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世界金融危機時とは異なる 現在のハイイールド債の下落

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ガーション・ディステンフェルド
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ハイイールド債券担当ディレクター

 

 

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2016年1月20日

 

2016年が始まったが、米国ハイイールド債市場の混乱は投資家に2008年を思い起こさせている。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、現在の状況は、世界金融危機の始まりというよりもITバブルがはじけた時に似ていると考える。
 
だからと言って2016年が順風満帆に進むわけではない。世紀の変わり目にITバブルが崩壊した当時、デフォルト率が上昇し、市場全体が落ち込んだ。しかし、その時の問題は、過剰な負債を抱えていた1つか2つのセクターに集中しており、2008年の世界金融危機時のように金融システム全体に問題が波及したわけではなかった。
 
ITバブル時代にハイイールド債市場では何が起こっていたか? 当時を思い出してみると、1990年代における通信会社は、高速ネットワークに対応したケーブルへの設備投資を行うために多額の負債を抱えていた。2000年までには、バークレイズ米国ハイイールド指数のうち通信セクターの負債が占める割合は、全体の約三分の一にまで膨れ上がった。
 
しかし多くの企業が、投資がもたらす本当のコストを誤算していた。2002年にITバブルがはじけると、通信セクターの社債は急落し、それに伴い市場全体が下落した。
 
 
現在問題を抱えるセクターはエネルギー
 
現在のハイイールド債の下落に目を向けると、エネルギー・セクターの債券の急激な下落にけん引される形となっている。当セクターは2014年半ばにはベンチマークの中で最も大きなウェイトを占めていた。これは、北米においてエネルギー資産を巡る探査と生産のために大規模な借入れが行われたためである。そして、このようなプロジェクトは原油価格の急落により採算が取れなくなった。
 
これは、現在の市場にとって何を意味するか?
 
2002年にハイイールド債のデフォルト率は上昇したが、そのほとんどが通信セクターの企業であり、その他のセクターのパフォーマンスはいたって良好であった。現在もこれと似たような状況であるとABでは考える。今回の場合、デフォルト率が高まるのはエネルギー・セクターの債券ということになる。
 
むろん、エネルギー・セクターの債券を大量に保有している投資家は痛みを被るだろう。2015年は市場全体が4.5%下落したのに対し、エネルギー・セクターは約24%も下落した。そして、その下落の大半は、エネルギー・セクターの債券を含むディストレスト化した債券によるものであった。これは、2015年12月に起こった有名なファンドの事実上の破たんにもつながった(以前の記事『Third Avenue Smoke Doesn’t Mean High-Yield Fire』(英語)ご参照)。
 
しかし、きちんと分散されたポートフォリオを構築している投資家は、エネルギー・セクター以外の質の高い債券を保有することで、バリュエーションが魅力的な投資機会を得ることができるかもしれない。
 
 
2008年よりもキャッシュが多く、レバレッジが低い
 
2008年の世界金融危機時の状況は異なる。当時の危機は、1つか2つのセクターにとどまらず、特に金融会社や米連邦政府に保証された銀行を中心に、金融システム全体にわたる巨額のレバレッジを背景に拡大した。そしてその余波は世界の市場に及んだ。現在の状況は当時とは異なるとABでは見ている。
 
その理由の1つ目は、現在、米国の投資信託は2007-2008年と比べてより多くのキャッシュを保有していることが挙げられる。これは主に、現在の債券市場の流動性が当時よりも低いためである。このため、運用マネジャーは解約に対してよりスムーズに対応できる。
 
2つ目の理由は、現在の金融システムが抱えるリスクが当時と異なることが挙げられる。例えば、現在の信用サイクルにおける年間のレバレッジド・バイアウトの規模はピーク時で1,640億米ドルであった。一方で2007年は4,340億米ドルに達した。また、ハイイールド債全体のグロス・レバレッジは以前のピーク時に近い水準にあるものの、そのほとんどがエネルギー・セクターとその他のコモディティ関連企業によるものである(図表)。ハイイールド指数の大部分を占めるエネルギー・セクター以外の企業は、コモディティ価格の低迷により収益が下がるのではなく押し上げられるだろう。
 
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最後の理由として、現在のレバレッジは銀行システムとそれほど密接に結びついていないことが挙げられる。2008年は、銀行がバランスシート上で価格設定の難しいサブプライム住宅ローンを大量に抱えていたため、問題が金融システム全体に及んだ。その後、新しい規制が設けられ、銀行はリスクの高い資産を保有しにくくなっている。これにより、債券市場の流動性が低下しているのだ。そして、銀行により高い安定性をもたらしている。
 
ハイイールド債市場のボラティリティは今後も高まる可能性がある。しかし、投資家は2008年の再来を恐れるのではなく、市場の下落をうまく活用することに注力すべきであるとABでは考える。
 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/en/2016/01/the-high-yield-sell-off-more-like-2002-than-2008.htm?

 

 

 

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当資料は、2016年1月7日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

 
 
 
 
 
 

 

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