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フィンテックと資産運用(エッセイ)

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山本 誠一郎   
アライアンス・バーンスタイン株式会社
代表取締役社長
 


 

 

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2016年6月15日

 

フィンテックが日本でも普及し始めている。果たしてフィンテックは資産運用業界にどのような影響を与えるのであろうか。将来的に新しいビジネス機会を提供するのか、一つのツールに過ぎないのか。本稿ではフィンテックの概要を整理した上で、アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)の取り組みについて紹介したい。
 
フィンテックとは、金融とITの融合による「金融サービスの大衆化」を意味する。金融とITの融合は何も目新しいものではない。近年のスマートフォンの普及が、金融サービスを「ポータル化」させてきている。合わせて、人工知能、ロボット、IoT(Internet Of Things、モノのインターネット)などの革新的な発展により、今後さらにフィンテックが急速に普及していくことが予測されている。
 
フィンテックをその業界を構成するプレーヤーの立場で分類すると、図表のように12業態に分類できる。現時点では、欧米の新興企業が中心である。フィンテックへの投資額も急速に伸びており、2014年に200億米ドルだったものが、2020年には400億米ドルと、日本の年間税収に匹敵する規模まで急増することが予測されている。
 

 

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フィンテックの中でも資産運用関連に目を向けると、今まさに個人向け資産運用の分野で「ロボアドバイザー対フィナンシャルアドバイザー」の論争が起こっている。
 
ロボアドバイザーの強みとして、大きく三つ挙げられる。第一に、ポータビリティである。スマホでいつでもどこでもアクセス可能である。第二に、資産配分能力である。ビッグデータの解析により、資産クラス毎のリターン・リスク統計に基づいた資産配分上の選択肢を提供してくれる。第三に、低コストである。人のアドバイスを介在せず、上場投資信託(ETF)などのパッシブ・ファンドの運用を通じて、低コスト化を実現させている。
 
資産運用業界に与えるインプリケーションとしては、今後個人向けビジネス全般にコスト構造に変革を促すことに加え、潜在的な投資家層の幅が広がることが予想されている。将来的には、低コストを前提とし、人工知能を活用した顧客との対話技術の高度化や将来データ予測などが実現すれば、異次元での変革も十分予想される。
 
ここでABの取り組みについて少し紹介させていただきたい。ABでは2014年にAB Labsという社内シンクタンクを創設した。社内でプロジェクトメンバーを募り、現時点で9か国19都市から総勢277名が参画している(2016年5月31日時点)。国籍や人種や性別や部門を超えたまさに多国籍クロスボーダーチームである。プロジェクトは大きく五つに分かれる。
 
1. クライアント・ソリューションに関する研究。ロボアドバイザーなどが代表である
 
2. 資金調達や貸付に関する研究。クラウドファンディング、クラウドソーシングなどが代表である
 
3. 決済手段に関する研究。ビッドコインなどの仮想通貨がその代表である
 
4. ビッグデータに関する研究
 
5. テクノロジーの実践的活用に向けてのアイデア収集
 
 
ABはリサーチ力と運用力を強みとし、Ahead of Tomorrow(明日のその先へ)の精神で顧客への先端的な価値提供を目指している。したがって、AB Labsは単なる研究にとどまらず、様々な意見を集約し、いかに顧客へのソリューションに役立てるかという視点を大事にしている。その意味で、AB Labsは、社員間のコラボレーションの意識を高め、革新的な企業文化を創造する上でも役立っているともいえる。
 
具体的な成果の一つとして、2015年にNext Capital社(シカゴ在のフィンテック会社)への出資を決めた。Next Capital社の事業は、顧客口座の統合(アグリゲーション)、レコードキーピング、資産運用(ロボアドバイザー)と三つある。ABの資産配分に関する知見を基に、Next Capital社の技術を活用し、カスタマイズ化されたプラットフォームを構築する。まずは米国の富裕層や確定拠出型年金向けのサービス・ツールとして活用していく計画である。
 
フィンテックは将来的に既存のビジネスモデルを破壊し、新しいビジネス機会を提供するのか、一つのツールに過ぎないのか。これは全員に共通する正解を求める問いかけというよりは、各社各様のビジネス戦略上の生き様に関する問いかけであろう。「どうなるか」ではなく「どうしたいのか」である。現時点では、ロボアドバイザー関連については、ABでは後者寄りの姿勢である。つまり、最新のテクノロジーを既存のビジネスの枠組みの中に落とし込み、顧客の利便性を高めるツールとして活用していこうというものである。平たく言えば、リアルとデジタルの融合、人と機械の融合といったハイブリッドモデルを追求している。
 
米国においてロボアドバイザーの新興企業は20-30社あるとされているが、最近では早くも淘汰が始まっているとも言われている。ビジネスの現場では、個人情報の保護も厳しく、顧客勧誘の導線の課題もあり、小口の資産運用だけで収益性を確保するのは難しくなってきている。資産運用だけでなく、規模の経済を追求する中、資産管理やトランザクション業務など他の付随業務により、新たな収益源を模索する会社も出てきている。
 
フィンテックの普及はまだ始まったばかりである。今後も随時進捗状況をお伝えしていきたい

 

 

 

当資料は、2016年6月10日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は今後予告なしに変更することがあります。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社はABの日本拠点です。
 

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