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【AB IQ】 ダイバーシティ:資産運用業界の取り組み

2019年5月14日

 
 
世界の4つの機関を対象に、組織内でダイバーシティ&インクルージョン(D&I=多様性の受容と活用)をどのように推進しているか、また、投資における成功にとってなぜD&I がますます重要になっているのかについて聞いた。 
 
 
 
現在、あらゆる分野の企業に対しD&I に関する改善を求める声が高まっている。すべての職階における女性の雇用拡大から、男女賃金格差の縮小、採用判断における性別、年齢、人種に対する偏見の解消に至るまで、課題は山積している。
 
社会的な平等性の改善に加え、こうした問題への取り組みは資産運用会社にとって特に重要となっている。ダイバーシティが欠如していると、狭い視野から不合理な意思決定をしてしまう集団思考に陥り、パフォーマンスが損なわれる可能性があるからだ。米国、英国、オーストラリアの機関投資家を対象に、それぞれの組織にとってダイバーシティが必要不可欠である理由、そして実効性のある変化を生み出すために彼らが行っている取り組みについて聞いた。
 
 

1. D&I は資産運用業界においてますます多くの企業が重視し、注力する分野となっています。あなたやあなたの組織にとってD&I が重要である理由とは? 

VFMC(ビクトリア州ファンド管理公社、オーストラリア)人事部長、Johanna Neilsen氏: 「VFMCでは、社員の多様なバックグラウンド、スキル、才能、考え方を最大限に活用できれば、結果として素晴らしい成果につながったり、VFMCの設立目的の達成にさらに深く貢献できる可能性があると認識しています。 
 
多様な人材を意思決定の中に取り入れることにより、私たちのビジネスや顧客にとってより良い結果がもたらされると考えています。様々な考え方やアプローチを意思決定に取り入れることは、ビジネス上合理的であるだけでなく、インクルーシブな文化や良好な職場環境が作り出されることにもなり、それによって社員はベストな自分を引き出し、プロフェッショナルなチームの一員として自分が貢献していることを実感できます。」
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John.jpg NEST(国家雇用貯蓄信託、英国)副最高投資責任者、John St. Hill氏: 「私たちは、様々な人材をバランス良く活用することが、どの組織にとっても成功のカギであると考えています。優れた業績を生み出している組織がインクルーシブな文化を受け入れ、多様性のあるリーダーシップを追求している理由としては、それにより最高の人材を呼び込み、従業員満足度を向上させ、意思決定能力を改善できることなどが挙げられます。コンサルティング会社大手のマッキンゼーが最近発行したレポート「Delivering through Diversity(ダイバーシティによって得られる成果)(英語)」によると、多様な人材を活用している組織は、そうでない組織に比べて意思決定能力や業績が優れていることや、顧客をより深く理解しているということが分かっています。」 
マーサー(英国)投資調査部門グローバル責任者、Deb Clarke氏: 「D&I は長期的に持続可能なビジネスを実現するために非常に重要です。私たちのミッションは、社員が持てる力を最大限に発揮できるようにすることです。社員の活躍はビジネスの繁栄にとって必要不可欠なのです。様々なバックグラウンドを持つ社員を雇用していることで、ビジネスが恩恵を受けるだけでなく、カルチャーの面でも成果を得られると私たちは考えています。」 
 
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Elizabeth.jpg ハワイ州職員退職年金基金(米国)最高投資責任者、Elizabeth Burton氏: 「D&I がますます重視されるようになってきたのはとても良いことです。ダイバーシティはあらゆるチームにとって非常に重要です。私自身の仕事である運用について言えば、アルファの獲得は非常に難しく、単一の視点で考えていると、それがさらに難しくなるということを私たちは理解しています。例えば、チームに同じような人しかいない場合、集団思考に陥り、何かを見落としやすくなる可能性があります。
 
