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米国IRA- 適合性原則からフィデューシャリー・デューティーへ

 

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後藤 浩
アライアンス・バーンスタイン株式会社
AB未来総研 主任研究員
 

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2016年4月14日

 

2016年4月6日、米国労働省はIRA(個人退職勘定)に従業員退職所得保障法(ERISA)に基づくフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)を適用する新しい規則を公表した。これは2015年4月にオバマ大統領の命を受けて米国労働省が発表し、パブリック・コメントに付されていた規則案が、一部修正の上、最終決定されたものだ。一部を除き2017年4月に施行、完全な遵守は2018年1月からとなる。証券会社や銀行、保険代理店など様々な投資商品販売業者に影響が予想される。

背景には、税制優遇のあるIRAは退職後の生活資金に備える上で非常に重要なものであり、そこでは投資アドバイザーが大きな役割を担っているにも関わらず、投資アドバイザーは利益相反を生み、アドバイスの質を低下させる可能性がある報酬を受け取っているという問題意識がある。米国労働省の調査では、利益相反の影響を受けたアドバイスに基づいてIRAの運用を行った場合、利益相反の影響のない口座に比べて年率0.5-1%パフォーマンスが劣後し、IRA全体の損失額は10年間で950億米ドルから1,890億米ドル(1ドル=110円換算で1兆450億円から2兆790億円)に達し得ると述べている。ERISAの制定当初は、個人の判断による投資選定を行うIRAが現在ほどまで大きくなり、また投資の選択肢がこれほど幅広く複雑になるとは想定していなかったが、これらの環境変化によりIRAをERISAの適用対象に加えるべきだという判断がついに下った。

新しい規則は、IRAに提供される投資アドバイス(ロールオーバー(制度間の資産移転)を含む)はすべてフィデューシャリー・デューティーに則って提供されることを求めている。つまり、投資商品販売業者ではなく、顧客利益が最優先ということだ。これまでIRAは一般口座と同じく、投資商品販売に当たり顧客の財務状況、金融知識・経験などに基づく適合性原則を満たしていればよかった。最良利益原則(Best-Interest Standard)により、顧客の利益を第一に考え、プロフェッショナルとしての善管注意義務をもって行動することになる。具体的には、IRAに投資商品を販売する際に販売手数料など利益相反を生じる可能性がある収益を受領することができなくなる。

一定の条件のもと最良利益契約の適用除外(Best Interest Contract Exemption)を受ければ、販売手数料等の受領を継続することはできるが、フィデューシャリー・デューティーの遵守義務は変わらず、顧客からの訴訟リスクを抱え込むことになる。

投資商品販売行為における業界への影響は今後明らかになってくるものと考えられるが、現時点は以下のことが予想されている。

将来的にはIRAではない一般口座にもフィデューシャリー・デューティーが適用されるか、同等の販売プラクティスが求められていくことについても議論がある。 折しも、本邦において金融庁が資産運用の商品開発、販売、運用、資産管理に関わる金融機関にフィデューシャリー・デューティーの徹底を推進しているところであり、米国の投資商品販売規制や業界プレーヤーの動きは注目に値する。

 

 

 

当資料は、2016年4月11日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)はアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社はABの日本拠点です。

 

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