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ESG投資の現在と未来予想図 第2回: ESG投資の今後とアライアンス・バーンスタインの取り組み

                                                                                                                                                                     

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真野 克彦
アライアンス・バーンスタイン・香港・リミテッド
バリュー株式チーム ポートフォリオ・マネジャー 兼
シニア・リサーチ・アナリスト
 
 
 
 

2019年3月11日

 
 
前回の記事(ESG投資の現在と未来予想図 第1回:ESG投資はなぜ今、注目されているのか)では、投資の世界のみならずビジネスの世界においても注目を集めている「ESG投資」について、これまでの「環境投資」と何が違うのか、なぜ注目されているのかといった基本的な定義や影響について解説した。今回は、アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)がどのようにESG投資に取り組んでいるのか、そしてESG投資の未来といったことについて述べていく。
 

ESG評価の考え方に関しては長年にわたる経験    

企業が環境規制にどのように対応しているか、あるいは企業統治に問題はないか等、現在ESGの枠組みで再整理されている論点に関し、ABでは以前から個別企業のリサーチを行う上で当たり前のこととして意識されていた。それゆえに、社内ではなぜ今さらESGという言葉を用いるのかという議論も出た。たしかに、もともと運用プロセスにESG投資と同様の考え方が入っていたことは、長年にわたりABにとって強みとなってきた。一方で、そうしたアプローチは、後述するようにESGという概念が市場や社会の中で循環的に広がる中でこそより大きな効果が得られる。そのため、近年のESGに対する認知度の高まりはたいへん重要であると考えており、その好ましい循環への貢献を意識して取り組んでいる。
 
アクティブ運用に特化していることも、ABのESG投資を特徴づけている。投資対象企業から見れば、投資を行う運用会社は市場の代弁者であり、その発言はある程度の影響力を持っている。そこで、例えば運用会社が「ESGを省みない経営は投資家としてはネガティブな評価になる」と企業に伝えることは、経営判断の変化につながりESG投資の輪を広げる。こうした企業行動へのはたらきかけという観点では、ある程度銘柄をしぼって投資をするアクティブ運用であるからこそ、より深いESGの議論が可能となる。
 
ESGの普及という点から言うと、ESGはまだその概念が世の中に広がり始めている時期で、「ESGに優れた会社」という評価について常に使える統一的なものさしがあるわけではない。今後、多様な市場参加者の多数の判断が積み重ねられていく中で基準ができていくと考えられる。その中で、パッシブ運用を中心とした運用会社からは様々な指標を使っての投資が提言されると考えられるし、ABをはじめとするアクティブ運用の運用会社からはESGを銘柄選択に反映するさまざまな手法が提言されると思われる。ESG投資を広く社会に浸透させるためには、パッシブによる「広さ」と、アクティブの「深さ」の両方が補完し合うことが必要であり、ABは後者を担当することで社会に貢献していくポジションにある。
 

ESG投資に関する具体的な取り組み 

ABのESG投資に対する基本的な姿勢は上述のとおりだが、特にESGを意識したものとして、2つの取り組みを行っている。
 
投資によって世界にインパクトを与える
 
投資は資産を増やす側面ばかりが強調されがちだが、資金が足りないところに余った資金を届けるのも本来の役割である。ある地方公共団体に関し財政破綻の懸念が高まると、当該団体の発行する債券の価格は低下する。その中で追加の資金投入により財政破綻を回避できれば、懸念の低下により債券価格が上昇し、優れた投資リターンが得られるが、同時に、財政破綻によって生じ得る行政サービスの停止を始めとする地域への様々な悪影響を防ぐことで、社会に対し直接的に良いインパクトを与えることができる。
 
国連SDGsを指針として活用
 
もうひとつの取り組みは、国連のSDGs(持続可能な開発目標) を意識したものだ。持続可能な開発に貢献できる企業に投資資金を提供することは新興国の持続可能な開発目標の達成に貢献することができる。同時に、SDGsは長期的な目標であることから、持続可能な開発に貢献できる企業は長期間にわたり優れた業績や株価パフォーマンスが期待できる。
 

ESG投資が主流となる流れは不可逆  

前回紹介したとおり、何をもってESG投資とするかの定義に関し現時点では明確な合意は無く、その実践方法は、個人の立場や考え方によってまったく異なる。しかし、世界中でこれだけESG投資が注目されているのは、おそらく「儲かる儲からないだけでなく、ESGへの配慮も重要だ」ということで幅広い合意がなされている表れだろう。
 
ESGへの配慮を重要視する流れは、今後さらに早くなり、かつ広範囲に広がって当たり前になる。そして、実際に「ESG」が当たり前になった世界では、逆に「ESG」という言葉自体が使われなくなっていくだろう。十数年前、「ユビキタス・コンピューティング」という概念が取りざたされたが、スマートフォンの普及により実際に「ユビキタス・コンピューティング」が実現した今では、ほとんど聞かなくなった。ESG投資がそうなるまでに何年かかるかはわからないが、遠くない将来、そのようになると考えられる。また、おそらくそれがESG投資の向かうべき世界だろう。
 
ESG投資の日常化はすでに始まっているが、今後ESGに配慮しない企業からの投資の引き揚げといった動きが大きくなれば、一気に加速する可能性がある。ただ、ESGは長期的な社会の利益に資するもので、実際に利益が得られるには、価値基準が変わり、資金の流れが変わり、社会全体の経済環境が良くなり、持続可能な状態になるという、長いプロセスを伴う。
 
投資はやはり収益が上がるからこそ行われるものであるから、利益がなかなか見えないESG投資が十分に広まり、日常化するには多少時間がかかることも考えられる。しかし、だからといってESGへの配慮を怠れば、いざ価値基準が変わったと気づいたとき、その企業や運用機関は急に評価されなくなるというリスクを抱えることになる。
 
ESGに早い段階から取り組んでいる欧州では、すでにESG投資がリターンにつながっているという定量分析の結果も出ている。これらのことを考え合わせると、ESGを省みない投資は、収益機会を逸することになる可能性が高いと言えよう。
 
 
 

 

 

 

当資料は、2019年2月27日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 
 
 
 
 

 

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