アナリスト

 

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2014年9月22日

世界金融危機以降、米国の銀行は債券投資家にとって好ましい方向に大きく変化してきている。ファンダメンタルズの改善と規制強化により、米国銀行の発行する優先証券に投資機会が生じている。

金利や信用スプレッドが低水準で推移する中、アライアンス・バーンスタインでは、こうした優先証券への投資が従来型の社債投資を一部代替し得ると考えている。米国銀行が自己資本を強化し、リスクを低下させる中、通常の債券よりも返済順位の劣後する優先証券の市場は今後の成長が期待される。

米国銀行上位25行は、これまですでに約1,000億米ドル規模の優先証券を発行している。損失に対する抵抗力をより高めバーゼルⅢ基準に適合するために、銀行は優先証券の発行を増やしており、発行残高は向こう2、3年で約1,300億米ドルにまで拡大すると予想される。

優先証券は、発行体である銀行が経営難に陥った際に、償却ないし株式への転換が可能であるため、バーゼルⅢの自己資本要件を満たす。この性質により、銀行の救済や破たん処理に必要なコストを負担するのが、納税者ではなく、株主や債券保有者となるからだ。

 

銀行はバランスシートを強化         

投資家の多くは、金融危機が起こった際に投資が紙切れと化すことを恐れているが、米国の銀行の財務は近年著しい回復を遂げているため、そういったリスクは相殺されていると思われる。バランスシートの改善、レバレッジの低下、自己資本の強化を背景に、主要銀行が2008年の世界金融危機時のような混乱を再度経験する可能性は低下している。

銀行セクターの改善は世界各地で見受けられる。以前に当ブログ記事「銀行規制の強化がもたらす新たな投資機会」で述べたように、欧州やその他先進国の銀行もバランスシートのリスクを軽減しており、各市場でバーゼルⅢ対応型の証券が魅力度を増している。

しかし、中でも米国の銀行が最も力強い回復を遂げている。米国上位25行は過去5年間で、総資産が12%しか増加していないのに対し、損失吸収力の高い中核自己資本を141%増加させている。これは銀行セクターが金融危機への対応力を強化しており、各行の発行した優先証券や劣後債がデフォルトに陥る可能性が低下していることを示している(図表)。

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規制により銀行はリスクを取りづらくなっている         

財務的な体力の回復と同時に、銀行はリスク管理の厳格化も進めている。例えば、新しい規制では自己勘定取引(銀行が顧客ではなく自社の資本を使って市場取引を行うこと)を禁止しており、米国銀行はリスクを取りづらくなっている。

銀行の健全性が増すと、資本構造の中でもより低位の部分への投資の魅力度が高まる。優先証券(AT1債)は特に魅力的になる。AT1債では四半期ごとに利払いが行われ、発行体が経営難に陥った際の損失吸収の順位は株式に次ぐものとなる。

優先証券は、資本構造上低位にある代わりにシニア債よりも高い利回りを提供する。現在ハイイールド債の利回りが歴史的な低水準にあることを考えると、魅力的な投資対象であると言える。

 

金利上昇は注意が必要

米国の優先証券では、元本の削減や株式への転換を強制する特定のトリガーは設定されず、金融当局の判断に委ねられているため、不透明感がある。また、金融当局や銀行の経営陣は利払いを延期することもできる。しかし、米銀行の安定性が増しているため、こうしたリスクと期待リターンのバランスは魅力的なものになっていると考える。

ただし、金利の上昇には注意が必要である。優先証券には償還期限が定められていないが、発行体は、「コール」と呼ばれる投資家から買い戻す権利を行使することができ、通常は最初のコール期日は発行から5年または10年後になっている。しかし、金利が上昇したり、利回りスプレッドが拡大した場合、新発債の金利はより高くなるため、発行体の銀行は発行済み証券をコールしない可能性がある。この場合、投資家は金利の上昇によって価格が低下している永久劣後債を保有し続けることになる。

 

変動金利への転換によってリスクが軽減     

このように、金利上昇時のリスクは考慮すべきであるものの、こうした優先証券のクーポンレート(表面利率)は、コール期日を過ぎると固定から変動となる。これにより、発行体がコールしない場合に投資家が被る痛手は軽減され、金利上昇に対する一定のプロテクションとなる。

アライアンス・バーンスタインでは、米国銀行の優先証券が提供する投資機会は、リスクを考慮してもなお魅力的であると考えている。現在の低金利環境下では、投資対象として検討してみる意義は十分にある。
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

http://blog.alliancebernstein.com/index.php/2014/08/25/new-us-bank-rules-a-boon-for-bond-investors/

 

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当資料は、2014年8月25日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

 

 

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