運用チームは、各メンバーがそれぞれ独自の貢献をできるような多様性のあるメンバー構成を心がけるのが理想的だというのが私の考えです。しかし、多様性のあるチームを編成したら、次はそれをさらに一歩前進させ、その多様性を活かさなければなりません。ここで、インクルージョンという概念が必要となってくるのです。インクルージョンについてはあまり十分に語られていませんが、最も優秀な人材をつなぎとめておくためには必要不可欠な要素です。インクルージョンとは、性別、人種、年齢、学歴、文化的バックグラウンドの違いに関係なく、全ての人が参加し、全員が真にアイデアを出し合うことを促す環境を作り出すことです。多様性のあるチームを編成し、すべてのメンバーが自分も貢献しているという実感を持つことができれば、我々はさらに優れた運用チームになれることでしょう。」 
 

2. あなたの組織では、D&Iをどのように定義づけ、評価していますか?   

Deb: 「私たちは、支援、環境、リーダーシップ、測定という4つの大きなテーマに焦点を当てて、各テーマの中で複数の取り組みを実施しています。これには、セミナーの開催やスポンサー活動から、報酬・昇進における偏りの解消を目的とした分析、そして従業員アンケートに至るまで様々なものがあります。」  
 
VFMC(オーストラリア)最高投資責任者、Russell Clarke氏: 「多くの同業他社と同じように、私たちも取り組みを始めたばかりです。私たちは今年、CFA協会の「実験的パートナー・プログラム」に参加することにしました。当プログラムの一環として、私たちはモニタリングする重点分野を3つ選択しました。①組織としての対応を図るための「ダイバーシティの定義づけ」、②実際のアクションによる効果を高め、そのアクションの効果を測定するための「データ」、D&I への取り組みや、それが組織にどのように影響を及ぼしているかをすべての人材に理解してもらうための「ストーリーテリング」です。 
 
これらの重点分野を強化するために、近々、第1回目のD&I アンケート調査を実施する予定です。当アンケートへのフィードバックが当社初のD&I ポリシーや業務プログラムの策定に役立てば幸いだと考えています。これらの重点分野以外にも、フレックス勤務制度、ジェンダー間のバランス、在職期間、年齢、管理職育成プログラムの効果に基づいた測定基準を設定しました。当社では、多くの社員が多様な人材を援助、支援しています。私たちは現在、D&I の確立に向けて取り組んでいる過程にあり、こうした取り組みをVFMCチーム全体に拡大しているところです。」 
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John: 「NESTでは、ダイバーシティを「違う」ということを礼賛することと定義づけています。これには、 (英国の平等法で定義されている人種や宗教などの)9つの保護特性だけでなく、個人がさまざまなグループにおいて疎外されているような状況も含まれています。インクルージョンは私たちの組織にとって中核的な価値で、受容と理解の文化を生み出すために必要なステップだと考えています。

NESTでは現在、2019-2021年のD&I 戦略を実行に移しています。インクルージョンを推進することによって多様な人材を勧誘し、採用し、勤続してもらい、それによって社員全体の能力を最大に発揮できるようにすることを目指しています。」 
 

3. 組織内で誰がD&I に関する責任を担っていますか(CEO、D&I 専任責任者、人事部長など)?   

John: 「取締役会のメンバー全員がダイバーシティに関する目標を掲げており、これらの目標の達成度はCEOが評価します。取締役会はD&I 戦略、達成計画、ダイバーシティ・スコアボードの承認を行います。ポリシーに関する日々の運用は、人事部のD&I ビジネス・パートナーが担います。また、最高財務責任者がダイバーシティ・シニア・チャンピオンとして、ダイバーシティ運営グループの委員長を務めています。ダイバーシティ運営グループは様々な部署のスタッフで構成されており、それぞれが各部署におけるチャンピオンを務めています。運営グループはNESTにおけるD&I 戦略の実践やポリシーの有効性の検証に関し全体的な責任を負っています。」 
 
