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グライド・パスにおけるインフレ・リスクの軽減を真剣に考える時

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ダン・ローウィー(写真)

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門
最高投資責任者 兼 共同責任者

 

クリストファー・ニコリッチ

アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門
グライド・パス戦略責任者(米国)

 

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2015年10月5日

 

過去30年間、米国の金利とインフレ率は低水準にあった。そのため、ターゲット・デート型ファンド*のグライド・パスの中でインフレに対応するよう設計されたものはほとんどない。今こそ行動を起こすべきであるとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では考える。

最後に米国のインフレ率が急上昇したのは1970年代から1980年代であり(次ページの図表1)、最初にターゲット・デート型ファンドが設定された時よりかなり前である。当時、多くの投資家が債券を売却した。彼らは、金利が上昇し、インフレが購買力を低下させるような時に、一定のインカムしか得られない債券から手を引きたかったのだ。

しかし、同時に彼らは株式に対して大幅な割引率を求めたため、結果として債券と株式の両方のパフォーマンスが下落した。これが原因となり、株式60%/債券40%で構成される伝統的なポートフォリオのリターンがマイナスとなる期間が長引いた。そして、インフレ率の上昇局面では、この伝統的な分散は効果を発揮できず、ターゲット・デート型ファンドの投資家は予想以上の下落リスクにさらされることが浮き彫りとなった。
 

インフレは破壊的な性質を持つ

このため、従来インフレ率の急上昇は、株式と債券で構成される伝統的なポートフォリオのリターンに破壊的な影響を与える最大の原因の一つとなっている。図表1において、緑色の棒グラフは、一般的にインフレの指標として用いられる消費者物価指数(CPI)の年間変化率を示している。また青色の棒グラフは、株式と債券で構成される伝統的なポートフォリオの過去10年ベースの年率リターンが実質ベース(インフレ調整後)でマイナスとなった期間を示している。これらの期間はすべてインフレ率が上昇した時に起こっているため、グライド・パスを設計する際はインフレ率を重大なリスクとして考慮すべきであることが分かる。


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インフレ・リスクは退職が近い人あるいは退職後の人にとって非常に重大となる。退職直前あるいは退職後のポートフォリオでは、インフレ環境下で支出が増えることに対応すべく、伝統的なポートフォリオの価値が下がる可能性を低減するツールが真に必要となる。

インフレ率が上昇する局面では、伝統的な株式と債券ではなく、他の資産クラスが活躍する。例えば、インフレ連動債(TIPS)はインフレが進んだ際の影響を吸収するため、インフレから債券ポートフォリオを保護するという意味で非常に重要な役割を担う。ただ、インフレ局面における軟調な株式パフォーマンスからポートフォリオを守ることは得意ではない。
 

実物資産を保有する利点

しかし、不動産投資信託(REIT)、コモディティ株式、コモディティ先物などのさまざまな実物資産は、インフレ局面あるいはインフレが予想される状況でも非常に良好なパフォーマンスをあげている。また、実物資産はインフレ・ベータ(CPIが1%変化するごとにパフォーマンスがどれだけ変化するか)が他の資産と比べて高いため、ポートフォリオ内の資産配分のうち成長を目的とする部分に対してインフレ・リスクから保護する役目を果たす(図表2、左図)。

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実物資産については保険として捉えることができる。インフレ局面あるいはインフレ率の上昇が予想される状況では、当資産(特定のコモディティなど)も上昇するか、または不動産などは家賃を引き上げることでインフレに対応できるため、効果を発揮する。

インフレに連動する資産は多くの人に利益をもたらすだろう。同資産を保有することで、伝統的な株式と債券に対するプレミアムを支払うことによってポートフォリオをインフレから守ることが可能となる。例えば、REIT、コモディティ株式、コモディティ先物、TIPSのリスク/リターン特性を株式/債券の効率的フロンティアと比較すると、すべて直線の下側になり、中にはかなり下側に位置するものもある(図表2、右図)。したがって、これらの実物資産のそれぞれが持つインフレ対応力をポートフォリオに加えることは、ある程度のリターンを犠牲にするか、より高いリスクを取る必要があることを意味する。

しかし、複数の実物資産を組み合わせることで、犠牲にするリターンの幅を抑えることができる。コモディティ株式、コモディティ先物、不動産は互いの相関度が低いことから、インフレ局面の状態によってパフォーマンスの出方が異なる。そのため、それぞれが分散の役割を果たす。実物資産を組み合わせてポートフォリオに取り入れれば、効率的なリスク調整後リターンを保ちつつ、インフレ・ベータが大幅に高まり、インフレに伴ったパフォーマンスの上昇が期待できる。

 
 

*あらかじめ目標とする年(ターゲット・イヤー)を決め、最初は積極的な運用を行い、ターゲット・イヤーに向けて徐々に積極的な運用から保守的な運用に移行するファンド

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2015/08/get-real-offsetting-inflation-risks-in-your-glide-path

 

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもABポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 

当資料は、2015年8月24日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@abglobal.comまでお寄せください。

 

 

 

 

 

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