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英国のEU離脱がもたらす不安を乗り切る欧州投資とは

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ジョン・テイラー
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
ポートフォリオ・マネジャー―欧州債券マルチセクター
 
 
 
タウヒード・アリ
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
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最高投資責任者―欧州バリュー株式 兼
ポートフォリオ・マネジャー―グローバルおよびインターナショナル・バリュー株式
 
 
 

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2016年7月8日

 
欧州市場では依然として欧州連合(EU)離脱を決めた英国の国民投票がもたらした衝撃を吸収するプロセスが続いている。欧州の債券市場や株式市場の投資家は、この混乱をどのように乗り切ればいいのだろうか?
 
債券市場では、英国のEU離脱決定や、それを受けて投資家のリスク回避志向が急激に高まったことから、欧州の社債に売りが殺到した。その結果、利回りが上昇し、クレジットのスプレッドが拡大した。また、投資適格債に比べて、ハイイールド債の価格の下落が大きく、最も堅調に推移したのは、安全性が最も高いとみなされている国債だった。
 
欧州の株式市場も英国のEU離脱決定後の2営業日に急落した。投資家は欧州の政治的不透明感を理由に大幅なリスクプレミアムを求めているほか、英国、そしておそらくは他の欧州諸国でも景気後退リスクが高まっていることを踏まえ、企業利益が減速するシナリオを織り込んでいる。
 
前例のない政治的不透明感が広がる中、欧州資産に投資する投資家はどのような行動を取るべきだろうか? 投資家はポートフォリオにとって重要なディフェンシブな役割を最もよく果たしてくれる債券をどのように探し出せばいいのだろうか? 投資家が必要としている力強いプラスのリターンを株式から得るにはどうすればいいのだろうか? アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、欧州全体のリスクを乗り切り、不透明な環境の下で生まれつつある投資機会を発掘するには、アクティブ運用を続けることが不可欠であると考える。
 
 

債券の操作レバーを有効活用する

市場が不透明感に覆われている局面では、債券投資家はポートフォリオにおける最も大きな2つの操作レバー、つまりお互いに逆の動きを示す傾向があるクレジットと金利(あるいはデュレーション)を積極的に変更できる体制を整えておくことが必要である。
 
クレジットはリスク選好(リスクオン)の環境で最も優れたパフォーマンスを示すのに対し、デュレーションはリスク回避(リスクオフ)のムードが広がっている時に有効である。場合によっては、格付けが低く、株式市場との連動性が高いハイイールド債が最も高い価値を提供することもある。しかし、デュレーションが最も長い債券は株式市場が下落する局面で最も高いパフォーマンスを示す傾向があるため、投資家は金利にもある程度のエクスポージャーを構築しなくてはならない。クレジットの操作レバーを緩めることは、デュレーションの操作レバーをしっかり締めなければならないことを意味する。
 
 

ショックを緩和する緩衝材を探し出す

同時に、投資家は債券を利用してポートフォリオの安定を追求する必要がある。欧州の主要債券指数の主な構成要素である欧州長期国債の一部は利回りがかなり低いため、市場が混乱に陥っても利回りがさらに低下する余地はほとんどない。現在、ドイツ国債の利回りが15年物までマイナスとなっている。ABの分析では、債券利回りが1%を大きく下回る水準にある場合、投資家の間で安全資産に逃避する動きが強まったとしても利回りがさらに低下する余地はそれほどなくなる。そのため、ドイツ国債のような超低利回りの国債は、株式市場が下落した際でも有効なショック緩衝材とはならない。
 
欧州の主要国以外の国が発行した高利回りの国債を積極的にポートフォリオに取り入れた投資家は、株式市場の下落を相殺する優れた緩衝材を手に入れることができるかもしれない。利回りが相対的に高い英国債、オーストラリア国債、米国債は、足元の市場の混乱期にいずれもドイツ国債を大幅にアウトパフォームした。
 
通貨のボラティリティが市場心理を左右している中、欧州の債券取引を巡る環境を幅広い視点で捉えることが重要である。欧州中央銀行(ECB)は依然として量的緩和プログラムを続けており、毎月800億ユーロ相当のソブリン債、カバードボンド、社債を買い入れている。それはすでに市場のストレスを和らげる効果を発揮しており、今後も引き続き、英国のEU離脱の影響が欧州債券市場に波及するのを抑える役割を果たすと予想される。
 
 

株式市場における投資機会を追求する

欧州株式の急落はすべての銘柄に当てはまるものではなかった。明らかにリスクが最も高い銘柄、特に金融セクターが最も下落したのに対し、ディフェンシブな銘柄は下げ幅が小さく、中には上昇した銘柄もあった。
 
また英ポンドやユーロ相場の急落に伴い、英国や欧州圏内で大半の事業を行う企業の株価は、それ以外の地域からの売上げが多い企業の株価に比べて下落幅が大きかった。このように英国とEUの将来の関係を巡る交渉の政治プロセスがいつ、どのように進展するのか不透明な現状を踏まえ、株式市場は見通しの変化を株価に織り込みつつあると言うことができる。
 
しかし、今回の危機は株式投資家に新たな投資機会をもたらしただろうか? ABではそうであると考えており、特に以下の3つの分野に注目している。
 

投資家による指数の売却で過度に影響を受けた欧州の大型株:
システマティックなリスク・パリティ戦略やリスク抑制戦略を取り入れている投資家は市場が急落すれば売りを出さざるを得なくなり、多くの場合、指数に連動する上場投資信託(ETF)や他のパッシブ型投資商品を通じて売却する。その結果、指数に占める比率が高い大型株の一部が、予想されるファンダメンタルズの変化以上に大幅な下げに見舞われる可能性がある。

 

景気サイクルに左右されにくい金融株式:
特に北欧の強力なネットワークや堅実な資本基盤を持つ商業銀行は、株式市場の急落によってさらに高いリターンを提供する可能性がある。

 

売上げが米ドル建てで、欧州域内へのエクスポージャーが限定的なエネルギー企業:
英国の国民投票の結果を受け、原油価格は他のリスク資産と足並みをそろえて下落した。しかし、ABでは、今後数カ月は市場心理ではなく、供給のひっ迫が原油価格を左右する主な要因になると予想している。

 
英国の国民投票は株式市場と債券市場の投資家を同じように動揺させた。こうした場面では、運用マネージャーは注意深く、現在より大きなリスクにさらされている資産を守ると同時に、リターンを創出する新たな機会を積極的に追求する必要がある。
 

 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2016/06/investing-in-europe-amid-brexit-uncertainty

 

 

 

 

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当資料は、2016年6月29日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

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