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減速する新興国市場での成長銘柄発掘

 

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ロラン・サルティエル(写真)

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
インターナショナル大型成長株式運用/
エマージング・マーケット・グロース株式運用 最高投資責任者


セルゲイ・ダバルチェンコ

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
インターナショナル大型成長株式運用/
エマージング・マーケット・グロース株式運用 ポートフォリオ・マネジャー

 

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2015年6月1日

 

新興国市場は近年、著しい景気減速に直面している。しかし、その中でも成長を続けている業界や企業は数多く存在する。新興国株式への投資を通じて魅力的なリターンを獲得する可能性を探るには、こうした分野に焦点を合わせるべきであると考える。

投資家の多くは新興国市場に失望してきた。多くの国で経済成長が鈍化しつつあり、株式のリターンは先進国市場を下回っている。MSCI エマージング・マーケット指数を構成する企業の増益率は、2010年の約18.8%をピークに、現在は12%まで低下している。

一部の投資家はさじを投げているが、それは間違いである。新興国については経済成長や政治リスクばかりが話題になるかもしれないが、投資家が見落としている強力な成長分野も数多くある(図表1)。カギとなるのは、経済成長に依存することなく成功できる企業を探し出し、商品やサービスの普及が非常に低い水準から拡大することにともなう構造変化の恩恵を受ける業界に焦点を絞ることである。Chart1.png


進行する「金融深化」

まず始めに金融サービス・セクターがいい例である。多くの新興国では、取引の手段がキャッシュからカードに急ピッチで移行している。しかも、中国やインド、インドネシアなどの国々では、経済が逆風にさらされているにもかかわらず、賃金は依然として年間10%程度の伸びを示している。

こうしたトレンドは、金融深化と呼ばれるプロセスを引き起こしている。家計部門は自由に使える所得が増えたため、金融サービス向けの支出を拡大している。新興国では、住宅ローン、消費者債務、保険、その他の貯蓄商品などにおける一般の人々への普及率は先進国に遠く及ばない。例えば、インドでは住宅ローンを利用している世帯は全体のわずか10%程度に過ぎない。ペルーでは、保険の普及率がほんの3%で、新興国の中でも最低水準に留まっている。


富裕層は健康への意識を高める

マクロ経済の影響を受けずに成長しているもう一つの分野として、ヘルスケアが挙げられる。多くの新興国では、過去20年にわたる構造的な成長を受け、食事や健康に関する人々の意識が大きく変化した。たんぱく質主体の食事が一般的になるのに伴い(そしてジャンクフードの人気が高まったことで)、人々の間に糖尿病や心臓病が広がりつつある。

しかし、ヘルスケアが浸透するにはまだまだ道のりは長い。世界銀行によると、新興国のヘルスケア向け支出は年率8%前後のペースで拡大している。それは先進国の倍以上の伸び率で、4%前後と予想される新興国の経済成長率を大幅に上回っている。それでも、新興国では国民1人当たりの医薬品向け支出が少ないため、多くの医薬品の普及率は先進国に比べはるかに低い水準に留まっている(図表2)。病院による医療サービスも先進国に比べ普及が大きく遅れている。こうしたギャップを埋めることのできる企業は力強い利益成長を達成し、臨機応変なアプローチをとる投資家に優れたリターンを提供できる可能性が高い。

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民間教育がブームに

民間教育も注目に値する。ブラジル政府は、18歳から24歳の年齢層における高等教育の普及率を、現在の15%から2020年までに33%に引き上げることを目標としている。計画に基づけば、その数は、2014年の730万人から2020年には1,200万人に増加することになる。ブラジル政府はその目標達成を民間セクターに頼っており、利子補給付教育ローンが教育の拡大を後押ししている。

同じようなトレンドは中国でも進んでいる。デロイトの推定によると、就学前から大学までの民間教育産業の規模は、2015年時点で1,020億米ドルに達するとみられている。しかも、北京のコンサルティング・グループであるBDAによると、その規模は2008年から2013年までに年間約20%という爆発的な伸びを示した。中国では、文化的に教育が重視されていることや、一人っ子政策により両親や祖父母が子供に惜しみなく支出することが、教育産業の拡大を促進している。


構造的変化が成長を牽引

こうした独特のトレンドにはいくつかの共通点がある。第一に、それらはすべて何年にもわたる変化や社会経済面における大規模な変化によってもたらされている。第二に、それぞれの動きは短期的な経済問題に勝るものであるため、GDPが全く成長しなくとも成果を得ることができる。そして第三に、新興国市場のベンチマークにはこうした大きなトレンドが反映されていない。なぜなら、指数を構成する銘柄には、景気動向に左右されやすい企業や質の低い企業、コーポレート・ガバナンスに問題を抱える企業などが数多く含まれているからである。

そのため、新興国の暗いニュースに惑わされてはならない。マクロ経済や政治環境がもっと厳しい場面でも、売り込まれた銘柄への投資を積極的に狙う投資家にとって、新興国市場は依然として実りある成果をもたらす源泉となり得る。

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/en/2015/04/Finding-Growth-Amid-EM-Slowdowns.htm?

 

 

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当資料は、2015年4月29日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。

 

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