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株式集中投資のリスクに関する5つの疑問

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マーク・フェルプス(写真)
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
グローバル成長株集中投資戦略
最高投資責任者
 
デブ・チャクラバルティ
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
グローバル成長株集中投資戦略
ポートフォリオ・マネジャー/
シニア・リサーチ・アナリスト
 

 

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2015年8月11日


 

中国から欧州に至るまで足元で高まっているボラティリティに株式市場が立ち向かうには、リスク管理が最優先の課題である。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、現在のように複雑な市場環境においても、集中投資を行うことによりポートフォリオをリスクから守ることができると考える。
 
集中ポートフォリオは、確信度の高い株式に投資する方法として一般的に用いられている。しかし、投資する銘柄の数が少ないため、ボラティリティが上昇すれば集中ポートフォリオも打撃を受けやすいのではないかと多くの投資家が懸念している。それが真実かどうか、5つの視点で見てみよう。
 
 
1. 集中株式ポートフォリオは、市場の調整局面において分散ポートフォリオよりも抵抗力が弱いか?
 
必ずしもそうとは限らない。実際に、ABの実績そして学術的な分析に基づくと、集中ポートフォリオは市場の調整局面で損失を和らげる効果を発揮する。集中投資のマネジャーは、単一の銘柄のパフォーマンスが悪かった場合に、分散投資のマネジャーよりもマイナスの影響を強く受けるため、個別銘柄あるいはポートフォリオ全体における収益性のリスクをより重要視する傾向にある。
 
これは、ABが米国株式の運用戦略を対象に行ったリサーチによって裏付けられる。クレマーズ氏とペタジスト氏による有名な調査*を注意深く観察したところ、保有銘柄数が35以下の米国株式集中投資ポートフォリオを運用する平均的なマネジャーは、市場の下落局面で、分散ポートフォリオよりも受けた損失の度合いが小さかった。そして、これにより、市場が回復に向かう際に容易に損失を取り戻すことできた。結果として、過去10年間のデータを見ると、集中投資戦略は、伝統的なアクティブもしくはパッシブの戦略よりも優れたリターン(過去3年ベース)をあげた(図表)。さらに、市場が最も大きく下落した3年間においては、下落幅が小さかった。
 

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2. なぜ集中ポートフォリオは市場の乱高下の影響を受けにくいか?
 
定義上、保有銘柄数が少ないポートフォリオは、アクティブ・シェアが高く、ベンチマークからかけ離れている。これは、市場に混乱が生じた際にプラスの影響をもたらす。
 
ベンチマークに追随する投資家は、特に市場が下落する局面でセクター特有の変動にさらされてしまう。例えば、エネルギーと金融は両方とも不安定極まりないセクターだ。したがって、これらのセクターへの配分を減らしたポートフォリオを構築することで、市場の下落局面において資産を守りやすくなる。
 
2014年に原油価格が下落した際、ベンチマークに近い資産配分を行っていた分散ポートフォリオは、集中ポートフォリオよりもエネルギー・セクターへの配分が大きい傾向にあった。また、金融セクターについては、銀行業務に特化している銀行の多くは、集中ポートフォリオに組み入れるにはリスクが高すぎると見ている。なぜなら、将来の金利動向の不透明さと密接に結びついている収益を予想することは非常に困難だからだ。
 
 
3. 集中ポートフォリオはセクターの回復の恩恵を受けられないのか?
 
確かに、変動が大きいセクターは時に市場の上昇をけん引する。しかし、長期的には、厳選した銘柄に焦点を当てることで、回復するセクターからの恩恵を受ける方が良いと考える。例えば、一部の証券取引所や資産運用会社は、銀行業務に特化する銀行よりも資本集約度が非常に低く、業界の長期的な成長トレンドにけん引されるかたちで、良好なリターンを提供する可能性が高いと見ている。
 
市場の動向に関わらず安定した収益を生み出す銘柄にフォーカスすることは、特定のセクターを大幅にオーバーウェイトすることでポートフォリオの安定性を阻害する可能性を抱えるよりも、確実に長期にわたって良好なリターンを生み出す。
 
 
4. 保有銘柄が少ない中、グローバル・ポートフォリオにおいて地域ごとのリスクをどのように管理するのか?
 
集中投資のマネジャーは、第一に個別銘柄固有の問題に焦点を当てるが、地域ごとのリスク管理も重要である。また、個別銘柄選択は、グローバル・ポートフォリオの各構成要素がバランスが取れており、マクロ経済の状況に応じて配分されていることを確認した上で行わなければならない。
 
現在の米国経済は、比較的に需要が強い一方、輸出における米ドル高の影響に直面している。逆に日本では、経済を刺激して賃金を上昇させる目的で円安を促進している。集中投資では、消費の回復の恩恵を受けて売上げが堅調に伸びる米国企業や、保有するキャッシュを株主に振り向ける日本の輸出企業のみに注目することで、そういったトレンドをポートフォリオに反映させることができる。これは、デリバティブやショート・ポジションを利用することなく、自動的に為替ヘッジが行えることになる(以前の記事『Cutting Through the Currency Fog』(英語)参照)。そして、為替が変動した場合、集中ポートフォリオでは、多数の保有銘柄を入れ替えるのではなく、若干の戦略的変更を加えることで、その変動による恩恵を受けることができる。
 
 
5. 今、集中ポートフォリオが抱える最大のリスクは?
 
むろん、中国市場の混乱やギリシャ債務問題の悪化、それに伴う欧州全体への悪影響の波及の可能性は、現在のグローバル株式投資マネジャーにとって最大のリスクと言えよう。
 
しかし、現在の集中ポートフォリオにおける最大の課題の1つは、2015年上旬の市場の変動を受けて、ダウンサイド・リスクをどのように抑えるかであるとABでは考える。グローバル株式市場のディフェンシブなセクター(生活必需品や高配当などの銘柄)は割高であるため、市場の下落局面でパフォーマンスを保護する機能は果たせない可能性がある。また、集中ポートフォリオでは、リスク管理の重要な役割を担うディフェンシブ銘柄の数が少ないため、ボラティリティへの抵抗力が弱まることもありうる。
 
この問題は、ディフェンシブでありながら成長する企業を特定することで解決できる。例えば、生活必需品を供給するビジネス・サービスや企業は、より魅力度の高いバリュエーションを有し、長期的な成長が見込まれ、ダウンサイド・リスクを抑制する力が優れていると見ている。また、良好な配当を第一の特長とする割高な銘柄よりも、安定した成長力を維持し、株主へのキャッシュの還元を重視している銘柄が好ましい。
 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/07/five-questions-about-risk-in-concentrated-equities

 

 

*マーティン・クレマーズ氏とアンチ・ペタジスト氏による英語の論文「How Active Is Your Fund Manager? A New Measure That Predicts Performance(ファンド・マネジャーはどの程度アクティブか。パフォーマンスを予測する新たな指標)(仮題)」(2009年3月31日)
 
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもABポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2015年7月9日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

 

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