Deb: 「当社では、D&I 審議会および諮問グループを設置しており、これは上級幹部や各地域の代表者によって構成されています。また、グローバルD&I リーダー1名と複数の地域リーダーも任命しています。各地域のダイバーシティ・チャンピオンはネットワークを築いており、現地のニーズが確実に満たされ、取り組みがしっかりと根付くことを目指しています。さらに、男女平等を強化するためのイベントや活動、調査も継続的に行っています。2015年には、ダイバーシティに関する目標を事業戦略の中に取り入れました。取締役会と経営幹部による全面的な支援を受けて5年目標を導入しており、たとえば、すでに達成しているのですが、男女比率を半々にしてそれを維持することや、上級職に占める女性の割合を2020年までに30%に増やすことを目標に掲げています。この目標を達成するため、私たちは採用プロセスの見直しを行い、重要ポストにおけるさらなるダイバーシティの実現を目指して、すべての上級職採用について、必ず多様な人材を最終候補者リストに入れるようにしました。」  
 
Elizabeth: 「従業員全員がD&I への取り組みについて責任を負っています。ですから、私のチームも積極的にダイバーシティに取り組んでいます。私たちは、年齢、性別、バックグラウンド、職歴、学歴、民族性などに関し、公的年金基金の中ではかなり多様性の豊かな組織であると思います。」  
 
Johanna: 「戦略レベルでの責任の所在は取締役会と経営幹部チームにあると考えています。人事部長である私は、CEOのLisa Grayと共に、承認された人材戦略の一環としてD&I への取り組みを支援する重要な役割を担っています。Russellも、人材の「ポートフォリオ全体」に注目することから始め、チームがどのように協働できるかという点について重要な役割を担っています。事業を発展させていくには、まずは人材からです。適切な人材、インクルーシブな文化、良好な職場環境を有していれば、高いパフォーマンスを上げるチームの要素が備わっていることになります。」  
 

4. これまでに実施した具体的なD&Iの取り組みは?   

Johanna: 「先程お話ししたアンケート調査のほかに、私たちは最近、フレックス勤務制度を改定しており、利用割合の目標を30%に設定することでより多くの従業員にワーク・ライフ・バランスについて異なる考え方を試みるよう促しています。VFMCでは、フレックス勤務制度は介護や育児の負担を抱えている従業員のためだけではありません。現在、およそ21%の社員が何らかの形でフレックス勤務制度を利用しています。これを2020年までに30%に増加させることが私たちの目標です。また、組織全体でフレックス勤務制度のコンセプトを標準化させたいと考えています。私たちはモビリティをサポートし、柔軟な働き方を実現するための技術を備えており、既に事業のあらゆる分野でそれが実現しています。
 
また、VFMCの従業員は男女問わず育児休暇を利用することができます。引き続きこの福利厚生制度を発展させていくのに伴い、すべての性別の従業員にもっと頻繁に利用してもらえればと考えています。」
 
John: 「私たちは、全国的、あるいは国際的なレベルで行われる社会的啓発イニシアティブと同時開催する形で、年間を通して様々なキャンペーンを実施しています。例を挙げると、タイム・トゥー・トーク・デー(メンタルヘルスへの偏見をなくすことを目的とした英国の啓蒙イベント)、国際女性デー、世界メンタルヘルス・デーなどがあります。
 
NESTでは定期的にゲストスピーカーを招き、従業員に向けて仕事とプライベートの両方の観点からD&I について講演を行ってもらっています。また、すべての従業員を対象に、包括的なフレックス勤務制度を提供しています。優れたサービスを提供しながらも、より良いワーク・ライフ・バランスを保てるよう従業員に促すことが目的です。
 
また年に2回、「ドラゴンズNEST」コンペティション(起業家が投資家の前でプレゼンをして資金を集める、BBCの「ドラゴンズ・デン」という番組を模したもの)を開催しています。これは、より幅広い福利厚生の取り組みをサポートするために従業員に資金提供を促すイベントです。
 
