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株価と事業のモメンタムは異なる ~株式投資のプレーブック④~

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カート・フォイヤーマン(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
セレクト米国株式運用 最高投資責任者
 
ジム・ティアニー
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株集中投資戦略 最高投資責任者

 

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2016年6月1日

 
 
 
株価が下落した時、投資家はえてしてその企業に関し何か良からぬことが起きていると考えるものだ。しかし、それは正しくないこともしばしばだ。特に上場投資信託(ETF)の普及などにより、個別銘柄ではなく市場やセクター全体を保有する投資家が多くなっている中では、注意が必要だ。 
 
株価モメンタムは、必ずしも事業モメンタムを反映したものではない。例えば、ある銘柄の株価が下落した時、それは長期間にわたり株価が堅調であったために利益確定売りに押されているだけのこともあれば、大きな投資家がポートフォリオのリスク配分を変更しただけということもあるし、その他にも理由はいくらでもあり得る。
 
昨年の米国株式市場の動きもそのような観点から見ることができる。多数の銘柄で株価が軟調であったことから、事業も不振であったと思うかもしれない。しかし、別の見方もできる。株価が下落した銘柄でも、事業は意外に好調だったものがあり、そうした銘柄は割安になったという見方だ。そのように株価モメンタムと事業モメンタムを峻別するのは、アクティブ運用を通じて長期的に超過リターンを拡大する手段の一つだ。
 
 
ヘルスケア銘柄の変動はファンダメンタルズを無視
 
例えば、2015年のヘルスケア・セクターを見てみよう。同セクターは、大統領選挙を控えて医療費問題への関心が高まる中、政府による薬価規制に対する懸念から低迷した。 
 
2015年9月、ヒラリー・クリントン氏が処方箋薬の価格コントロールを強める方針をツイートすると、株式市場ではたちまち医薬セクターの銘柄に影響が出た。同氏がまだ民主党の正式な大統領候補にすらなっていないことや、実際の法案成立までには多くの障害があることなどはお構いなしだった。その日、米国および欧州の医薬品銘柄は軒並み下落した。
 
その後1週間で、ゾエティスという銘柄は、米国医薬品セクター全体をはるかに凌駕する11%の下落幅を記録した。しかし、これはどこか変だった。同社は、動物向け医薬品のメーカーであるため、おそらく人間用の医薬品の価格抑制策の対象とはならないと見られるし、同社の長期的な成長力に関する展望は全く変わっていなかったからだ。
 
約1か月間にわたり、ヘルスケア・セクターは、S&P 500 指数をアンダーパフォームし続けた(図表)。また、バイオジェンやセルジーンといったバイオテクノロジー銘柄も下落したが、この2企業は今後5年間にわたり、年率10%以上のペースで収益が伸びていくと予測されているのだ。 
 

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薬価規制を巡っては侃々諤々の議論があったが、多くの医薬品会社で事業見通しは変わらなかった。つまり、マイナスの株価モメンタムは、業界動向に関する憶測で増幅されたもので、個別企業のファンダメンタルズ、キャッシュフロー、収益などは事実上無視された形となった。
 
 
テクノロジー・セクターの場合
 
テクノロジー・セクターにおいても、株価モメンタムの悪化が投資家に難しい問題を投げかけた。2015年前半、「老舗」と呼ぶべき大型のテクノロジー銘柄が、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)といった株価バリュエーションで見ると非常に低迷していた。これを安値買いの好機と捉えた投資家もいたが、その後数ヵ月にわたり株価はさらに下落した。この場合は、IT技術の進化が、既存のIT事業の先行きを実際に難しくしていることが背景にあった。つまり、株価モメンタムは事業モメンタムを反映していたと言える。必ずしも株価が下落すれば割安銘柄になるということではなく、単に株価モメンタムと事業モメンタムは区別して分析しなければならないということだ。
 
 
株価上昇もまた要注意
 
同様に、株価が上昇しているから事業も好調というわけでもない。例えば、エネルギー銘柄を見てみよう。過去1年ほど、エネルギー銘柄は石油価格の下落やその後の反発と並行して上下している。しかし、短期的に石油価格が上昇したからと言って、全てのエネルギー企業の収益が健全になるというわけではない。
 
ABのリサーチでは、石油価格がさらに回復したとしても、油田探査・掘削関連の企業は引き続き収益成長に関し厳しい局面が続くと見ている。一方、大手の垂直統合型石油会社は、バランスシートが健全でコスト削減の余地もあることなどから、石油価格の変動の悪影響を受けにくいと見ている。 
 
企業の収益成長が持続可能であるかどうかを見極めるためには、株価の変動に振り回されるのではなく、個別企業の事業のファンダメンタルズを理解することが重要だ。パッシブ運用のポートフォリオは、ベンチマーク指数に組み込まれている銘柄を全て保有しているため、株価モメンタムに大きく左右される。事業のモメンタムをしっかり把握しておくことによって、アクティブ運用の投資家は、ETFなどのインデックス運用の資金フローによって生じた市場の歪みを捉えることができる。市場が上昇した時には、過大評価となってしまった銘柄の持ち高を引き下げ、資金をより魅力的な投資機会に振り向けることができる。
 
 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2016/05/dont-confuse-price-momentum-with-business-momentum

 

 

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当資料は、2016年5月10日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

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