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回復の始まった新興国市場への投資

Morgan Harting
モーガン・ハーティング
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門 ポートフォリオ・マネジャー
 
 

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シャマイラ・カーン
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・マーケット社債運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
 

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ロラン・サルティエル
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
インターナショナル大型グロース株式運用/
エマージング・マーケット・グロース株式運用 最高投資責任者
 

Sammy Suzuki

鈴木 清一郎
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ストラテジック・コア株式運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 
 
 

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2016年10月20日

 

新興国市場が元気を取り戻している。ファンダメンタルズが改善しつつあり、バリュエーションも魅力的に見える。リターンや投資資金のフローにも勢いが出てきた。これまで資産配分をアンダーウェイトとしてきた投資家にとって、新興国資産は再度魅力が高まっているのではないだろうか。
 
ペルーからフィリピンに至るまで、今日の投資家は高いリターンをもたらす潜在性を秘めた国や企業、通貨を数多く見つけることができる。しかしそれらに飛びつく前に、過去数年に及ぶ困難な時期を経て何が変わったのかを見極めることが重要だ。
 
これまで、投資家はいわゆる「ベータ取引」で成功を収めることができた。それは新興国の株式や債券の市場が長期にわたって高水準のリターンをもたらしてきたためだ。しかし、すべての船を押し上げる上げ潮は過ぎ去ってしまった今、投資家がリターンを獲得するには、市場全体の幅広い回復に依存することはできなくなっている。その結果、新興国市場で長期的にアウトパフォームできるポートフォリオを構築するには、アクティブ運用によって非常に選別的なアプローチを採ることが不可欠となっている。さらに、新興国市場の過去の姿を基準とし、将来の最も有望な投資機会を反映していないベンチマーク指数から距離を置くことも重要である。
 

ファンダメンタルズの改善

2016年の新興国市場は、株式、債券とも急速に回復している。MSCI エマージング指数は年初から8月末までに14.8%上昇し、先進国の株式市場をアウトパフォームした。債券市場では、JPモルガンEMBI 指数が同期間に14.6%上昇した。2015年の新興国市場は、多額の資金が流出し、流入額を超えたが、2016年には再び新興国のファンドに投資家の資金が流入している。それに呼応するかのように、アセット・アロケーション型ファンドも新興国市場への資産配分を徐々に引き上げ始めた。それにはもっともな理由がある。
 
・ 成長: 新興国全体のGDPは、目覚ましい成長を遂げた数年前と比べ拡大ペースが鈍化したが、ここへきて安定化の兆しを見せている。落ち込んでいたコモディティ価格が回復に向かい始め、資源依存度の高い国々を後押ししている。市場コンセンサス予想によると、多くの先進国で2016年の企業収益は横ばいないし減益が見込まれている。これに対し、新興国では6%の増益が予想されている(図表1の左図)。企業収益の伸びは、すでに2016年の株価回復に大きな役割を果たしている(図表1の右図)
 
 
 
ファンダメンタルズ:企業の利益成長が株式リターンの改善を促す可能性.png
 
 
・ インフレ率: インフレ率は大半の新興国で引き続き十分抑制されている。最近の為替相場の安定も考えると、さらなる金融緩和による景気刺激策の余地が生まれる可能性もある
 
・ 対外収支: 経常収支は2013年を底に回復しつつある
 
・ 政治: 政治リスクは無視できないが、ブラジル、アルゼンチン、インドなど、さまざまな国で好ましい変化が起きており、それは投資家心理をさらに改善させる可能性がある
 

良好な需給

投資家は、上記のような改善に注目している。2015年に資金が流出超となった後、新たな資金がまた新興国株式および債券ファンドに流入し始めている。それでも、世界の投資家の大半は、過去数年間に新興国株式市場への資産配分を引き下げた後、依然としてアンダーウェイトとしている(図表2)。
 
 
 
