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コロナ危機で考える: ヘルスケア関連株式の真価とは?

                                                                                                                                                                     

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ヴィネイ・ターパー
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株式運用及びインターナショナル・ヘルスケア・ポートフォリオ
ポートフォリオ・マネジャー 兼 シニア・リサーチ・アナリスト





 

2020年6月24日

 
 
株式投資家にとって、ヘルスケア・セクターは、最も困難な市場局面においても信頼できる安全地帯となってきた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大を巡る市場の混乱は、その安定性について疑問を投げかけている。ディフェンシブな特性を持ちながら長期的な利益成長も見込まれるヘルスケア銘柄の恩恵を受けるためには、感染拡大が収束した後を見据え、業界全体の変化に目を向けることが重要であるとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では考えている。
 
ヘルスケア銘柄は、2020年の1-3月期には他のすべてのセクターを上回るパフォーマンスとなった。MSCI ワールド指数が現地通貨ベースで20.1%の下落となったのに対し、同指数のヘルスケア・セクターは10.8%の下落にとどまった(図表、左図)。金融とエネルギーのセクターがそれぞれ30.2%、43.0%下落するなど不透明感漂う市場にあっても、ヘルスケアは比較的堅調なセクターとして際立っていた。また、近年の数多くの市場下落局面と比べても、ヘルスケア関連産業は2020年の下落局面では良好な相対パフォーマンスを示した(図表、右図)。
 
ヘルスケア銘柄はコロナ危機でも底堅さを発揮.png
 

新型コロナウイルスによる事業環境の悪化

しかし、この下落局面では優れた相対パフォーマンスを示したものの、ヘルスケア・セクターは課題に直面している。地域診療所や、家畜などを扱う獣医、その他の医療施設など、新型コロナウイルス関連の需要に直接関わっていない何千もの施設や事務所が閉鎖されている。
 
大規模医療施設やネットワークも大きな打撃を受けている。これは、新型コロナウイルス感染症の患者を扱うために、収益の大半を生み出す選択的手術、慢性病治療、整形外科などの医療サービスを後回しにしたためだ。また、世界中で外出制限が敷かれる中、自動車を運転する人やバイクに乗る人が減ったり、スポーツを楽しむことや単に外で散歩することすらはばかられるようになったため、事故による負傷も大幅に減少している。米国では、新型コロナウイルス経済対策法(CARES Act)による1千億米ドル以上の資金投入を始め、大規模な景気刺激策が実施されるが、病院は当面の間厳しい経営環境となるだろう。
 
製薬会社も、影響を免れ得ない。ウィルス治療薬やワクチンを求める世界的な呼びかけに応えるため、大手製薬会社は他の医薬品開発を後回しにしている。
 
個別企業によって収益動向はまちまちだが、すべてのヘルスケア関連銘柄に共通している点もある。それは、6カ月先のものですら、業績予想を公表していないことである。しかし、見通しは不透明ではあるものの、ヘルスケア・セクターのほとんどの企業にとって、現在の経済危機による需要の破壊は永続的なものではないとABでは考えている。
 

短期的な医学的成果よりも、長期的な成長力

足元では、多くのヘルスケア企業が新型コロナウイルス危機への取り組みに全力を傾けている。たとえば、検査や、治療、防護用品などを専門とする企業は、製品供給を大幅に加速している。
 
そして、こうした対応は前例のない規模やスピードで行われている。しかし、ヘルスケア・セクターを長期投資の対象として魅力的なものにしているのは、時間の試練に耐え得る、優れたビジネスモデルや財務力を持つ企業の存在である。このため、直近の医学的成果だけでなく(以前の記事『ヘルスケア銘柄への投資:科学ではなくビジネスに焦点』ご参照)、長期的な事業の成長を支えるファンダメンタルズを見極めることが大切なのだ。 
 

パンデミックが変化を加速

他のあらゆるセクターと同様、ヘルスケアには多くの専門分野が含まれており、その中には環境変化によって恩恵を受けるものもある。たとえば、技術革新は医師と患者の関係を変えるかもしれない。新型コロナウイルスの蔓延を受けて、リモート受診を求める患者が増える中、コンピュータやモバイル機器を用いた遠隔医療の普及が加速し、日常的な健康診断や不急な受診に関しては「新常態」と呼ぶべき新たなる日常が生まれると考えている。
 
同様に、製薬会社はバーチャルな手段を用いた製品マーケティングの手法を模索している。これは、営業活動を行う医薬情報担当者(MR)と医師の間のやりとりを一変させることになるだろう。伝統的に、ヘルスケア業界は新しいテクノロジーの導入に関しては消極的な面があり、今回の危機によってようやく大きな一歩を踏み出したと言える。
 

治療薬開発は望ましいが、注目すべきは長期的な収益力

世界中で新型コロナウイルスのワクチンや治療薬に関する研究が進められる中、技術革新への期待は高まっている。しかし、特効薬の開発に賭けるような投資は避けるべきだ。そうした薬の開発に成功すれば、短期的に大きな利益が生まれるであろうが、投資は長期にわたるリターンを求めるもので、イチかバチかの賭け事ではない。ある企業がワクチンを発見するかもしれないと信じてそれに投資することは、勝率の低い賭けである。
 
確かに、新型コロナウイルスの治療薬を開発できた企業は大きな勝利を収めたと言うことができよう。しかし、それによる事業や収益の拡大は限定的なものにとどまる可能性がある。科学的なブレイクスルーを予測することは、ヘルスケア銘柄を選ぶ上では賢明な方法ではない。健全なバランスシートや持続的な競争優位性といった、しっかりとしたファンダメンタルズの方が重要なのだ。もちろん、そうした堅実な製薬会社が新型コロナウイルスの治療法を発見した場合は、投資家にとっても望ましいことであるし、世界にとっても良いニュースとなる。
 

ディフェンシブ性と成長力を両立

ディフェンシブな特性を求める観点からは、ヘルスケア・セクターは、多様な製品やサービスに関する安定した需要の恩恵を受ける。同時に、新しいテクノロジーを用いた診断やロボット工学、低侵襲治療などを始め、急速な技術革新がすべてを変革しつつあり、長期にわたる収益力の源泉を生み出している。
 
2020年の市場混乱の中であらためて浮かび上がってきた教訓は、この底堅さと成長力を兼ね備えたバランスこそが、経済危機の最中のみならず、今後の回復局面においてもポートフォリオの安定したパフォーマンスに寄与するヘルスケア銘柄の優れた特性だということであろう。
 
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/do-healthcare-stocks-protect-portfolios-in-a-pandemic.htm

 

 

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当資料は、2020年5月7日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

 

 


 

 

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