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コロナ危機で急がれるサステナブル投資

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ダン・ロアティ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
サステナブル・グローバル・テーマ株式運用 最高投資責任者
 
 
 

 

 

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2020年5月18日

 
 
新型コロナウイルス危機への世界的な対応は、サステナブル投資の重要性を再認識させた。ウイルスを止め、進化する消費者の動向に対応するために民間セクターが重要な役割を果たしていることから、投資家は、世界中で起きている劇的な変化に対応すべく、環境、社会、ガバナンス(ESG)の観点で優れた企業に目を向けるべきだ。
 
2020年1-3月期の歴史的な市場暴落の際には、持続可能な企業の株式の下落率は市場全体よりもはるかに低かった。しかし、サステナブル投資の利点は、単に下落を防ぐだけではない。アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、ESGに焦点を当てたポートフォリオは、幅広い市場環境で結果を出すことができ、新型コロナウイルスを巡る危機と最終的な収束の過程で、投資家にいくつかのメリットを提供できると考える。
 

市場急落時に下値抵抗力をみせたESG重視の投資

同業他社と比較してESGの実践が優れている企業は、定義上、質の高い企業であると言える。MSCIの調査によると、そうした企業は収益性が高く、収益の変動が少なく、多額の財務損失や倒産につながる深刻な事業リスクを軽減する能力に優れている。その結果、市場がストレスを抱えている時にダウンサイドへの抵抗力が強い傾向にある。
 
これらの特性は足元の市場急落時に如実に現れた。1-3月期中、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)指数の最高ESG格付(AAA格及びAA格)の企業は平均で15.6%下落したが、最低ESG格付(B格及びCCC格)の企業よりも約6.5%下落幅が小さかった(図表)。この差は米国株式ではさらに拡大し、市場が19.6%下落した中でESG上位銘柄は10.8%の下落にとどまった。その結果、このようなESGへの取り組みの観点で優れた企業に焦点を当てたファンドは、当期間中に好調に推移した。モーニングスターのレポート(英語)によると、1-3月期には、サステナブル株式ファンドの70%が各カテゴリーの上位半分にランクインし、44%がカテゴリーの上位4分の1にランクインした。
 
ESG格付が高い企業の株価はコロナ危機による下落幅が小さい.png
 

新型コロナウイルスが挑むステークホルダー資本主義

ESGリーダーシップは、新型コロナウイルス危機によって再定義されつつある。パンデミックの社会的・経済的影響が拡大する中、私たちは今、ステークホルダー資本主義時代の最初の大きな試練を目の当たりにしている。
 
2019年8月、181人の米国のCEOが、株主だけでなく、すべてのステークホルダーに配慮した事業を行うことを表明した宣言に連帯署名した(以前の記事『Investors Can Hold US Companies Accountable to Roundtable Pledges』(英語)ご参照)。米国の主要企業が名を連ねる財界ロビー団体であるビジネス・ラウンドテーブルが発表した声明の中で、アマゾンからゼロックスまで、企業のリーダーたちは、事業を展開する地域社会の環境と社会の健全性を支援し、事業全体で持続可能な慣行を取り入れるというコミットメントを確約した。今日では、過去には単なる慈善活動や広報活動として見過ごされていたかもしれない行動が、全く異なる捉えられ方をされるようになってきている。
 
例えばホームデポは、最近、現在の健康危機の間に需要が高いとみなされる商品の価格を据え置きにした。同社はまた、新型コロナウイルス感染症から病気になるリスクが最も高い65歳以上の従業員の有給休暇を延長した。アリババ・グループは、加盟店販売者からの手数料の徴収を一時的に停止した。ペイパルは、短期的に現金を必要とする従業員のために緊急救済基金を設立した。マイクロソフトは、非営利団体にコラボレーション・ソフトウェアを半年間無料で提供している。
 
投資家はこのような企業の行動を歓迎している。これらの行動が短期的な収益に直接利益をもたらすわけではないにしても、ESGを重視する企業は、規制リスクを低減し、顧客ロイヤルティを高め、従業員のエンゲージメントを強化することで、競争力を高められる、と投資家は理解するようになっている。
 

