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新興国市場の投資機会:水面下に注目を

 

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ヴァディーム・ズロトニコフ

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
チーフ・マーケット・ストラテジスト 兼
マルチアセット・ソリューション部門共同責任者 兼
システマチック/インデックス戦略最高投資責任者


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2015年6月8日

 

株式や債券のバリュエーションに基づけば、新興国市場は投資家に魅力的な投資機会を提供しているように見える。しかし、新興国市場への配分を拡大することは必ずしも正しい答えとはならない。アライアンス・バーンスタイン(「以下、AB」)では、投資価値は水面下に存在すると考えている。

2011年半ば以降、先進国株式市場のベンチマークとされるMSCI ワールド指数の累積リターンが2015年1-3月期までに約50%に達したのに対し、新興国株式のリターンはほぼ横ばいに留まっている。新興国の利益率はほぼ4年にわたり落ち込んでいるが、現在はかなり底に近づいていると思われる。

しかも、多くの新興国通貨が対米ドルで急落したほか、新興国のハイイールド債の信用スプレッドは歴史的な高水準に達している。そうしたことを踏まえれば、新興国市場には割安な投資機会が存在するように見える。しかし、単に平均的なリターンやバリュエーションに注目するのは誤った判断を下す行為となりかねない。投資機会を評価する時間軸が重要な意味を持つ。


株式バリュエーションに大きな格差

新興国株式の場合、株価純資産倍率に基づく平均的なバリュエーションは2011年に比べ大幅に低下している。その結果、多少なりとも魅力的な水準になっているが、それでも長期的な平均をわずかに下回っているに過ぎない(図表1)。

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さらに掘り下げてみれば、新興国では市場ごとにバリュエーションに大きな相違があることが分かる。最も割高な国では予想株価収益率が過去と比較して依然かなり高い水準にあるのに対し、最も割安な国では逆に歴史的に低い水準となっている。そのため、バリュエーションに関して言えば、「持てる国と持たざる国」で大きな格差がある(図表2)。Chart1.png

投資の観点から見れば、一つの疑問が生じる。つまり、ファンダメンタルズが良好で構造改革も進んでいる「勝ち組」とみられる国への投資に固執すべきか、それとも平均回帰の前提に基づいて相場が回復すると見込み、売り込まれた国に投資する方が望ましいかのという問題である。

ABでは、新興国市場の総合的なバリュエーションは、全般的なエクスポージャーを引き上げる価値があるほど十分な魅力はないと考えている。今のところ、現在のエクスポージャーを維持しながらも、アジアの新興国株式を含む、ファンダメンタルなトレンドが上向いている市場を重視することが望ましいと思われる。バリュエーションの格差がかなり大きく開いているため、新興国市場への配分の中でエクスポージャーを積極的に管理すれば、大きなリターンが得られる可能性がある。
 

中国やブラジルに選別的な投資機会

中国がその例である。中国株式の株価収益率は7倍前後から10-12倍まで上昇し、顕著なパフォーマンスを示してきた。しかし、現在進められている政策の一部は経済成長の安定につながる可能性がある。確かに成長率は過去に比べて低下すると見られるが、様々な分野が成長の源泉となるため安定した成長が見込まれ、一段と安定した基盤が構築されている。

債券市場の動向は株式市場と異なっているが、債券市場についても基本的な結論は変わらない。つまり、アクティブな運用を行えば金利や利回りスプレッドの大きな格差を活用することによって、投資価値を高める機会が生まれるということだ。

例えば、ブラジルのクレジット市場では、ブラジル経済を覆っている混乱が高金利に反映されている。しかし、多少の政策変更が行われれば、ブラジル・レアル相場の安定や金利低下につながる好ましい効果が現れる可能性がある。

重要な点は、新興国への投資機会について検討する際、配分の引上げか引下げかといった単純な二者択一とみなしてはならないということだ。投資機会はまさしく現実的なものとして存在するが、それを見極めるには徹底的な分析と優れた選別眼が求められる。


 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/04/emerging-market-opportunities-look-under-the-surface

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2015年4月30日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

 

 

 

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