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エネルギー株見直しへのステップ

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シャロン・フェイ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー 
株式部門責任者


 

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2015年3月20日


2014年半ば以降の原油価格下落を受け、多くの株式投資家がエネルギー株を遠ざけるようになった。しかし、それは必ずしも賢明ではないかもしれない。過去の石油ショックを振り返ってみることが、今後予想される回復局面に備える上で有用だろう。

原油価格は2015年2月に底をつけている。ブレント原油価格は1月26日にバレル当たり45.25米ドルで底打ちした後、2月20日には59.79米ドルまで約32%上昇した。ストラテジック・インサイトのデータによると、エネルギー・セクターに投資する米国の上場投資信託(ETF)には2014年12月と2015年1月に49億米ドルの資金が流入した。

しかし、本格回復の時期を正確に予想することは容易ではない。最近の原油価格回復は、米国における掘削活動が大幅に減少したことや、ショート・ポジションの踏み上げ、中東情勢などを受けた動きで、そうした要素はいずれも急激に状況が変化する可能性がある。原油価格には数多くの要因が影響を及ぼすため、より持続的な回復局面を迎える前に再び下落する場面があるかもしれない。

このため、エネルギー株については長期的な視野で考えるべきである。筆者の同僚が最近の知の広場「Oil Price Won’t Stay Low Forever(英語)」で説明したように、長期的に見れば、原油生産に関する基礎的な需給動向がいずれ原油価格を再び押し上げると考えられるからだ。

 

過去の石油ショックを振り返る    

エネルギー株に投資するには、エネルギー・ショックの背景を理解することが最初のステップとなる。エネルギー・ショックは供給が原因となることもあれば、需要の問題で起きるケースもある。例えば1986年には、サウジアラビアによる過剰生産が原油価格の急落を招いた。しかし、2009年の原油安は、世界経済の減速が原油需要を冷え込ませるとの懸念が主な原因となった。

では、エネルギー株は当時どのような動きを示したのだろうか? 1986年のケースでは、原油価格が底をつけてからの1年間および3年間は、いずれもエネルギー株が市場全体をアウトパフォームした(図表1の左図)。それとは対照的に、2009年の場合には、エネルギー株は市場全体をアンダーパフォームした(図表1の右図)。米国株式市場は、いずれの場合も同じようなパターンだった。



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詳細に見れば、エネルギー株はサブセクターごとにパフォーマンスが異なっていることが分かる(図表2)。掘削機器およびサービス関連会社は2009年には急伸したが、1986年は石油生産会社のパフォーマンスを下回った。2009年のケースでは、石油価格下落の後は、精製および販売会社の株価が低迷した。こうした動きは、エネルギー・セクターの中でも選別的なアプローチが必要であることを示しており、現在の市場環境がどのように変化し、それが原油価格の回復局面で様々な企業にどう影響するのか、よく検討しなくてはならない。
 

 

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配当利回りは高水準に

現在の原油相場は、主に供給側に左右されている。エネルギー株の株価バリュエーションは極めて低い水準にある一方、配当利回りは極めて高くなっている。例えば、S&P 500指数と比較した米国3大石油メジャーの配当利回りは、このところ過去20年間で最も高い水準で推移している。そこには、各社が配当の削減を強いられかねないとの懸念が反映されている。

こうしたトレンドは、投資家が事実に裏付けされた賢明な選択を行う上で役立つ。まずは、原油価格がバレル当たり100米ドルあるいはそれ以上の水準に回復しなくてもうまくやっていける企業構造やビジネスモデルを持つ銘柄を見極めることである。ABのリサーチによると、一部の石油開発会社や総合エネルギー会社は、原油価格が70米ドル以上であれば収益を上げることができる。このリストには、高品質の油田を持つ企業や、生産コストが低い企業、バランスシートが健全であるために配当を維持できる可能性の高い企業などが含まれている。設備投資に依存しなくとも利益を稼ぎ出せる企業も、環境が厳しい中でも配当を維持できる可能性が高いと思われる。

 

石油サービス会社への投資は選別眼が必要  

次に、石油サービス会社については選別的な投資が求められる。一部の投資家は2009年に原油価格が急回復した場面を思い起こし、石油サービス会社への投資を再開している。しかし、当時は単に需要の落ち込みが問題だったのに対し、今回は生産能力の過剰が問題であるため、たとえ原油価格が回復に向かい始めたとしても、生産会社が新たに生産拡大に向かい、サービス関連の需要が増加するまでにはしばらく時間がかかる可能性がある。このため、石油サービス・サブセクターでは収益が圧迫される場面が長期化する可能性がある。それでも、最先端の技術を持つ一部のサービス会社は新規埋蔵量が最も多い深海油田の長期開発プロジェクトで重要な役割を果たしており、こうした企業はバランスシートも健全である場合が多く、現在の厳しい市場環境を乗り切る力を持っている。

第三に、精製会社や販売会社の見通しは複雑な要因が絡み合っている。これらの企業は他のサブセクターほどには原油価格動向に敏感ではなく、利益は主にスプレッド(異なる品質の原油間の価格差あるいは原油価格と石油製品価格の差)に左右される。現在は、たとえ需要が上向き始めたとしても、世界的に精製能力がだぶついているため、精製会社の収益は圧迫されたままとなる可能性がある。それでも、一部の米国精製会社はコスト面で大きな優位性を持っているほか、米国と世界の供給の格差拡大や、米国の原油生産会社が輸出を許されていないことに伴う米国内での原油在庫増による恩恵を受けられる可能性がある。

エネルギー・セクターに全く背を向けてしまうことにはそれなりのリスクがあり、相場の回復局面に乗り遅れる可能性がある。一方、エネルギー・セクターのETFに投資することは、選別的なアプローチがとりわけ重要な今の時期に、エネルギー・セクターに無差別的に投資してしまうことを意味する。こうした中では、バリュエーションやキャッシュフロー、個別企業ごとのファンダメンタル分析などに焦点を当てることにより、投資家は長期的な回復局面に備え、自信を持って再度エネルギー株に対するスタンスを再検討することができるであろう。
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

http://blog.abglobal.com/index.php/2015/02/26/reconnecting-with-energy-stocks/

 


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当資料は、2015年2月26日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。



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