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エマージング市場では選り好みが報われる

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モーガン・ハーティング
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション戦略
ポートフォリオ・マネジャー
 


 

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2015年7月13日

 

アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、エマージング株式は依然としてリターンの源泉となる可能性を大いに秘めていると見ている。ただし、最近の荒れ模様から分かるように、エマージング市場から利益を得るためには、今までよりはるかに選別的な投資を行う必要があるだろう。
 
足元におけるエマージング市場の下落は、4月末までにパフォーマンスが横ばい状態のS&P 500指数をしり目に11%を上回る上昇を見せたMSCI エマージング・マーケット指数の勢いをくじくものであった。現在もなお2011年初期の水準を大幅に下回っており、投資家の多くがエマージング株式をアンダーウェイトとしているため、世界の株式市場でも注目度の低い資産クラスの一つとなっている。
 
2015年初来、エマージング株式ファンドからは約170億米ドルの資金が流出しているが、いくつかの国では現地の投資家が株式を購入し続け、バリュエーションが高まって大きなリターンを得ている。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)による10年ぶりの利上げが差し迫っていることへの懸念や、通貨のボラティリティの急上昇が原因となって、多くの海外投資家がエマージング市場に投資することを躊躇している。
 
 
ロシアの大幅な回復
 
エマージング株式市場における現地の投資家は、国内の内部情報を活用しているのだろうか? おそらく彼らは、それぞれの国に固有の問題について海外投資家よりも懸念の度合いが低いと思われる。例えば、海外投資家がロシアに対する制裁の影響について気を揉んでいた時、現地通貨建てのMICEX指数(ロシアの代表的な株価指数)は、年初来22%を上回る上昇を記録している(米ドルベース)。
 
しかし、このような状況を受けてもなお、エマージング市場全体が大きく回復するとは思わない。過去10年にわたり当市場の高いパフォーマンスをけん引した、輸出の成長、高いコモディティ価格、国の信用力向上といった経済成長の強力な追い風は、今や消え去ってしまった。投資家は明日の勝者を見極めるために、国や企業、さらにはテーマに基づいた投資機会をより明確な基準で選別する必要があるだろう。
 
 
輸出の動きに注意
 
エマージング市場への投資にあたっては、引き続きバリュエーションと成長予想に注目することがカギとなる。さらにもう一つ、ABがエマージング市場への投資のタイミングについて考える際に重要視している基本的な経済の指標は、輸出である。5月時点の輸出成長率が前年比で10.9%下落した韓国のデータをはじめとして、様々な国の長期にわたる総合的な統計データは、エマージング市場への投資タイミングを正当化するだけの経済活動が再び活性化するという根拠とするには不十分だ。
 
ABでは、エマージング株式市場のリターン予測につながる基準として、ファンダメンタル面および過去のデータに基づく計量面の両方で輸出に関するデータを用いることが重要だと考える。新興国からの輸出品の価値が米ドルベースで上昇すれば、プラスの営業レバレッジ効果が企業の利益率をも押し上げることとなり、同時に株式市場のリターンも上昇する。これは、現在のようにバリュエーションが妥当な状況では特に顕著となる。実際、株価純資産倍率および予想株価収益率(12カ月ベース)で見ると、エマージング株式は対する先進国株式よりも30%割安で取引されており、その値は過去10年間で最大である。
 
図表1が示すように、2000年代半ばおよび2010年に起こったエマージング株式のリターンの過熱は、輸出の急速な伸び、さらには収益率の力強い成長と連動している。しかし、ここ4年ほどは輸出の伸びが振るわないことも見てとれ、収益成長や株式のリターンが低迷している主な要因となっている。
 
 

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輸出が伸び悩んでいる理由は何か? それは、単にコモディティ価格が低下しているからだけではなく、エマージング市場で製造される製品に対する先進国からの需要が、その緩慢な景気動向を反映して急激に減速しているからだ(図表2)。
 

 Chart2.png


しかしABでは、それら二つの関係は、エマージング市場はこれ以上成長しない、あるいはグローバル化は終焉したと主張する悲観論者に対して最も説得力のある反論となると見ている。エマージング株式市場は引き続き先進国の景気回復に対するレバレッジを効かせた投資と考えられるが、エマージング市場の企業は高い営業利益をあげ続け、世界的な貿易の規模は拡大していくと予想される。そして最終的には世界経済が上向くことにより新興国で製造される製品への需要が増大し、さらには輸出が増えて企業の収益がさらに力強く成長するだろう。
 
 
エマージング市場に投資を続ける理由
 
現在のところ、エマージング市場へ投資を続ける意義はまだ存在すると言える。しかしそのエクスポージャーについては、市場全体というよりも、ファンダメンタル、個別企業、国といった視点で管理する必要がある。例えば、国ごとの市場の予想株価収益率で見て、トルコは10倍であるのに対しメキシコは25倍であるなど、差が大きい場合は相対バリュエーションの観点から投資機会を見出せる。そして、エマージング市場にはヘルスケアや民間教育の特定の分野で、マクロ経済の動向から直接的な影響を受けない投資機会も存在する。
 
むろん、特定の投資機会を発掘するには、エマージング株式に付き物であるボラティリティの高さを前提としたリターンの可能性を見極めることが重要である。つまり、エマージング市場で投資機会を見出すためには、単に資産配分を増やすか減らすかといった議論ではなく、深い分析力と選別眼が必要となる。
 

 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/06/it-pays-to-be-choosey-in-em

 

 

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当資料は、2015年6月10日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

 

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