AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

金利上昇は怖くない

 

AshishShah.jpg

アシッシュ・シャー (写真)

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
グローバル・クレジット運用責任者


アイヴァン・ルドルフ・シャビンスキー

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
クレジット運用ポートフォリオ・マネジャー

 

PDF版をご希望の方はこちら pdf

2015年5月11日

 

米連邦準備制度理事会(FRB)はおそらく今年どこかの時点で5年以上ぶりの利上げに踏み切る見通しだ。それは債券投資家を神経質にさせている。だが、心配するには及ばない。平静心を保っている投資家は、金利上昇が追い風となり得ることが分かるかもしれない。

もちろん、債券は金利動向にかなり敏感に反応するものであり、金利が上昇すれば価格が下落する。しかし、満期が近づくにつれて価格は徐々に額面に収れんされていく。そのことは、価格変動に動じずに保有し続けた投資家は、ポートフォリオが得たクーポン収入を近いうちに新たな、かつ利回りがより高い債券に再投資できることを意味している。これは通常、短期的な損失を相殺し、トータル・リターンを押し上げる要因となる。

債券ポートフォリオを通じて長期にわたってインカムを得ようとしている投資家にとっては、金利上昇は早ければ早いほどいい。別の言い方をすれば、債券ポートフォリオのデュレーションが想定投資期間よりも短ければ、金利上昇は歓迎すべきもので、恐れることはない。なぜそう言えるのかの詳細については、過去の記事『債券にとって金利上昇はそう悪くない』を参考にしてほしい。

しかも、FRBが遂に金利を引き上げたとしても、債券相場は多くの投資家が恐れているほど大幅には下落しない可能性がある。その理由は、FRBが年内に0.25%ポイント程度の利上げを実施することはかなり前から予想されていたためで、社債価格はそうした見方を織り込んですでに修正されている。それ以上に積極的な引締めが行われれば市場は動揺するだろうが、そうしたシナリオは考えにくい。ジャネット・イエレン議長は3月に、FRBは緩やかなペースで行動するとの考えを強調している。


キャッシュフローが多いほど恩恵も大きい

では、投資家はどうすれば金利上昇の環境下において利益を最大化できるのだろうか? それには、高水準のインカムをもたらす債券を探し出せばいい。ポートフォリオがキャッシュフローを創出すればするほど、リターンが拡大することになる。

高いインカムが必要な投資家にとっては、おそらくハイイールド債への投資が必要となる。ABでは、デュレーションが短いハイイールド債のポートフォリオが金利上昇を最もうまく利用できる機会に恵まれると考える。保有債券の満期が早く到来すればするほど、投資家は迅速に資金をハイイールド債に振り向けることができるためだ。
 

信用の質は依然として重要

だが、誤ってはならない。投資家は最も利回りの高い債券に見境なく飛びつくべきではない。忘れてならないのは、ハイイールド債は投資適格級の債券に比べてデフォルトに陥るリスクが高いことだ。一部のハイイールド企業は借入れコストが低い環境に慣れているため、金利コストが上昇した場合に資本調達が難しくなる可能性があり、債権者に資金を返済する能力がリスクにさらされることとなる。

しかし、投資家はCCC格の多くのジャンク債など、バランスシートが脆弱な企業が発行した債券への投資を避けることによって、そうした落とし穴を避けることができる。格付がBB格やB格のハイイールド債発行体の多くを含む、財務体質が健全な企業 にとって、金利上昇はさほど懸念する必要はない。その理由は、それらの企業は景気拡大に連動しやすいためで、それは企業の業績そして多くの社債の信用の質にとって好ましいニュースとなる。


慌てて売却するべからず:その代償は高くつく

投資家が犯しがちな最大の過ちは、金利上昇のタイミングを見計らおうとしたり、利回りが上昇に向かい始めた時点で債券を売却したりすることだ。そうした行為は損失を確定させるだけであり、その損失は小さなもので、短期間で回復できると思われる。また、市場から遠ざかっても高い代償を支払うことになる。FRBが金利を引き上げた後でも、キャッシュの利回りは0%をわずかに上回る程度にとどまるからだ。

利回りが上昇し出した時点で売り注文を出してしまう行為が高くつく理由は、他にもある。それは、他のすべての投資家も同じ行動を取る可能性があることだ。以前の記事で何度か指摘したように、規制の変更は世界の債券市場から流動性を吸い上げることになった。積極的な買い手が少なくなれば投資家が一斉に市場から逃げ出すため、債券価格が急落し、売却した投資家は多額の損失を被ることになりかねない。

明るいニュースは、そうした流動性に起因する価格急落は短期間に収まる傾向があることだ。図表が示すように、米国のハイイールド債市場は最大のドローダウン(5%以上の損失)からわずか1年未満で回復している。世界的な金融危機で市場が最も大きな打撃を受けた2008年でさえそうだった。そのため、冷静なスタンスを保ち、じっと耐えた投資家の方が勝利を収める可能性が高い。


Chart1.png
 

債券は重要なインカム源で、リスクの高い株式への投資を分散する対象として用いることができる。金利上昇は短期的なボラティリティをもたらす可能性があるが、数年に及ぶ投資期間を想定している投資家は、いずれ金利上昇の恩恵を受けることができそうだ。そのカギを握るのは忍耐である。それは難しい教えかもしれないが、債券投資家にとっては学ぶ価値のある教えである。

 




 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

http://blog.alliancebernstein.com/index.php/2014/12/15/bond-investors-should-watch-out-for-the-flavor-of-the-month/

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2014年12月15日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。
 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合わせ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。


 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@aliancebernstein.comまでお寄せください。

運用サービス

  • 債券
  • 株式
  • マルチアセット
  • オルタナティブ
  • リスク抑制
  • リターン追求
  • 更なる分散

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
http://www.alliancebernstein.co.jp

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.24%(税抜3.00%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.0304%(税抜1.8800%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る