世界全体の持続可能性のために今必要なこと

新型コロナウイルス危機によって引き起こされた課題は、地球規模の持続可能性への警鐘でもある。政府が民間セクターの力なしにウイルスを克服することができないように、世界最大の環境・社会的課題は、公共政策だけでは解決できない。政府は緩和的な政策や法的な背景を作ることはできるが、最終的には民間部門の革新力や資金力が必要となり、意味のある進歩を遂げることができる。そして、最良のソリューションを持つ企業は、長期的に大きな成長の機会を得ることができる。
 
しかし、投資家がこれらの持続可能なトレンドから利益を得ることができる企業を見極めることは必ずしも容易ではない。ABの見解では、国際連合の持続可能な開発目標(SDGs)は、成長を促進する長期的な構造変化への道を指し示しているため、持続可能な企業への投資の手引きとなる(以前の記事『持続可能な開発目標(SDGs)を用いてサステナブル投資を実践するには』ご参照)。国連の野心的な目標を達成するためには、15年間で90兆米ドル以上の資本が必要であり、その大部分は民間部門から供給される。
 

長期的な成長テーマの見極め

SDGsから派生した投資テーマは、世界が新型コロナウイルスに苛まれる前から、幅広い投資機会を提供してきた。現在、この危機は行動を変え、新たな機会を生み出していると同時に、既に存在していたいくつかのトレンドを加速させている。
 
情報通信技術は、知識を共有し、コミュニティを結びつけ、経済的な仕組みを提供する手段として、すでにSDGsの目標に不可欠なものだった。社会的な距離が離れた今日の世界では、「全てのものの仮想化」を支えるデジタル・コミュニケーション技術が勢いを増している。私たちがデジタルで仕事をしたり、買い物をしたり、学習したり、運動したり、医療を受けたりすることを可能にするハードウェアやソフトウェアを提供する企業は、明らかに足元の需要の高まりの恩恵を受けている。例えば、Zoomの1日の利用者数は、2019年12月は1,000万人だったのが、2020年3月には2億人を 超えた。ABでは、この勢いは、現在のコロナ危機が収束した後も持続可能である可能性が高いと考える。
 
金融技術や決済企業は、SDGsのもう1つの重要な目標である中小企業の成長を可能にする。中小企業は、雇用と経済成長の点で大きな割合を占めていますが、従来の金融機関では十分なサービスを受けられないことが頻繁にある。フィンテック・ソリューションは、中小企業の業容拡充に貢献し、収益性を向上させ、有利な条件で資本へのアクセスを向上させる。現在の危機は、中小企業とそれを支える企業の重要性を浮き彫りにしている。
 

高まる健康への関心

パンデミックへの対応は、明らかに健康関連のテーマにスポットライトを当てている。健康と幸福を促進することは、SDGsの基本的な目標であると同時に、世界的なニーズは膨大なものであり、特に途上国のコミュニティでは、そのニーズは大きくなっている。しかし、足元の危機は、先進的な国でさえも、世界的な保健システムのぜい弱性を露呈することになった。
 
この危機に対する最終的な解決策はワクチンの開発であり、それは革新的な民間企業によって提供される可能性が高いと考えられる。しかし、他の解決策も重要だ。遠隔医療、創薬、診断検査は、イノベーションを刺激し、医療サービス提供のコストを下げ、その範囲を広げ、グローバル社会の回復力を強化するのに役立つ。
 

持続可能な企業の重要性

持続可能な企業は長期的な持久力を持っているとABは考える。持続可能な企業は、市場が低迷しても回復力があることを明確に証明している。また、市場急落時に最も大きく売り込まれた銘柄は、回復時には少なくとも一時的に選好されるとしても、持続可能な企業の長期見通しは非常に有望であると考える。今回の危機は、私たちが直面している最大の環境的・社会的課題に対して革新的な解決策を提供できる企業に新たなカタリストを与えているとABでは考える。コロナショックから世界が脱却する中、投資家は改めてSDGsに注目することで、社会そして株式ポートフォリオの回復力と長期的な健全性の向上に資する企業を見極めることができるだろう。
 
 
 
 
 
 
当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/coronavirus-crisis-adds-urgency-to-sustainable-investing-agenda.htm

 

 

 

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当資料は、2020年4月16日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

 

 

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