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米国株式は割高か?

 

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ジェリー・ポール

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国バリュー株式最高投資責任者

 



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2015年2月19日

 

2015年の米国株式相場は不安定なスタートとなった。しかし、アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、昨年の大幅上昇の反動で多少勢いを失ったとしても、企業のファンダメンタルズや金利環境を考えれば、2015年の米国株式市場は底堅く推移すると見ている。

一見したところ、米国株式は割高に見えるかもしれない。2014年末のS&P 500指数の予想株価収益率は16.3倍と、2009年末より63%も高い状況となっている。米国株式のバリュエーションは、新興国市場やその他の先進国市場と比較すると、かなり高い水準となっているのも事実である。さらに、1970年以来、S&P 500指数のバリュエーションが現在よりも高かったのは、四半期ベースで見れば全体のわずか15%程度でしかない。


健全な企業にはその対価を支払う価値がある
    

しかし、米国株式市場は上昇し過ぎたと言えるだろうか? バリュエーションは通常より高いかもしれないが、同時に市場の健全性も通常よりはるかに高い。市場が前回のピークを付けた2007年10月と比較してみると、現在の企業は当時を大幅に上回るキャッシュフローを創出しつつ負債を大幅に減らしており、利益率も同程度に保っている(次ページの図表1)。世界の他の地域と比較すると、はるかに非常に良好な状態であると言える。つまり、現在の米国株式は通常より若干割高に見えるかもしれないが、投資家は従来との比較あるいは他地域との比較という意味で、高クオリティの株式を手に入れていることになる。

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そして、米国企業のこういった高い収益性は今後も持続すると見られる。S&P 500指数の構成銘柄のうち金融を除く企業、中でも製造業に属する企業の利益率は、グローバル化、アウトソーシング、業務フロー最適化などによる構造的改革によって、ここ数年で大幅に上昇している(次ページの図表2)。このトレンドは、原油価格の下落に打撃を受けているエネルギー・セクターを除けば、しばらく続くだろう。また、特に消費関連など一部のセクターにとっては、エネルギー価格の下落は収益の増加を後押しする材料となる。

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また、原油価格の下落はインフレを抑制するため、金利は当面低い状態が続くだろう。これは企業収益の増加にもつながる。現在、米国企業において資金調達にかかる費用は売上の1.5%を占めるが、2010年の1.7%から減少しており、2002年のピーク時と比較すると約1/3にまで減っている。

さらに、多くの米国企業は、借入れを償還期限がより長期のものに借り換えるとともに固定金利を利用することで、将来の金利上昇の影響を抑える努力をしている。低インフレと堅調な経済成長もまた、企業の安定した売上成長を支える。


低金利が高バリュエーションの一因    

米国株式の現在のバリュエーションが平均より高い理由は、低金利によって説明できる。割引率が低ければ、将来のキャッシュフローを割り引いて求める現在価値が上がるため、投資家はより高い価格を支払うというわけである。したがって従来と比較してバリュエーションが高い水準にあることは、特に大きな問題ではないと見ている。

むろん、米国市場は多くの課題を抱えているし、今後の見通しが不透明な部分もある。主なリスクは世界全体の経済成長であると言える。多くの投資家が、長期金利、インフレ率、コモディティ価格の低下に関し、その原因はコモディティや資本の過剰な供給ではなく需要の弱さであると考えている。しかし、欧州や新興国の景気低迷を示すデータはあるものの、米国の経済指標は今のところ堅調である。このため、当面はそうした世界経済のリスクが米国株式の大幅な下落を引き起こす可能性は低いと思われる。


キャッシュの貯め込みには注意  

投資家にとっては企業の行動を見極めることが重要となる。現在の環境においては、企業はキャッシュの保有については再検討する必要があるからだ。経済成長が加速すれば企業の買収活動や自社株買いが活発になるため、フリーキャッシュフローが潤沢な企業はそのどちらかを行う可能性が高い。

また、低金利が続いている環境では、インカム重視の低成長銘柄に目を向けることも大切である。インカムの点では、配当利回りが高い企業よりも、フリーキャッシュフロー利回りが高い企業が魅力的であると見ている。そういった企業はより割安であることが多く、かつキャッシュを増配に使うか成長に向けた再投資に振り向けるかという選択ができる。より一般的な観点からは、現在は銘柄選択による投資機会が拡大していると言える。米国市場が全体的に割高な現在、優れたアクティブ運用者であれば、比較的割安でかつ強固なファンダメンタルズを有する企業を特定することで付加価値を生み出すことができる。





 

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