採用については、最近ちょうど活動の見直しを行ったばかりで、一連の新たな取り組みを開始している段階です。例えば、先入観を取り除きやすいように、履歴書や応募フォームで属性を特定できる情報を記載する欄を減らすことや、人材採用を担当する採用マネージャー全員を対象に受講必須の「採用者認証トレーニング」パッケージを導入することなどが挙げられます。」
 
Deb: 「当社には、数多くの取り組みをサポートする複数のビジネス・リソース・グループがあります。最近では、D&I グループが(障害者に的を絞った)「アクセシビリティ&インクルージョン」の取り組みを開始し、新たなビジネス・リソース・グループが誕生しました。
 
私たちの取り組みでは他のグループの意識向上も目指しています。例えば、人種や民族に関する「#letstalkaboutrace」という取り組みでは、多様性が持つ様々な意味を取り上げてポスターを制作し、オフィス中に掲示しています。他にも、Vine(当社の女性ネットワーク)固有の取り組みとして、「男性の参加」に関するものがあります。これは、女性と男性が直面する典型的な固定観念についてのパネルディスカッションやワークショップを通して、男女平等やダイバーシティに関する話し合いにもっと多くの男性を参加させることを目的としています。当然のことながら、これらの固定観念に男女間でさほど違いはありませんが、驚いたことに、男性もこうした問題(例えば育児休暇やフレックス勤務制度に関する問題)に直面していることに女性は必ずしも気づいていないのです。
 
また、「#allrolescanflex」のようなフレックス勤務制度を推進する取り組みや、人事マネージャー向けに無意識のうちに抱えている偏見をなくすための取り組みなどもあります。」
 

5. D&I で推進するのが最も難しいの分野はどれですか(性別、民族・宗教、学歴など)?また、その理由は?  

Elizabeth: 「すべて、ですかね。いずれも違った意味で難しいですね。
 
民族・宗教のダイバーシティについては、本人からの自発的な情報提供がない限り特定するのが難しい可能性があるため、困難な課題です。また、性別のダイバーシティは資産運用業界にとって依然として大きな課題となっています。我々のポートフォリオ・マネジャー(及び最高投資責任者)の中では女性のリーダーが不足していますし、この分野で今以上にもっと発展が見られればと心から願っています。
 
学歴のダイバーシティもまた難しい課題です。ハワイだけについて話しているわけではありませんが、特定の学校の出身者や、特定の機関で職務経験があるマネジャーを採用する業界の傾向が見られますね。理想的な履歴書はどのようなものであるか、また、一定の学位があってこそ学歴水準を満たしているといった先入観がまだ残っているのが現状ですが、こうした傾向が徐々に変化していくことを願っています。」
 
John: 「メンタルヘルスに関する話題は、特に男性の間で今なおタブーとされています。まずは、この話題を通常のトピックとして取り上げ、オープンな話し合いを促すことが最初のステップとなります。従業員にはストレスやメンタルヘルスについて気軽に話し合い、必要な時には助けを求めることができると感じてもらいたいと考えています。」
 
Deb: 「すべての分野において、取り組むべきことがまだまだあります。中間管理職の従業員をもっと関与させることも課題のひとつです。彼らの多くは自分自身も他の従業員もさらに先に進めることはできないと信じて、あまり関与していないように見え、もっと深く関与しようとしていないようです。私たちはすべての従業員に、D&I への取り組みが普通のこととなるよう関与してもらいたいと考えています。」 
 

6. D&I を向上させる上で最も大きな課題は何ですか?      

Russell: 「どの組織にとっても、注力すべき分野、優先順位、効果の測り方を見極めることがひとつの課題となっています。D&I は非常に幅広い分野ですし、一部の組織では全てを網羅できないかもしれません。小さな組織では、一度に全てのことに取り組むことはできません。優先順位を設定して取り組みの実現に注力し、効果を測ることが重要だと私たちは考えています。そうすれば、どの分野でも成功することができるでしょう。」
 
