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米国株2019年の見通し: 災い転じて福となす?

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ジム・ティアニー    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株集中投資戦略 最高投資責任者
 
 
                                                                                                                                                                     caruso_frank_WA2.jpg
フランク・カルーソ 
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株式運用 最高投資責任者
 
 
                                                                                                                                                                     
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カート・フォイヤーマン    
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
セレクト米国株式運用 最高投資責任者
 
 
 
 
 
 

 

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2019年2月14日

 
 
米国株式市場では様々なリスクに対する警戒感が高まっているため、明るい兆しは見失われがちだ。2019年も一筋縄ではいかない市場環境が予想される中、投資家はポジティブなサプライズを生み出す力を持った銘柄を探し出さなくてはならない。
 
2018年の年明け直後は、投資家が楽観的になる理由が数多くあった。国内総生産(GDP)成長率が2005年以来の高い伸びになると見込まれていたほか、企業利益は20%以上増加すると予想されていた。トランプ大統領は規制緩和を進めており、景気後退を懸念する人は誰もいなかった。10-12月期に下げに転じて年初来リターンがマイナスに落ち込むまで、米国株式市場は順調に上昇を続けていた。暦年ベースで米国株のリターンがマイナスとなったのは2008年以来で、上昇幅が一時10%以上に達したにもかかわらず年間のリターンがマイナスとなったのは70年ぶりのことである。
 
 

何が変わったのか?    

10-12月期は市場が大きな不安に包まれた。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めや、米中の貿易戦争の激化、米政府機関の一部閉鎖などに対する懸念が高まり、2019年中に米国経済が景気後退に陥る可能性すら喧伝されるようになった。確かに、2019年のGDP成長率や企業業績は2018年の力強い水準からは鈍化する見通しである。投資家にとって、2008年の弱気相場の記憶が突如として鮮明に浮かび上がってくるのも無理はない。
 
こうした中では、慎重な姿勢をとることは妥当であろうし、市場の動向も複雑になる。しかし、2019年の米国株式市場は、懐疑的な投資家が驚くような結果となる可能性もある。米国経済の現状や企業業績の見通し、足元のバリュエーションや過去の例を冷静に分析してみよう。
 
 

米経済:リスクあふれる中にも明るい分野  

まず経済について考えてみよう。最近の景気の弱さは、貿易摩擦の影響によるところが大きい。貿易協定の再交渉を目指す米国の姿勢は新興国経済の悪化を招いており、例えばアップルが1月に業績を発表した際、同社は収益が前例のないほど市場予想を下回った理由として、新興国経済の弱さを挙げた。米中の貿易協議が合意に達する保証はないが、双方とも大きな痛みを味わっていることは確かだ。このことは、合意がどちらにとっても最大の利益になることを示唆している。貿易摩擦を前向きに解決することができれば、成長見通しは大きく改善し得る。
 
貿易以外の分野では、米国経済は底堅いように見える。失業率が4%を下回り、賃金も年率3%を上回る伸びを示しているほか、雇用者数や平均週間労働時間も拡大している。マスターカード傘下のスペンディングパルスによると、昨年のクリスマス・シーズンの消費支出は前年比5.1%増加した。米国ではGDPの約70%を消費支出が占めているため、こうした心強いトレンドは成長を支える重要な要因となる。
 

企業業績とバリュエーション  

企業業績は2018年に大幅拡大した後、鈍化する方向にある。S&Pによると、2018年の米国企業の増益率は約25%に達したが、2019年は10%以下へと伸び悩む見通しだ。しかし、成長が鈍化する中、企業によって大きな格差が生じると見られ、投資家にとっては勝者と敗者を分別する機会が豊富にもたらされることになる。
 
企業業績が力強く拡大する一方で株価が下落した結果、株価予想収益率は著しく低下した。2018年初めにはS&P 500指数の株価予想収益率は18倍と比較的高水準にあったが、2019年初めには約14.5倍に低下している(図表)。株価売上高倍率や株価純資産倍率などの他の指標に基づくバリュエーションは引き続き割高に見えるのだが、企業収益から見ると株価の下落は際立っている。
 
2018年の株価下落で米国株式の割高感は後退.png
 
 
2018年の株価収益率の低下幅は、1976年以降では3番目に大幅なもので、これは希望の光をもたらしている。なぜなら、過去を振り返れば、株価収益率が3ポイント以上低下した後の12カ月間は、株価が極めて好調に推移してきたためだ。もちろん、過去のパフォーマンスは2019年のリターンが良くなることを保証するものではない。しかし、バリュエーションがかなり好ましい水準となり、利益成長が続いていることは、業績拡大がいずれ投資家に恩恵をもたらすであろうことを示唆している。貿易を巡る対立が解消され、FRBが急速な引き締めペースを鈍化させた場合には、その効果はさらに大きなものとなろう。それは、どちらも現実離れした可能性ではない。
 
こうした環境において勝ち組となり得る銘柄を見つけ出すためには、幾つかの注目すべき特性がある。それは以下のとおりである。
 
・価格支配力: 価格を引き上げることのできる企業は、利益拡大を持続させる上で有利な立場にある。それができない企業は、賃金上昇に伴い収益力を維持するのが困難になる恐れがある。
 
・健全な債務比率: 企業の債務レベルは過去最高に近い水準にあるため(以前の記事『米国株投資: 企業債務増大がもたらすリスクを回避するには』ご参照)、金利が再び上昇した場合、バランスシートが膨らんでいる企業は利益を維持するのが難しくなる可能性がある。債務が少なく収益力の高い企業は、資金調達環境の変化による影響を比較的受けにくく、市場環境が厳しくなった場面でも配当や自社株買いを通じて株主への還元を続けることができる。
 
・質の高いビジネス: 今日の米国株式ポートフォリオにとって、フリーキャッシュフローを創出し、売上高を力強く拡大させている強力なビジネスを持った企業は欠かすことができない。
 
2019年も数多くの難問が投資家を待ち受けているだろう。政治リスクや貿易戦争は常に脅威となり得る。近年は、記録的な高水準にある営業利益率や低い税率が企業利益を押し上げてきたため、単純な株価予想収益率が指標として意味を持つのは企業の利益率が堅調に推移した場合のみとなる。欧州連合(EU)がデジタル税の導入を目指しているほか、2020年以降は米国の法人税率が引き上げられるとの観測があることから、投資家は過去最高水準にある企業の利益率が持続可能かどうか注視していく必要がある。
 
2018年は企業利益の力強い拡大にもかかわらず株価が下落したことから、多くの投資家にとって不満の残る1年となり、また株価予想収益率などのバリュエーションも著しく低下した。しかし、こうしたトレンドがいつまでも続くとは考えにくい。リスクはあるものの、2019年は企業利益の拡大や比較的魅力的なバリュエーションが米国株を支える要因となる見通した。特に貿易摩擦やFRBの引き締めによる悪影響が薄れれば、追い風が強まると予想される。こうしたリスクに備え、かつ市場心理が上向く可能性をも見越したポジションを構築するには、質の高い銘柄への選別的な投資が最も賢明なアプローチであろう。
 
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/us-equities-could-2018-pain-become-2019-gain

 

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当資料は、2019年1月14日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインおよびABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 
 
 
 

 

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