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「日本株式会社」の復活にかける

 

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ヴァディーム・ズロトニコフ

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
チーフ・マーケット・ストラテジスト 兼
マルチアセット・ソリューション部門共同責任者 兼
システマチック/インデックス戦略最高投資責任者


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2015年9月14日

 

ここ数年、日本株式は他の株式市場より優れたパフォーマンスをあげており、アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、この傾向は今後も続くと見ている。収益性、資本の活用、生産性の改善を目的とした政策によって基盤が強化され、パフォーマンスはさらに上昇するだろう。
 
この上昇傾向は、2012年12月に安倍首相が率いる自由民主党が政権を奪還した時から始まっている。アベノミクスがもたらした円安は、日本を拠点とするグローバル企業を後押ししており、また輸入価格が上昇することで日本におけるデフレ傾向に歯止めがかかっている。結果として、株主資本利益率(ROE)で見た日本企業の収益性は、過去最高に近い水準まで回復してきている(図表)。
 

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現時点での疑問は、マクロ指標がまだら模様で、中国に関する懸念が根強く、政策の方向性が不透明であるにせよ、日本株式にはあとどれくらいエネルギーが残っているかということである。同時に、日本株式は、株価収益率で見てその他の先進国市場の株式と同等の水準で取引されており、現在の収益性の水準では株価収益率の更なる上昇の可能性は限定的であることを示唆している。
 
では、今は日本株式のオーバーウェイト幅を縮小する時なのか? ABはそうは思わない。
 
 
パフォーマンスが上昇するには経済の構造改革が必要 
 
しかし、次に日本株式が他市場の株式を上回るパフォーマンスをあげるのは、他の株式市場のROEとの大きな差を縮めることができた時であると考える。ABのリサーチでは、その差が縮まることで、日本企業は中期的に30%を超える追加の利益成長率を実現する可能性があることを示している。ただ、このROEの差を縮めるには、事業の運営方法を根本的に変える必要がある。
 
なぜ今、その変化が起きうるのか?
 
現在、日本企業のROEが米国企業と比べて低くなっている第一の理由は、日本企業の営業利益の低さにあるが、次のとおり、改善ひいては上昇の兆しが見えている。
 
労働市場において需給がひっ迫。過去3年で見ると、全体の労働力率は59.4%から60.0%に改善しているが、さらなる上昇は難しく、労働供給は減少していく可能性が高い。労働市場がひっ迫するのにしたがって、企業は労働力をより効率的に活用する必要が出てくる。
 
設備投資が増える可能性が高い。生産性を上げる方法の1つとして設備投資の増大が挙げられ、日本の政策はその設備投資を促進するものとなっている。一方、工業生産における設備投資は従来低迷していたため、設備は老朽化している。円安はまた、日本企業が製造拠点を海外から国内に戻す可能性を助長している。結果、設備投資の拡大は長期的に生産性の改善を、短期的に国内需要の拡大をもたらすだろう。
 
政府が企業の収益力の改善を後押し。政府による改革の取組みには、ROEと営業利益が高い企業で構成されるJPX日経インデックス400の導入が含まれている。当指数を構成する企業の選定にあたっては、独立した社外取締役が2名以上おり、国際的な財務報告の基準を満たし、収益報告を英語で行うことなどが重要視されている。
 
日本の厚生年金と国民年金の年金積立金を管理・運用する機関である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式への資産配分を増やしており、パッシブ運用の運用指標にJPX日経インデックス400を採用している。また、日本銀行は量的緩和の下で、JPX日経インデックス400に連動したETFを買入れ対象とする予定だ。
 
さらに改革には、日本版スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードの導入も含まれており、企業にはROEの目標値を掲げ、独立社外取締役を2名以上選任し、持合い株について経済的な合理性を説明することが求められる。また、法人税の引下げにより生産性が向上するだろう。
 
 
企業の回復にはリスクが伴う
 
日本企業の改革によって景気が上昇することは、特にグローバル全体の景気が停滞し、リターンが落ち込んでいる状況にあって好ましいことである。しかし、改革が成功するかどうかはまだ分からない。
 
ABでは、日本株式の保有比率を引き下げる理由となりうる、以下の6つの主なリスク要因を注視している。
 
・賃金の上昇が持続的な回復や消費者心理の改善につながらず、売上の増加や利益率の上昇が限定的となる
 
・企業が過剰な設備投資を行う、あるいは企業価値を下げるような買収を行う
 
・構造改革の実施が不十分
 
・円高になって、2008年以降のデフレスパイラル(物価下落と景気低迷が繰り返される状況)に戻ってしまう
 
・日本国債への需要が減少し、財政赤字に対応する資金を調達できなくなる
 
・グローバル経済の低迷が、日本の景気回復を後退させる
 
しかし、これらのリスクを抱えてはいるものの、リターンが上昇あるいは下落する可能性のバランスという点では、日本はその他の先進国と比べて良好な状態にあるとABでは考える。日本の現在の株価純資産倍率はグローバル市場と比較して30%割安であり、バリュエーションの観点でも魅力度が高いと言えるだろう。
 
より良いコーポレートガバナンスに取り組む企業の株価は上昇している。また、政府や公的年金は、日本企業の復活に向けた投資を増やしている。
 
 
 
 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/09/betting-on-japan-inc-recovery

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもABポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2015年9月3日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 
 
 


 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

 

 

 

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