John: 「私たちは「コストに見合った価値」を実現する効率的な組織であるべく全力を尽くしています。ですから、私たちにとっての重要な課題は、様々な戦略的取り組みの優先順位をつけること、そして、掲げる目標に対して、利用可能なリソース、特定されたニーズ、実施に要する時間のバランスを取ることです。」 
 
Elizabeth: 「インクルージョンは、外部の資産運用マネジャーを対象とした場合、定義づけや評価が難しく、万能なアプローチはありません。彼らとの日常的な会話が大事で、その会話を通してD&I に関して彼らがどのような立場をとっているか、自らのプロセスやアプローチを継続的に慎重に改善しているかどうかが分かります。
 
社内でも、なかなか難しい部分があります。私がインクルージョンや他者の尊重と見なしていることが、他の人にとっては違うかもしれないわけです。オープンでプロフェッショナルな対話をすることや360度評価を行うことが、こうした問題の解決に役立つ可能性があります。」
 

7. 資産運用会社を選ぶ際にD&I は重要な考慮事項ですか?その理由は?

Deb: 「共通の価値観を持ちつつも多様性のある運用チームは、他の条件がすべて同じであるならば、そうでない運用チームよりも優れたパフォーマンスを上げる可能性が高いと私たちは考えています。ですから、資産運用会社を選択または評価する際にD&I を考慮することは重要だと思っています。私たちは、多様性のあるチームというのは、複雑な金融問題に対してより優れた、そしてより独創的なソリューションを導き出せると考えており、それが資産運用における成功の重要なカギのひとつだと思います。多様性のあるチームはまた、投資ユニバースをより深く、幅広く理解しており、それぞれのアイデアについて立証したり、疑問を呈して説明を求めたりすることができるため、集団思考現象を避けることができます。様々な方法で問題解決を行う人材でチームが構成されている、つまり認知的多様性がこの中核を成しています。アイデンティティの多様性も、特に集団思考を回避するという点において重要です。当社は様々な種類の多様性、特に認知的多様性を念頭に置いているマネジャーを評価しており、長年にわたり多様性(もしくはその欠如)を評価要素としてレーティングを改訂(プラス評価およびマイナス評価)してきた実績があります。」
 
John: 「はい、重要な考慮事項です。これを裏付けている書籍(James Surowiecki著「The Wisdom of Crowds」、邦訳『「みんなの意見」は案外正しい』)は、様々な人材で構成されたチームは、個人や均一な集団よりも柔軟性が高く、より正確な予測を行うことを示しています。より優れた意思決定がより高いパフォーマンスにつながる限りにおいては、より多様性のあるチームがそれぞれのメンバーにとってより良い結果をもたらすはずです。」 
 
Elizabeth: 「上述したとおり、もちろん考慮すべき点です!多様性は強みともなり得ます。市場に対する投資家の見方というのは、ポートフォリオ・マネジャーの出生地、育った場所、話している言語、出身校、過去のキャリア、ジェンダー・アイデンティティなど様々なことに影響される可能性があります。」 
 
Russell: 「先ほどお話ししたように、多様なバックグラウンド、スキル、考え方を持った組織はより効果的な組織になると私たちは考えています。また、同じことが資産運用会社についても当てはまると考えています。最良の投資判断は通常、幅広い様々なアイデアや視点に基づいています。そして、よりインクルーシブな文化は、より質の高い議論や討論を生み出します。ですから、資産運用会社を選ぶ際に、D&I は考慮すべき要素だと私たちは考えています。」 
 

8. 資産運用会社のD&I をどのように評価していますか?

