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英国がEUを離脱しても債券に投資すべき3つの理由

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ポール・デヌーン
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ディレクター - エマージング・マーケット債券
 
 

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スコット・ディマジオ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ディレクター - グローバル債券/カナダ債券
 
 

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ガーション・ディステンフェルド
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ディレクター - ハイイールド債券および投資適格社債
 
 

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2016年7月1日

 
 
 
英国の欧州連合(EU)離脱問題をめぐっては、国民投票の前も金融市場の先行き不透明感が高かったが、結果判明後も引き続き高い。しかし、だからと言ってここで債券投資をあきらめることは合理的だろうか? 投票結果を受けた混乱が一巡する中、考察してみた。
 
 
1. 債券市場は比較的平穏
 
今回の市場反応は、危機という状況にはほど遠い。英国の政治的な混乱はさておき、他の世界各国の人々はおおむね理性的な反応をしている。そして市場も、意外に平穏を保っている。特に、台風の目から離れれば離れるほど、混乱は小さいようだ(『Investing in Europe Amid Brexit Uncertainty』(英語)ご参照)。例えば、米国地方政府債市場ではほとんど影響が見られなかった。
 
最も大きな影響を受けたのは、英国や地理的に近い欧州の国々であった。欧州ハイイールド債などの比較的リスクの高い資産は、株式と相関が高いため、投票結果の判明直後は下落した。しかし、その局面においても、投げ売りのような動きはあまり見られなかった。
 
むしろ、押し目買いの方が目立った。その結果、欧州以外のハイイールド債は底堅く推移した。エマージング市場債券も、無傷で嵐をやり過ごした。これは英国の事態を受けて原油価格が4.5%下落する一方、銅などのコモディティ価格は上昇基調を維持していることも一因だ。一般に、原油価格の下落は、新興国の経常収支の改善やインフレの抑制に寄与すると同時に、政府が石油製品の国内価格を低く維持するために負担する補助金を減らす。
 
資本市場はすでに一定の落ち着きを取り戻しつつある。先行きの不透明感や政治的な対立があるにもかかわらず、2008年のリーマンショックの時とは異なり、市場への影響が限定的であるのには理由がある。規制強化やデリバティブ市場の整備を背景に、グローバル金融システムが当時よりもはるかに健全な状態にあることだ。中央銀行が準備を整えていたことと合わせ、こうした要因は投資家心理を力強く下支えする。
 
 
2. 社債市場には低金利の長期化が好都合
 
英国のEU離脱をめぐる不透明感はいつまで続くのだろうか? 英国政府はまずリスボン条約第50条を発動しなければならず、 そこから2年間にわたるEUとの交渉が始まる。交渉はさらに長引く可能性があるし、その前にキャメロン英首相は第50条の発動を次の首相の手に委ねると述べている。
 
英国のEU離脱問題が経済や市場に関する不透明感を高めている限りは、米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする海外の中央銀行も、緩和的な金融政策を長期化させざるを得ないと言える。さらに、この問題が世界経済にマイナスの影響をもたらせ
ば、世界各国の中央銀行が何らかの対応を行うことは間違いない。これは投資家にとって悪いことではない。
 
長期的には、経済成長の低迷や低金利の長期化は、欧州以外の社債市場にとってはプラスの要因になる可能性がある。もちろん、景気後退は社債にとって好ましくないが、成長率が高すぎることも金融引き締めにつながるため、好ましくない。緩やかな成長が、いわばスイートスポットとなる。
 
 
3. 投資余力がある
 
市場に混乱が生じているとき、手元にキャッシュを残していた投資家は、割安になった証券を「押し目買い」しようとする。
 
投票結果が判明してから数日間、商業不動産担保証券や金融セクターの債券では割安な投資機会が生じていたと我々は見ている。そこでリスクを取ることを敬遠したり、そうした証券を売却した投資家は、絶好の機会を逃した可能性がある。
 
債券投資における中核的な投資家(リスク性資産を戦略的に補完するものとして債券投資を行う投資家)の多くは、英国の国民投票を前にして、通貨ヘッジ後ベースで投資しており、その状態を維持するとみられる。「質への逃避」が生じていた過程では、渦中の通貨が下落するとともに、米ドル、日本円、スイス・フランなどが強含んだ。
 
英国の国民投票の結果を受け、英国や欧州を中心にグローバル債券市場で大幅な価格変動があったことは間違いない。今後も動向をきめ細かく注視していくことが必要だ。しかし、短期資金の調達市場がひっ迫したり、リスク・パリティ戦略やパニック状態に陥った投資家が投げ売りをしたりといった現象は見られない。むしろ逆の現象すら起きている。
 
投資家は、何らかの戦略的な意味があってコア債券投資や高利回り債券投資を行うことが多い。そして、その「意味」は、英国のEU離脱支持という結果が判明した現在でも変わらない。むしろ、今回の経験は、市場の変動が高まっても、十分な流動性を確保している限りは、債券をポートフォリオに組み込んでいくことの有効性を示したと言えよう。
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2016/06/three-reasons-not-to-boot-your-bonds-after-brexit

 

 

 

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当資料は、2016年6月29日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

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