投資家心理は底を打ちつつある.png
 

魅力的なバリュエーション

魅力的なバリュエーションも新興国市場へのエクスポージャーを引き上げるもう一つの誘因となっている。株価収益率で見ると、新興国株式は世界の先進国株式に比べ24%割安な水準で取引されている(図表3の左図)。現在、新興国のハイイールド債の信用スプレッドは米国のハイイールド債に比べ0.9%拡大しているほか、新興国の投資適格債のスプレッドもBBB格の米国社債を0.4%上回っている(図表3の右図)。
 
 
 
バリュエーション:現在の割安度は将来的に魅力的なリターンが得られる可能性を示唆.png
 
 
新興国市場の長期的な成長やダイナミズムの恩恵を受けようとする投資家にとって、最も高いリターンが得られる可能性が高いのは株式だと考えられる。同時に、新興国の債券も着実に超過リターンをもたらす可能性があり、先進国のソブリン債や投資適格級の債券が困難な状況に直面していることを踏まえれば、投資家の資産配分において重要な役割を果たし得る。
 
株式分野では、投資家はさまざまな戦略を選ぶことができる。低ボラティリティ戦略は下げ相場で損失を和らげる効果により、長期的なアウトパフォーマンスを狙う。市場が混乱に見舞われた時にも、長期の投資を維持し易いからだ(以前の記事『新興国市場の乱気流を切り抜けるには』参照)。高成長銘柄に焦点を絞った戦略は、将来の成長のけん引役となり得る銘柄を組み入れる一方、過去の成長から恩恵を受けた銘柄や国を排除することにより、収益成長の複利効果を得ることを目指す(以前の記事『新興国株式市場再参入の機会?』参照)。また、マルチアセット型アプローチは、株式、債券、通貨を用いて積極的に取引を行い、できる限り幅広い収益源泉にアクセスすることで、魅力的な長期的リスク調整後リターンを創出しようとする(以前の記事『Pulling More Levers Across Emerging Markets』(英語)参照)。
 

ベンチマークを超えて

投資家がどのアプローチを選ぼうとも、ベンチマークに制約されず、確信度の高い運用に集中するポートフォリオを選ぶことが重要である(以前の記事『Emerging-Market Benchmarks Miss the Mark』(英語)参照)。債券投資家にとって最も高いリターンを得られるのは、伝統的なベンチマークには含まれない分野まで投資対象を拡大し、幅広い格付けの債券やさまざまな通貨を対象とするグローバルなマルチセクター投資が可能なポートフォリオである(以前の記事『流動性リスクを管理する最善のアプローチとは?』参照)。
 
株式に関して言えば、MSCI エマージング指数は平均よりも成長率の低い国々の構成比率が非常に高い。経済の成熟がかなり進んでいる韓国と台湾を合計すると、同指数の25%以上を占めている。中国、ブラジル、ロシアなどのベンチマークは国有企業に偏っており、そうした企業は得てしてコーポレート・ガバナンスが貧弱で、政府による介入を大きく受ける。投資家は、それらのベンチマークから距離を置くことにより、コロンビアの銀行から南アフリカのメディア・グループ、中国の教育関連企業に至るまで、多種多様な投資対象候補から最も有望な銘柄を選び出すことができるようになる。
 
新興国市場は投資家に興味深い投資機会を提供している。投資を成功させるには、ポートフォリオ・マネジャーが、ますますグローバル化が進む世界経済に新興国がどのように融合しているのかを理解した上で、マクロ経済、業界、国別のさまざまな問題について独自の見解を構築する必要がある。そうした原則を念頭に置いて投資すれば、投資家は自信を持って新興国市場へのエクスポージャーを拡大し、現下の市場回復からもたらされる恩恵を最大化できるはずである。
 
 

 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.abglobal.com/post/en/2016/09/reemerging-markets-investing-in-a-developing-recovery

 

 

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当資料は、2016年9月9日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

 

 

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