John: 「資産運用会社には、選定前にデューデリジェンス・アンケートへの回答を義務付けており、アンケートには、人材の多様性や、多様性を実現するために取っている手段などについての質問が含まれています。アンケートの回答は、マネジャー選定チームが他の要素と併せて評価します。」
 
Elizabeth: 「汎用的なテンプレートはありませんが、採用候補を評価する際、私たちはD&I に関する取り組み姿勢や進展具合について社内で話し合います。候補がD&I における自らの達成度をどのように捉え、測っているかを聞き出したいのです。
 
私たちはD&I について様々な場面で積極的に資産運用会社と関わっています。ハワイ州CFA協会主催のD&I カンファレンスに参加したり、私たちが主催するハワイ州ERS投資サミットの中でD&I に関する講演を行ったり、様々なD&I のイベントに参加しています。」
 
Russell: 「私たち自身の組織もそうですが、資産運用会社をD&I の観点で明確な形で評価するのには長い道のりを要します。私たちは、認知的多様性は投資プロセスにおいて有益である、という考えを長年持ってきましたし、集団思考や過剰なキーパーソン・リスク(多大な影響力を持つ特定の個人が去った場合のリスク)を回避するには、すべての投資プロセスにおいて十分な議論が行われるべきでしょう。しかし、より明確なD&I の意味合いでこれらの要素について考え始めたのは、つい最近になってからです。ですから、今ではこのトピックにもっと重点を置く形で運用会社を精査するようになりました。例えば、これらのD&I 原則に対する取り組み姿勢や、実際に何を行っているか、これまで実施してきたことや改善点の具体的な証拠などについて質問しています。当然のことながら、運用会社の査定における多くの考慮事項と同様に、規範的な基準を設けることは難しいので、かなり主観的な部分があるとはいえ、確実に以前より頻繁に運用会社との対話を行っていますし、今後も継続して行っていく予定です。」
 
Deb: 「運用会社を査定する際に検討する多くの項目においてD&I は不可欠な要素ですが、大まかに言うと、2つの重要分野があります。まず1つ目は、会社レベルでのポリシーと慣行に関する点です。多様性のあるチームを引き付け、つなぎとめておく能力、あるいはインクルーシブな慣行に従うことで多様性のあるチームの力を最大限に引き出すことができる能力はどの程度か、ということです。それを判断するために、ポリシーについて次のような幅広い質問をしています。例えば、(1)会社として正式なD&I ポリシーがあるか? (2)ダイバーシティをどのように測っているか? また、ダイバーシティの目標を設定しているか? (3)ダイバーシティの目標を達成するためにどのような取り組みを行っているか? (4)人材の採用に関する慣行はどのようなものか、また、報酬と昇進に関する慣行をどのようにダイバーシティの向上に関連付けているか? (5)「リターンシップ・プログラム」(従業員の職場復帰をサポートするプログラム)が整備されているか? (6)業界全体のイニシアティブまたは憲章に署名しているか? といった質問です。
 
また、会社内の個々のチームのダイバーシティについても査定を行っています。査定が可能な明確な基準をいくつか挙げてみると、例えば、チーム内の性別、学歴、過去の経歴、人種、民族などがあります。しかし、同じくらい、もしくはそれ以上に重要なのが多様性の認識に関する査定です。これを客観的な「測定可能な」方法で査定するのは難しいことですが、経験豊富なプロのマネジャー・リサーチャーは、時間はかかるかもしれませんが、こうした(あまり明確ではない)ダイバーシティの要素をもっと深く理解できるようになるものと考えます。そのために、リサーチャーは様々な疑問を考慮します。例えば、チームに支配的なリーダーがいないか、表面的には多様なチームであっても、グループ内で疑問を呈して説明を求めるような活発な議論がなされていないのではないか? チームがパフォーマンス低迷や顧客流出のプレッシャーに晒されている場合、集団思考に陥りやすくなっていないか? チームがどのように結論を導くか、また、ミスにどのように対処しているか? ダイバーシティに対するチームリーダーの姿勢はどのようなものか? 実際には、チームメンバーが反対意見を述べることを躊躇しているにもかかわらず「全員一致」という幻想に惑わされていないか? チームがどのように反対意見に対処しているか? 足元のメンバーの離職によってチームのダイナミクスやダイバーシティの価値の観点で見えてくるものはないか? 報酬体系(チームと個人の対比)から、反対意見へのチームの対処方法について読み取れることがないか? といった項目です。」
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

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