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米国不動産の投資機会②:安定した利回りが魅力の優先リート

                                                                                                                                                                     

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東田 和也
アライアンス・バーンスタイン株式会社
運用戦略部





 

2019年10月1日

 
 
2019年9月20日発行の記事『米国不動産の投資機会①:低金利・高ボラティリティ環境で求められる資産特性とは』では、米国の不動産市場における投資機会について紹介するとともに、投資手法には、リート(普通リート、優先リート、リート社債)、証券化商品(CRT証券やCMBS)、現物不動産(エクイティ・ファンド)、ダイレクト・レンディング(ローン・ファンド)等、さまざまなアプローチがあると述べた。続編となる本稿では、まず流動性が比較的高いリートについて深掘りして行く。そして、その中でもリート(不動産投資法人)が発行する優先リート(優先株)に着目したい。
 
リートは、配当原資となる賃料収入の安定確保が重要な課題であるため、投資する物件の大半は賃料収入見通しが安定している質の高い不動産となる。そのため、米国リートが保有する物件の平均空室率は、米国不動産市場全体の平均と比べて低い水準が維持されている。不動産市場全体の空室率も安定的に推移しているが、仮に市場のファンダメンタルズが悪化した場合でも、リートのダウンサイド・リスクは、不動産市場全体と比べ大きく抑制されている。
 
そして、リートへの投資は既述のとおり普通リート(リートが発行する普通株)、優先リート(リートが発行する優先株)、リート社債(リートが発行する社債)という3つの資産クラスがある。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、足元の環境下、投資家は優先リートをポートフォリオに組み入れることで、インカムの向上やボラティリティの低減が期待出来ると考えている。
 

なぜ安定した高い利回りが維持されるのか

優先リートとはリートが発行する優先株であり、発行時に決められた固定利率に基づいて配当が原則年4回行われる。優先リートは普通リートと異なり、業績に連動した増配が期待出来ず、議決権も付与されていない。また、発行から5年が経過すると、発行体は額面で早期償還することが可能となる。このような条件を補うべく、優先リートでは一般的に高い利回りが確保されており、過去10年ほどの低金利環境においても6%台から7%台での安定した推移が続く(図表1)。
 
利回りが安定しているという点については、優先リートの市場構造も影響していると考えられる。優先リート市場では、インカムの獲得を目指す中長期目線の投資家が多く、それが一般的に「リスクオフ」環境下でもパフォーマンスが安定する傾向を生み出していると言われる。また、市場規模が小さいため、投資家層に大口の機関投資家が少ない点も、過熱感が生まれず利回りが安定する要因の1つと見られる。
 
利回り推移.png
 

長期的に魅力的なリスク・リターンを維持している

このように、優先リートは比較的高いリターンが長期的に維持されている中、ボラティリティも抑制されている。リターンをリスクで割った「リスク・リターン」は、過去10年で平均1.53となり、米国株式や普通リートといった株式性資産を上回り、高利回り債券である米国ハイイールド社債も上回る(図表2)。普通リートと比較すると、長期のリターンは相応に低いが、ボラティリティは半分以下に抑制されている。
 
米国主要資産クラスのリスクとリターン.png
 

直近のボラティリティでも優先リートは堅調さを維持

では、足元のパフォーマンスを見てみよう。主要なリスク資産は2019年1-3月期に大きく回復した後、4-6月期は長期化する米中間の通商摩擦への懸念から再びボラティリティが高まった。しかし、2019年4月-8月末 における各資産のパフォーマンス(図表3)を見ると、リート関連資産は相対的に安定したパフォーマンスを維持している。
 
米国主要資産クラスのパフォーマンス.png
 

債券代替として注目される局面

マクロの経済の不透明感が長期化し、長期金利の低位安定が続く中、優先リートは今後更に魅力を増す可能性がある。優先リートは市場規模が小さいため、ポートフォリオにおいて主力の資産クラスと位置づけることは難しいが、様々な使い道が想定し得る。
 
優先リートは、債券的な側面を持つユニークな資産クラスである。債券市場を見渡すと、世界的に利回りの低下が続いているため、債券資産全体でインカム創出力が低下している。また、日米の短期金利差が縮小する一方で、ドル円ヘッジコストは下げ渋っている。債券投資家にとって、インカムの確保が求められる中、ファンダメンタルズの見通しが相対的に明るく、高い利回りを安定して享受できる優先リートは、債券代替資産として魅力的な候補になり得るとABでは考えている。
 

既にリートに投資している場合でも優先リートの組み入れは有効

また、既に普通リートに投資している投資家にとっても、優先リートの一部組み入れは効果的だと考えている。ABでは、普通リートも優先リート同様、相対的に堅調を維持する米国経済の恩恵を受ける資産クラスだと認識しているが、株式市場の影響は少なからずあり、長期のボラティリティは優先リートと比べて高い。過去10年における普通リートと米国株式の相関係数は0.64に上る。そこで、普通リートから優先リートにアロケーションを一部移すと、リターンの低下を上回るボラティリティの抑制効果が得られ、リスク・リターンの改善が期待できる(図表4)。
 
普通リートのポートフォリオに優先リートを一部組み入れた影響.png
 
実際、普通リートを中心資産とする不動産株式戦略に優先リートを10-20%の範囲で組み入れてみると、リスク・リターンの改善が見られている。次回のシリーズ第3弾では、普通リートの資産特性や投資意義に迫りたい。
 
 
 
 
 
 
当資料は、2019年9月6日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が作成した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

 

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