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ロシアの小売セクターでお買い得銘柄を探す

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ヘンリー・ドーリア(写真)   
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・マーケット・バリュー株式運用
最高投資責任者
 
ジャスティン・モーロウ   
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・マーケット株式
リサーチ・アソシエイト 
 

 

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2015年8月21日

 

政治的あるいは経済的な混乱を背景に、ロシア株は世界で最も割安な資産の一つとなっている。しかし、急速に発展している同国の小売業界が、魅力的なリターンを得られる可能性のある割安な投資機会を提供していると言われれば、投資家は意外に思うかもしれない。
 
ロシア株の株価収益率は平均6.5倍前後と、エマージング株式市場の平均である12.5倍を大幅に下回っている。その理由には事欠かない。ロシア経済は、原油安やウクライナへの侵攻に対する国際的な制裁の結果、厳しい圧力に直面している。ロシア・ルーブルの対米ドル相場が急落しているほか、インフレ率が上昇し、国内総生産(GDP)は縮小している。ロシアの一般市民は実質所得の落ち込みで苦しい生活に喘いでいる。
 
そのため、どんなに逆張り投資を重視する投資家でも、ロシア株に資金を投じるには極めて慎重に対処する必要がある。それでも、ロシアの食品小売業界で長期的には近代化や業界再編が見込めることを考えれば、大手食品小売銘柄の一部は構造的に魅力的な投資機会を提供していると思われる。
 
 
成長の余地はあるのか?
 
規模に関して言えば、ロシアの小売業界には膨大な潜在力がある。ロシアの人口はドイツとフランスを合わせたくらいである。しかしながら、近代的なスーパーは依然としてほとんどなく、業界はかなり分断されている。最大規模の小売チェーンは急速に事業を拡大し、過去5年間に毎年2,000店以上の新店舗が開設された。それでも、各社には依然として大きな成長余地が残されており、市場シェアをさらに拡大できる可能性がある。
 
ロシアの食品小売会社の株価にはこうした潜在的な成長力が織り込まれているようには見えず、エマージング諸国の多くの同業他社に比べ、株価が割安な水準にあるようだ(図表)。
 

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これらの企業の収益性がかなり高いことを考えれば、それはとりわけ意外なことと言える。他の国々では激しい競争が価格戦争を招き、業界全体で収益性が低下している。ロシアでは、広い国土や厳しい気候が物流面の大きな参入障壁となっており、競争圧力が抑えられている。西側の食品小売会社は概してロシア市場への参入に二の足を踏んでいる。彼らは困難なビジネス環境や国際社会による経済制裁、それに現地の市場に精通していないことから、ロシアをターゲットとはしていない。
 
 
支出切り詰めを乗り切る
 
ロシアでは賃金減少や物価の急騰を受け、国民は間違いなく食品への支出を減らす可能性がある。小売業者にとって、政府による食品輸入規制も逆風となっている。ロシア政府は果物、野菜、食肉、魚類、乳製品について、ウクライナ問題を理由に制裁を科している国々からの輸入を禁じている。その結果、ロシアでは食品が不足し、一部商品の価格が上昇している。こうした困難な市場環境においては、大手小売業者は小規模な業者や単独の店舗に比べ、はるかに大きな成長余地があると思われる。
 
ロシア最大の近代的な小売チェーンは比較的若い企業で、1990年代に創設され、株式を上場してから10年も経っていない。しかし、彼らは急速に規模や事業地域を拡大した。それは今日の食品小売業界において、成功を収める上で重要な要素であると考えられる。
 
大手の小売業者は店舗の集中している地域に物流コストを投じることで、規模の経済がもたらす利益を享受することができる。また、サプライヤーとの交渉でも強い立場に立つことができる。それによって得られるコスト削減効果を生かし、商品を低価格で販売することが可能になる。そして、それは困難な経済環境下で割安な商品を求めるロシアの消費者を引き付ける強力な武器となり得る。大手チェーンは輸入が禁じられている食品の代わりとなる食材を発掘する能力も優れている。その結果、彼らは全体の消費が低迷していても、小規模な業者からビジネスを奪うことができそうだ。
 
積極的な事業拡大はコストがかかり、利益率が低下するリスクがある。大手小売業者は過去5年余りの間に投資を著しく拡大してきたため、利益が圧迫される可能性がある。しかし、実際は規模の経済により、投じる資本を増やすほど投下資本利益率が改善されてきた。
 
ロシアの経済的苦境を受け、大手小売業者にとって営業コストの2大要因である労働コストと不動産コストが低下している。その結果、今後開設する店舗のコストが低下することになり、業界再編を後押しするもう一つの要因となる。
 
ロシアは困難な状況に直面しているため、現在は明確な投資対象とはなっていない。しかし、多くの投資家がこの地域から距離を置いている今こそ、戦略的な視点で投資を検討する絶好のタイミングである。
 
ABでは、現在のように経済的、政治的不透明感が強い時期に構造的変化の恩恵を受けると思われる資産を割安な価格で購入するには、小売セクターは魅力ある調査対象であると見ている。長期的に見てロシアの抱える問題が解決した時にも、その魅力は大きいと言える。
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/07/shopping-for-bargains-in-russian-retail

 

 

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当資料は、2015年7月20日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 
 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

 

 

 

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