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ハイイールド債、ボラティリティは生じても危機には陥らず

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ガーション・ディステンフェルド
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ハイイールド債券担当ディレクター

 

 

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2015年7月1日

 

最近、金利上昇が米国のハイイールド債市場に危機をもたらしかねないと懸念する声が多く聞かれる。だが、アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では異なる見解を持つ。
 
とは言え、一部の投資家が不安を感じている理由は理解できる。米連邦準備制度理事会(FRB)が前回利上げを行ってから10年近くが経ち、信用コストが安い状況が何年も続いた結果、ハイイールド債の価格は若干割高になっているように見える。以前にも指摘したように、それは確かに投資対象をしっかり選別すべき理由になる。だが、ハイイールド債セクター全体から手を引く理由にはならない。
 
では、彼らは具体的に何を恐れているのだろうか?
 
仮定のシナリオとして、次のような展開が考えられる。今後1-2年のうちに、金利上昇によってハイイールド債セクターの企業は社債が満期を迎えた際にロールオーバーが困難になり、デフォルトが多発する可能性がある。そうなればハイイールド債市場では売りが殺到し、流動性の低さも加わって債券の売買が成立しにくくなり、全面的な危機に発展しかねないというわけだ。
 
 
金利上昇に立ち向かう
 
ハイイールド債市場から手を引くべきだと考える理由はたくさんある。まず、デフォルト・リスクについて考えてみよう。これは投資家が常に留意しておくべき問題で、現時点のデフォルト率が低いからと言って無視することはできない。
 
しかし、金利上昇は必ずしもデフォルトの急増を意味するわけではない。実際、ハイイールド債セクターは金利が上昇する局面をうまく乗り切ってきた。1998年以降、FRBが政策金利を引き上げたのは暦年ベースで4回あったが、ハイイールド債セクターはそのすべてにおいてプラスのリターンをあげた(図表)。
 

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その主な理由は、金利上昇は景気回復を伴うケースが多いからだ。経済が成長している局面では、企業の事業見通しや信用力が改善し、米国債に対するハイイールド債の超過利回り(利回りスプレッド)が縮小する。このシナリオはハイイールド債の価格を押し上げる要因となる。
 
 
債券ごとに異なるリスク
 
金利が上昇すればデフォルト率は上昇するのだろうか? もちろんそのとおりだ。信用サイクルが拡大から縮小に移行する場面では、それは避けられない。2014年のデフォルト率は2.0%をわずかに下回ったが、今後数年間のうちに長期的な平均値に向かうと予想される(JPモルガンによると約3.8%)。
 
もっとも、すべてのハイイールド銘柄が同じリスクに直面しているわけではない。心配なのはバランスシートが脆弱で多額の債務を抱える発行体だ。格付がCCCのジャンク債を発行している企業の多くがその範疇に入る。
 
格付がBBあるいはBのハイイールド債を発行している多くの発行体を含む財務体質が健全な企業にとって、金利上昇はさほど懸念を要する問題ではない。FRB当局者は金利を緩やかなペースで引き上げる考えを極めて明確に示している。市場関係者の間では、最初の利上げは2016年以降になると予想する声も出ている。利上げはハイイールド債にとって恐れるべきシナリオではない。
 
ハイイールド債には他の大半の債券と同様に償還価値があることも心に留めておくべきだ。発行体が破綻しない限り、債券が満期を迎えれば投資家に資金が戻ってくる。金利上昇局面では、そうでなかった場合に比べてトータル・リターンが低くなる可能性はある。しかし、それは債券投資家が資金を失うことを意味するわけではない。彼らはそれでも他の投資家より高いリターンを得られる可能性がある。
 
 
流動性リスクは管理可能
 
流動性はどうだろう? 現在の債券市場では流動性が低下していることは間違いない。しかし、それは今に始まった現象ではない。社債市場では全般的に、そして特にハイイールド債市場では、米国債市場ほどの高い流動性は決して得られない。しかも、新たな銀行規制が数年にわたり市場からますます流動性を吸い上げている。
 
だが、以前にも指摘したように、流動性の乏しい市場には魅力的な投資機会がもたらされる。あるセクターで流動性が枯渇しても、別のセクターでは潤沢な流動性が供給されているケースもある。流動性を適切に管理できれば、さらなるリターンの源泉を手に入れることも可能だ。
 
米国のハイイールド企業はおおむね信用サイクルの終盤に差し掛かっている。しかし、だからと言ってハイイールド債への投資を縮小すべきだとは思えない。FRBが金融引締めに着手したとしても金利は全般的に低水準に留まる見通しだ。信用分析をしっかり行っている投資家にとって、平均で6%近い利回りを得られるハイイールド債市場は、リターンを押し上げる魅力的な機会を提供してくれる。
 
FRBによる利上げが現実になれば、今後1-2年はボラティリティが高まる場面が訪れるのだろうか? それは間違いない。だが、危機が訪れるかと言えば、そうは思えないのである。
 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/05/in-high-yield-expect-volatility-not-crisis

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
当資料は、2015年5月27日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。文中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

 

 

 

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