AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

新興国市場債券投資: 2018年も好調を維持できるか?

 

 
khan_shamalia_WA2.jpg
シャマイラ・カーン 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
エマージング・マーケット債券 ディレクター
 
 
 

 

PDF版をご希望の方はこちら pdf

2018年2月8日

 
 
 
2017年の新興国債券市場は力強いリターンを生み出した。2018年も好調を維持する可能性があるが、世界経済の動向や地政学的問題を巡るリスクが数多く待ち受けているため、投資家は選別的なスタンスを取ることがこれまで以上に重要となる。
 
2017年初頭を振り返ると、新興国債券市場は、米国の金利上昇や米ドル高を背景とした資金流出に対する懸念から、厳しいスタートを切った。しかし、あきらめずに市場に留まった投資家は、大きな見返りを得ることができた。新興国の国債や社債の主要指数は、現地通貨建て、米ドル建てともに11月までに年初来リターンが7.5%-13%ほどに達した。
 
新興国債券はなぜそれほど底堅い相場となったのだろうか? 一つには、世界経済が健全であったことだ。先進国経済は過去10年近く成長不振が続いてきたが、ようやく勢いがつき始めている。米国をはじめとする先進国の力強い成長は他の国々の経済も押し上げる傾向があるため、新興国にとっても好材料となる。
 
だが、2018年はより注意が必要だ。新興国のファンダメンタルズは引き続き良好で、債券市場のバリュエーションもおおむね魅力的な水準にある。しかし、マクロ経済および地政学的なリスクは拡大しており、グローバル資本市場を取り巻く環境は不透明感が強まってきた。米連邦準備制度理事会(FRB)が予想以上のペースで金融政策を引き締めれば、市場は混乱に陥りかねない。中国経済がさらに減速し、コモディティ価格を圧迫する可能性もある。
 
こうした不透明な投資環境は、長期的に優れたパフォーマンスを上げるためには選別的かつ機動的なアクティブ運用が有効であることを示している。
 

なぜ選別的な投資が有効なのか  

足元の市場環境で良い材料は、多くの新興国で重要な改革が進み、経済のファンダメンタルズが強化された結果、外的ショックや急激な投資資金流出に対する脆弱性が薄れたことだ。そうした国々は、インフレを収束させ、経常収支を改善し、規律ある財政に基づく中道的な経済政策を進めることでそれを成し遂げた。こうした環境改善はいずれも、新興国債券市場が数年前と比べはるかに強靭になっていることを意味する。
 
それでもなお、新興国投資に関しては選別的なスタンスが不可欠だ。例えば、発展途上国では政治的リスクや経済的リスクがそれぞれ異なっているため、国やセクターの選別を軽視することができない。
 
2018年の最大の課題は、米国を始めとする先進国で予想されている金融政策の変更がもたらす影響だ。これまでのところ、新興国債券市場はFRBによる段階的な金利引上げを無難に乗り越えてきた。しかし、2018年はFRBの首脳が交代するため、市場が現在予想している以上に引締めペースが速まる可能性がある。そうなった場合、米国債利回りが上昇するほか、米ドル高が加速して一部の新興国通貨や債券を圧迫する可能性がある。
 
新興国の政治リスクも見過ごしてはならない。メキシコやブラジルなどでは選挙が予定されており、大幅な政策変更や政権交代につながる可能性がある。
 
幸いなことに、政治リスクはその国単独の問題であることが多い。アルゼンチンの政治問題がインドネシアに影響を及ぼすことはほとんどない。これは、多くの新興国に投資を分散することで特定の国の政治リスクによって生じ得るボラティリティを抑制する、あるいはリスクの高い国は回避して他の国々に注力することができることを意味している。
 
個別の国や企業に関する要因を考慮し、各セクターや個別債券をオーバーウェイトにしたりアンダーウェイトにしたりできるアクティブ運用は、新興国債券市場において長期的に成功を収めている。ハード・カレンシー(米ドルなどの主要通貨)建て新興国債券運用に関しては、3年移動平均ベースのリターンで見ると、2004年から2016年までの期間の85%においてアクティブ運用マネジャーの過半がベンチマーク指数をアウトパフォームしている(図表)。
 
 
 
新興国債券ではアクティブ運用がアウトパフォームする傾向.png
 
 

マルチセクター運用の投資機会  

新興国債券投資における資産配分方法は、それぞれの投資家のニーズ、慣熟度、リターン目標、ガバナンス上の制約などに左右される。しかし、マルチセクター・アプローチを用いることができれば、国、社債発行企業、通貨などによって投資を分散することが可能になり、長年にわたる安定したリターンの創出に寄与することができる。
 
今日の世界では、新興国債券を債券ポートフォリオの片隅に追いやることはもはや妥当ではない。多くの新興国はすでにある程度の発展を遂げており、世界経済の成長にとって不可欠なけん引役となっている。新興国を抜きにした債券ポートフォリオは、ある意味不完全なものとならざるを得ない。しかし、新興国債券投資では、とりわけ不透明感が強い局面においては、選別的な姿勢が極めて重要になる。
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/emerging-market-debt-in-2018

 

 

 

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2018年1月2日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@aliancebernstein.comまでお寄せください。

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
http://www.alliancebernstein.co.jp

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.24%(税抜3.00%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.0304%(税抜1.8800%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。目論見書、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る