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ギリシャの命運は尽きつつあるのか?

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ダレン・ウィリアムス
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
欧州シニア・エコノミスト



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2015年5月7日


長期間先延ばしになっているギリシャへのユーロ圏諸国からの金融支援は、依然として合意に達していない。金融支援がなければ、ギリシャは数週間のうちに資金が枯渇する可能性があり、公的債権者に対する債務がデフォルトとなる見通しが一段と現実味を帯びている。

ギリシャ政府は救済を受けるために必要な改革プログラムを巡り、他のユーロ圏諸国と今なお対立を続けている。交渉に進展が見られないことから、4月中に合意できるとの期待は打ち砕かれた。その結果、市場の注目は次の期限、つまり、ギリシャが国際通貨基金(IMF)に8億ユーロを返済しなくてはならない日の前日5月11日に開かれるユーロ圏財務相会合に集まっている。

ギリシャ政府当局者も含む一部の関係者は、現在のこう着状態を過度に警戒すべきではないと主張し、欧州連合が困難な決定に到達する複雑なプロセスの一環に過ぎないと指摘している。

その見方には一理あるが、真実のごく一部に過ぎない。アライアンス・バーンスタインでは、現在のこれほど強い反感や、ギリシャ政府が改革を受け入れないことに対する他のユーロ圏諸国や欧州委員会の批判の高まりは、まったく異例の事態と見ている。

そればかりか、今後の対応に関するギリシャ政府と他のユーロ圏諸国の見解は根本的に異なっている。ギリシャのアレクシス・チプラス首相は最近、見解の相違がある4つの主な分野として、労働市場の規則、年金制度改革、国有企業の民営化、付加価値税を挙げた。最初の3項目については、他のすべてのユーロ圏政府が、ギリシャの経済の近代化と長期的な成長見通しの改善に不可欠な改革だとみなしている。

今後の展開を正確に予測するのは依然として難しい。しかし、明らかなことが一つある。それは、ギリシャが態度を変えなければ、ユーロ圏から資金を得ることは全くできないということだ。そして、近いうちに新たな資金が手に入らなければ、ギリシャの国庫は底を尽き始める見通しだ。

残念ながら、ギリシャがいつ破綻するかを知るために必要なデータは我々の手元に十分にはない。当局からは相反する材料がもたらされている。ギリシャ政府は強引に資金を集めたり、サプライヤーへの支払いを遅らせたりする(その結果、経済が機能不全に陥ることになる)ことで、短期的には生き長らえることができるかもしれない。

 

迫りくる資金枯渇

しかし、ギリシャは明らかに道を外れつつあり、5月にはたちまち資金が枯渇する可能性がある。5月にそうならなかったとしても、新たな資金が調達できなければ、6月(IMFへの15億ユーロの返済期限が到来)か7月(IMFへの5億ユーロ、欧州中央銀行への36億ユーロの返済期限が到来)に資金が底をつくことはほぼ間違いない。

そうした状況に達した場合、ギリシャ政府は国民に賃金や年金を支払うか、それとも公的債権者に債務を返済するかの二者択一を迫られることになる。これまでIMFへの返済を滞らせた「先進国」は一つもない。だが、賃金や年金の支払いよりも債務返済を優先させれば、新政権は選挙公約を破って国民を真っ向から裏切ったことになり、政治的に大きな痛手を受ける恐れがある。

そのため、ギリシャが何らかの形でデフォルトに陥るリスクは、極めて現実味の高い可能性と考えざるを得ない。仮にそうなった場合、ギリシャは銀行預金や資本の海外流出を防ぐため、資本規制の導入を強いられそうだ。それが自動的にギリシャのユーロ離脱につながるわけではないが、ここ数カ月でその可能性が現実になるリスクは明らかに高まっている。

ギリシャの窮状は他のユーロ圏周縁諸国の債券市場にも波及し始めている。ギリシャ問題の先行きがはっきりするまで、市場ではボラティリティの高い展開が続くことが予想される。


 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/en/2015/04/is-greece-nearing-the-end-of-the-road.htm?

 

 

 

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