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見通しの悪い株式市場ではキャッシュフローが頼り

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デビッド・ダルガス
アライアンス・バーンスタイン コペンハーゲン
グローバル・コア株式運用戦略 最高投資責任者

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2015年5月27日

2015年の株式市場は、世界各国における金融政策の方向性の違い、経済成長のトレンド変化、通貨のボラティリティといった様々な難題に見舞われている。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、こうした予見困難なマクロ経済問題を一つ一つ紐解くよりも、個別企業のキャッシュフローに焦点を当てることで、長期的に力強いリターンを期待できる企業を特定することが重要だと考える 。

現在の市場環境は極めて複雑である。欧州市場は量的緩和、ユーロ安、景気回復見通しなどを背景に企業収益の回復への期待が高まり、堅調に推移している。一方、米国企業は、米ドル高懸念や景気先行きの不透明性から軟調である。また、新興国市場については、中国やブラジルをはじめとして弱い経済指標が続いている。

しかし、状況は複雑に見えるものの、個別企業のキャッシュフローに注目すれば問題解決の糸口は掴みやすくなる。長期的な視点で投資の成功を目指す投資家は、安定的で力強いリターンが見込まれる個別企業を見極めることに注力すべきであろう。そして、そのためにはキャッシュフローについて理解することがカギとなる。会計上の利益だけに目を向けると、誤解が生じる恐れがある場合も多いが、キャッシュフローは企業の本質的なパフォーマンスを明確に示す。特に、純キャッシュフローが長期的に生み出すリターンに基づいて算出されるキャッシュフロー投下資本利益率(CFROI*)は有用な指標となる。


キャッシュフローを重視する3つの理由

CFROIには馴染みのない投資家もいるだろう。また、CFROIは株式投資家の間で標準的に用いられている指標ではないことも事実である。しかし、これまでの経験から、CFROIが安定的に高い企業は持続的な競争優位性を有し、良好なリスク調整後リターンを上げることが分かった。以下に主な理由を3つ挙げる。
 

+キャッシュフローは透明性が高い:

会計上の利益指標は誤解を招く可能性がある。例えば、売上認識に関する会計上の決定事項によって利益率が水増しされるケースがある。一方、一般的にキャッシュフローはビジネスの実態を正確に反映する場合が多い。企業の決算報告書からキャッシュフロー以外の指標を除いてみることで、異なる会計基準を採用する企業同士を効果的に比較することができる

+ノイズが軽減される:
キャッシュフローに基づいた指標は、1回限りのイベントや売上の季節性を原因とする短期的な収益の変動をより正確に把握することを可能にする

+リターンが持続する可能性が高い:
CFROIが安定して高い企業は、常に付加価値を創造する傾向にある。こうした企業は、強力なブランド力や高い市場シェアといった優位性に守られ、戦略的に堅固な市場ポジションを有することが多い。つまり、他社による参入が困難であるため、市場環境が変化する中でも優れた投資リターンを維持できる可能性が高い


現在の市場環境に当てはめてみよう。CFROIの観点で見ると、生産設備などを自社で保有する「アセット・ヘビー」なビジネスモデルを有し、景気に大きく左右される企業は、魅力的であるとは言えない(図表)。反対に、強固な事業基盤と、設備などをあまり保有しない「アセット・ライト」なビジネスモデルを有し、専門性の高い金融やテクノロジー関連の企業は、魅力的な投資機会を数多く提供している。例えば、ビザなどの電子決済ネットワーク会社や、CMEグループ(シカゴ・マーカンタイル取引所)などの取引所が挙げられる。

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実際、2015年の米国市場は苦戦を続けているものの、例えば健康管理産業などの分野にはキャッシュフローが強固な企業が数多く存在しており、こういった企業は今後魅力的なリターンを実現する可能性が高い。欧州企業について言えば、世界各地に進出し消費者の認知度の高い企業などがキャッシュフロー特性を改善してきている。

むろん、CFROIは未来をすべて予測できる魔法の水晶球ではない。過去のキャッシュフローから将来のキャッシュフローを予想するには限界がある。そのため、効果的なキャッシュフロー分析を行うためには、企業のビジネスモデル、財務状況、競争環境についての徹底した分析に基づいた厳密なバリュエーション評価も併せて行う必要がある。しかし、投資プロセスにおいてキャッシュフローを重視することにより、投資家は市場環境が大きく変化する中においても確信を持って短期的な下落をやり過ごせるようになるし、他の株式戦略との相関が低い独自のポートフォリオを構築できるだろう。

 

 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。
https://blog.abglobal.com/en/2015/04/counting-on-cash-in-cloudy-equity-markets.htm?
 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。当資料は、2015年4月14日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。 上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

 

 

 

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