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債券のベンチマークを見限る時?

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ジョン・テイラー
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
債券運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 
 

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2015年10月13日

 

グローバルの投資適格債券を代表するベンチマークとして主に使用されているグローバル総合指数を注意深く見ると、投資可能な戦略をすべて代表するものとして債券ベンチマークを捉えることには限界があることが明らかになる。
 
債券ベンチマークは債券市場を映し出す便利な指標であると言える。しかし、投資戦略をすべて代表しているわけではなく、大きな制約を抱えている。理論的には、株式市場の動向に対して幅広い分散を提供するために金利と信用力へのエクスポージャーを効果的に組み合わせているグローバル、マルチセクター、複数通貨のベンチマークでさえも、欠点を持つ。
 
グローバル総合指数は70カ国にわたる15,000以上の証券で構成され、投資適格級の国債、社債、不動産担保証券が幅広く組み入れられている。このため、グローバル債券への投資をすべて網羅するものとして広く見なされている。インデックス連動型の投資信託や上場投資信託(ETF)の多くが同指数のパフォーマンスと同じ動きをすることを目的としており、またアクティブ運用の戦略で同指数を基準としているものも多い。しかし、同指数を中心とした投資戦略は、米国の利上げなど世界中の債券市場に衝撃が走る状況が生じた時にどのくらい持ちこたえられるのだろうか? また、株式市場のボラティリティが大幅に上昇した場合、パフォーマンスへはどのような影響が及ぶのだろうか?
 
 
世界金融危機後のもどかしさ
 
その答えは「以前よりもパフォーマンスは大幅に劣る」であると、アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では考える。2008年に生じた世界金融危機後の数年間で世界の債券市場は大きく様変わりしたため、グローバル総合指数を含めたグローバル債券指数の多くでその内容が変化している。顕著な傾向を以下に3つ示す。
 
1. 債券市場は拡大し多様性が増しているが、グローバル総合指数はますます似たような銘柄で構成されている。債券の世界では、グローバル総合指数のような時価総額加重平均指数に追従することにより、発行体が何であれ時価総額が最も大きな債券への投資比率が最も大きくなる。世界金融危機が起こった結果、世界各国の政府は債券発行数を大幅に増やしたため、現在グローバル総合指数の約70%を国債や準ソブリン債(米国不動産担保証券など)が占めている。これにより、同指数に追従する投資家は投資対象が集中するリスクにさらされる可能性があるとともに、国債の保有割合が大きいことから、世界の債券ユニバースの中で最も低い水準の利回りしか得られないことになる。
 
また、グローバル総合指数に含まれていない債券がもたらすチャンスを逃すことにもなる。同指数が開始された1999年からグローバル債券ユニバースは大きく拡充してきているにもかかわらず、多くの地域やセクターが含まれていない。これは、金利の上昇局面で良好なパフォーマンス実績を持つ一部の債券、特にハイイールド債を保有していないため、もったいないと言える。
 
2. デュレーションが長期化している。世界金融危機後、金利が低下しているため、政府や企業は発行する債券の満期を延長することで安い借入れコストを維持しようとしている。このように満期までの期間がより長い借入れが増えたため、グローバル総合指数のデュレーションは世界金融危機前は約5.3年であったが、現在は約6.5年となっている。デュレーションが長い債券の価格は金利の動向に特に敏感であるため、デュレーションの変化は重要な問題である。つまり、差し迫っている米国の利上げは明らかに懸念材料となる。
 
3. 利回りは低下し、国債の分散効果は薄れている。世界金融危機後の低金利および量的金融緩和(QE)の環境下、国債の利回りは歴史的に最も低い水準に下がってきている(図表1)。 
 
 
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実際、欧州の国債のうち65%の利回りが現在1%を大幅に下回っている。ABのリサーチでは、債券の利回りが1%を下回ると、価格の変動による影響をインカムで和らげることがほとんどできなくなるため、金融市場全体の動向への感応度が非常に鈍ることが示されている。そのため、利回りが極端に低い国債は損失吸収力が格段に劣ることになる。
 
この損失吸収力は、国債の利回りが低下するのに従って国債と社債の利回りの差、つまりスプレッドが変化しないことにより、さらに弱まる。また、従来は低かった国債市場とクレジット市場の相関が高まっているため、現在は国債の分散効果が下がっている。
 
 
ポートフォリオの安定をもたらす債券はどこへ?
 
世界の株式市場が世界金融危機の真っただ中で急落し、続けて、欧州の見通しに対する懸念がピークに達した2011年に再び下落した際、国債は急反発し、利回りは約120-140ベーシス・ポイント低下した。それに比べて、2014年10月に株式市場が大きく下落した際は、債券の利回りはそこまで低下しなかった。特にドイツ10年国債の利回りはすでにかなり低い水準にあり、単純にそれ以上下がることができなかった。
 
利回りが極端に低い国債がかなりの割合を占めるグローバル総合指数に追従する投資家は、株式市場の変動への対策として効果的な安定を求める上で国債に頼っていたとしたら、痛い目に合うかもしれない(図表2)。
 
 
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より効果的な対策を
 
グローバル総合指数だけが欠点を抱えているわけではない。2008年以降、組入銘柄の集中、デュレーションの長期化、利回りの低下といった問題は多くの債券ベンチマークに忍び寄っている。そのためベンチマークを重視する投資家の多くは、最も債務水準が高い国や企業が発行する、デュレーションが長くて利回りが低い債券を保有していることになり、厳しい状況に置かれることになる。
 
その問題への対策として何ができるだろうか? まずはグローバル総合指数に連動する戦略が、分散効果が十分でなく、また米国の利上げから受ける影響が大きすぎるかもしれないことに気付くことが大切である。債券のベンチマークから離れることで、より魅力的なリスク水準でより高いリターンを得られる投資機会を発掘できる可能性がある。
 
 
 
当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

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当資料は、2015年9月2日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

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