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身動きが取りづらいハイイールド債ETF

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ガーション・ディステンフェルド(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ハイイールド債券担当ディレクター

シェリフ・ハミッド
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ハイイールド債券ポートフォリオ・マネジャー

 

 

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2015年4月2日

 

ハイイールド債市場では、ほとんどの投資家が、足元のエネルギー価格下落により多少なりともダメージを受けた。中でも、ETF(上場投資信託)に投資することで市場全体をカバーしていた投資家が最も大きな被害を被っている。これは偶然ではなく、理由がある。

ハイイールド債市場に投資する上でETFが便利な手段であることは間違いない。1日1回、決められた時間に価格が決定される従来の投資信託とは異なり、ETFは証券取引所でいつでも売買が行える。

では、なぜハイイールド債ETFは原油価格の下落によってかくも大きな打撃を受けたのであろうか? 詳しく見てみよう。

 

ウェイトの高さが仇に   

ETFはインデックス(指数)に連動するよう設計されているため、その資産配分はインデックスを反映する。そして、特にハイイールド債ETFではエネルギー・セクターのウェイトが非常に高い。

これは、近年エネルギー関連企業による資金調達が非常に活発だったためだ。これらの企業は、採掘技術の進歩や米国とカナダにおけるシェールガスの発見に伴い、投資を拡大している。その結果、バークレイズ・ハイイールド指数では、エネルギー銘柄が約15%も占め、セクター別では最大のウェイトとなっている。

しかし、ウェイトの高いセクターが常に良いパフォーマンスを生み出すとは限らない。2014年にエネルギー価格が低下し始めると、エネルギー銘柄を大量に保有していたハイイールド債ETFは、厳しい状況に置かれた。インデックスに追随しないアクティブ運用であれば、エネルギー・セクターのウェイトを下げればよかったのだが、ETFの投資家が損失を抑えるには全売却するしかなかった。もちろん、この局面でエネルギー・セクターのウェイトをインデックスより高くしていたアクティブ運用者もいるかもしれないが、健全なリサーチ体制とリスク管理体制を備えていれば、こうした柔軟性を活かすことができる。

こうした問題はエネルギー・セクターに限ったことではない。過去の記事(英語:In Energy Revolution, Bond Investors Must Keep Their Heads)でも述べたように、2002年には(当時はETFこそ存在しなかったものの)通信セクターで同様の状況が発生した。直近では、新興国ETFに投資していた場合、南米でも不況が最も深刻なアルゼンチンとベネズエラ、あるいはエネルギー価格下落やウクライナ問題を受けた欧米の経済制裁により大打撃を受けているロシアへの資産配分から逃れることは出来なかっただろう。

 

質が重要   

さらに、ハイイールド債については、特に市場のボラティリティが高い場合、そのウェイトだけでなく、どの証券に投資しているかも非常に重要となってくる。すべてのエネルギー銘柄が一様のパフォーマンスとなるわけではなく、例えば、石油・ガス開発・生産会社が発行する一部のハイイールド債は、原油価格下落の影響を比較的受けにくい。

アクティブ運用であれば、個別企業の信用力を徹底的に分析することで、相対的に良好なパフォーマンスが期待できる証券を選び出すとともにリスクの高い証券を避けることができる。これはエネルギー・セクターのみではなく、ハイイールド債市場全体についても同じことが言える。例えば以前「注目すべきはボラティリティではなく信用力と残存年限」で述べたように、すべてのセクターにおいて、脆弱で負債比率が高い企業が発行するCCC格のジャンク債については、注意深い銘柄選択が非常に重要となる。

しかしETFでは、インデックスと同様の資産配分が行われるため、選別的に銘柄選択を行うことができない。

 

取引コストに注意

コストについても触れる必要があろう。パッシブ運用によるハイイールド債ETFの人気が高まった理由の1つに、低コストで容易に投資が行える点がある。一般的に、ETFはアクティブ運用による投資信託より運用手数料が低く、さらにパッシブ運用の投資信託より低い場合もある。しかし、債券売買の取引コストについても考慮する必要がある。なぜならこの取引コストはすぐに積み上がる可能性があるからだ。

通常、取引コストは市場でストレスが発生している場合に上昇するものであり、その理由は単に取引量が増えるからではない。市場のボラティリティが上昇すると、買い手が望む買値と売り手が望む売値の差(売買スプレッド)が拡大する傾向にあるため、取引関連のコストがかさむことによってリターンが低下する可能性があるのだ。

また、ETFの取引が活発になると、ETFの市場価格が純資産額に対して割高もしくは割安な水準に乖離することもある。したがって、タイミングが悪い売買を行わざるを得なかった場合、さらにコストが膨らみ、リターンにも悪影響が及ぶ。また、取引量は市場でストレスが発生している時に増加する傾向がある。モルガン・スタンレーによると、通常、銘柄レベルでの取引のうちETF関連の取引が占める割合は約15%であるが、2014年10月の調整局面では23%に、さらに2008年のリーマン・ショック当時には34%に達した。

 

アクティブ運用で柔軟な投資

先に述べたように、ハイイールド債ETFでは特定のセクターのウェイトを下げるなど資産配分を調整することができないため、市場が混乱すると売却を強いられる可能性がある。一方でアクティブ運用では、柔軟に信用力の高い銘柄を選択、あるいは特に市場の変動が激しい状況では取引を控えることによって、コストを抑えることができる。

ここ数カ月間の市場のボラティリティは、2015年末まで続くことが予想される。しかし、注意深く銘柄選択と分散投資を行えば、ボラティリティは必ずしも問題とはならない。インデックスに連動するハイイールド債ETFは短期的な取引には便利かもしれないが、我々は長期的な資産運用の観点から、アクティブ運用の方が市場が変動する時により優れた防衛策を提供し得ると考えている。
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

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当資料は、2015年2月3日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 


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