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クレジット・サイクルに注目すべき理由

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アシッシュ・シャー(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
債券部門ヘッド
グローバル・クレジット運用責任者
 
ガーション・ディステンフェルド    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ハイイールド債券担当ディレクター
 
 

 

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2016年2月29日

 

市場が急落すれば投資家は不安になるが、いかなる時でも大局観を保つことが重要だ。足元の社債市場の下落も、クレジット・サイクルが現在どのステージにあるのかを認識できれば、バブルの崩壊といったようなものではなく、自然な調整過程であることに気付く。
 
クレジット・サイクルにはいくつかの明確なステージがある。拡大期には、容易な資金調達が収益成長を下支えし、企業は借入を増やそうとする。借入が増加すると、クレジット・リスクが増大する。やがて資産価値が低下し始めると、貸し手は条件を厳しくする。すると、金利上昇により借入は縮小し、バランスシート修復の時期に入る。そして、ようやく回復期へと至る。
 
この観点から見て、現在の市場では何が生じているのだろうか?
 
まずは、米国ハイイールド債市場を見てみよう。以前の記事で、今年はデフォルト(債務不履行)が増加するがリーマンショック時ほどにはならないとの見通しを示した。これは、金融システム危機の兆しや、ハイイールド債市場におけるバブル生成を示す現象が見られないことが根拠となっている。単にクレジット・サイクルが拡大期から縮小期へと移行することに伴ってデフォルトが増加すると判断しているのだ(以前の記事『Even As Defaults Rise, High Yield Should Stay Afloat』(英語)ご参照)。
 
 
米国エネルギー・セクターの縮小 
 
過去数年にわたり、ハイイールド債のデフォルト率は過去最低水準近辺で推移してきた。これは非常に低い金利水準の結果である。低金利はまた、より多くの企業を借入拡大に踏み切らせ、より多くの投資家をハイイールド債へと向かわせた。リーマンショック後に生じた問題債権の処理が進んだことも、2010年から2014年にかけてデフォルト率が低下した要因の一つだった。
 
しかし、いかなるものも永遠には続かない。企業のレバレッジが拡大するにつれ、バランスシートの劣化が進み、貸し手も用心深くなった。そして米国では政策金利の引き上げも始まったため、これまでと同様の低金利で資金調達を続けることが困難な企業も出てきた。
 
ハイイールド債に依存していたエネルギーおよび鉱山関連の企業は、すでに縮小期に突入している。資源価格が高騰していた時期には積極的に借り入れを増やしていたが、コモディティ市場の急落により軒並み利益率が縮小し、プロジェクトの収益性も落ち込んでいる。破綻を免れ得ない企業もあろう。このセクターは、米国ハイイールド債市場の不振の急先鋒となっている。
 
 
米国ハイイールド債のバリュエーションは割安 
 
先に述べたように、市場が不安定な中で冷静な投資判断を行うためには、クレジット・サイクルのどのステージにいるのかを把握することが有用だ。具体的には、以下のようなことだ。
 
エネルギー・セクターを除くと、実は米国ハイイールド債市場はまだ拡大期にある。ただし、縮小期に近付いていることも間違いない。それを最も明確に示す指標は、M&A(企業買収)活動の資金調達によるレバレッジの上昇である(図表1)。これは、クレジット・サイクル後期の典型的な現象だ。しかし、これは現在のハイイールド市場に投資機会がないということを意味するわけではない。足元の市場変動により利回りが上昇し、多くの銘柄においてバリュエーションが近年になかった割安水準になっているからだ。
 
 
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長期投資家にとって、購入時の利回りと言うのは、その後5年程度にわたる投資リターンのおおまかな指標になり得る。長期的には、社債の市場環境を十分に理解し、不当にリスクが高い債券を避けつつ魅力的な投資機会を選別した投資家が成功するのだ。
 
 
セクター、地域により異なるステージ 
 
さらに、セクターや国・地域によって、クレジット・サイクルのステージが異なることも認識しておくべきである(次ページの図表2)。アジア企業は縮小期にあるが、ラテンアメリカ諸国はバランスシートの修復を進めており、回復モードに入っている。米国と欧州の金融セクターは、レバレッジが低下し、債務増加が安定し、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)でみた収益が拡大しつつあり、クレジット・サイクルは回復期にある。
 
 
Chart2.png


このように、市場やセクターによってクレジット・サイクルが異なるステージにあるため、投資家にとっては分散投資が極めて重要だ。地域やセクターへのエクスポージャーを十分に分散することにより、より広範な投資機会を捉え、リスクを分散できる。

当面市場のボラティリティは高止まりすると見られる。しかし、クレジット・サイクルを理解すれば、最近の市場下落に関してもより大局的な観点から分析することができ、どのようなリスクを取るべきか、あるいは避けるべきかといった投資判断を行う一助となるであろう。
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

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当資料は、2016年1月27日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 


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