AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

米国小型株はコロナショックから立ち直れるか?

                                                                                                                                                                     

lau_samantha_s_WA2.jpg
サマンサ・ラウ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国小型/中小型成長株式 共同最高投資責任者



 

2020年7月6日

 
 
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米国株式市場が大幅に下落した際、小型株は大型株よりも大きな打撃を受けた。しかし、これによって市場に極端な歪みが生じたため、一部の革新的な優位性を持つ小型銘柄は、今後の不確実性が高い市場環境において思いのほか魅力的な分散投資の機会を投資家に提供するかもしれない。
 
新型コロナウイルス危機が始まって以来、小型株は特に強烈な逆風に苦しめられてきた。米国小型株の代表的指数であるラッセル2000指数は、2020年3月下旬に底値を付けたものの、年初来ベースでは5月15日時点でもマイナス24%のリターンとなっており、大型株のラッセル1000指数のマイナス11%を大幅に下回っている。一般に小型株は大型株よりもリスクが高いと思われていることから、投資家の間でパニックが広がると小型株は敬遠される傾向があるためだ。
 

小型株は本当にリスクが高いのか?

しかし、その一般的な認識は正確なのだろうか? 必ずしもそうではない。中小企業が高リスクとされるのは、大企業と比べて資金調達手段、財務の安定性、経営資源の層の厚さなどに関して劣ると考えられているからであろう。また、中小企業は収益源の分散が十分に進んでおらず、景気後退時には収益が脆弱になり得ると考えれていることが多いとも思われている。さらに、ラッセル2000指数の構成企業の約25%が利益を上げておらず、ラッセル1000指数の6%と比べ見劣りする(図表1の左図)。
 
小型株は思われているほど脆弱ではない.png
 
しかし、そうした高リスク企業の特性が当てはまらない小企業も多い。実際、米国の小企業は大企業よりも負債比率が低い(図表1の右図)。また、小企業の多くは、不況下でもベンチャーキャピタルや転換社債による資金調達が可能である。さらに、小企業が赤字を計上している場合、それは将来の成長を見据えた研究開発(R&D)投資のためであることも多い。例えば、創業後の年数の浅いバイオテクノロジー企業は、ラッセル2000指数において13%のウェイトを占め、かつ同指数構成銘柄における不採算企業の大半を占めているが、多くの場合、将来の成長をけん引する新しい治療法の開発に専念しているために売上高も利益も少ないことが理由なのだ。
 
このような特徴を持つ銘柄は、市場の回復期に力強く上昇することが多い。小型株はITバブル崩壊後や世界金融危機の時のような景気後退期にはより大きな打撃を受けることが多いが、市場回復時には大型株を上回る傾向がある(図表2)。今回のコロナショックからの回復局面で何が起こるかはまだわからないが、2020年4月に米国株式市場が反発した際には、小型株が大型株をややアウトパフォームしている。
 
今回の危機以前から、投資家は近年、小型株に対して冷淡だった。ラッセル2000指数は、過去5年間にわたりラッセル1000指数の後塵を拝してきた。しかし、アンダーパフォーマンスが続いたところに今回の不当に大きな下落が加わったことで、小型株には投資妙味が生まれている。
 
大きな市場危機の後、米国小型株は大型株をアウトパフォームしてきた.png
 

イノベーションが決め手に

イノベーションによる優位性を持つ企業は、特に注目に値する。小企業は市場に理解されていないことが多いため、その優位性が見過ごされている可能性がある。大企業と比べれば投資対象として分析を行うアナリストが少ないのが一般的であるため、新たな競争環境に適応するのに時間を要する大企業から市場シェアを奪い取ろうとしていても、見落とされがちだ。
 
革新的な新興企業はまた、不況時のショック吸収力にも優れている。そもそもマクロ経済の成長に依存していないことから、景気後退の影響を受けにくい。実際、イノベーションが競争力の主な源泉であることが多い小型のヘルスケア及びテクノロジー企業の業績予想は、小型株市場全体よりもはるかに良く持ちこたえている。小型株指数と比べ、そうした企業では業績を下方修正した割合がはるかに低い(図表3)。景気後退の波が押し寄せる中、投資家は真に革新的な製品やサービス、ビジネスモデルを持つ企業を探すべきである。
 
小型ヘルスケア/テクノロジー銘柄はコロナショックの影響が比較的小さかった.png
 
研究開発費はイノベーションの可能性を示す良い指標となる。研究開発投資が売上高に占める比率の高い企業に着目することで、投資家は厳しい環境下でも底堅く収益を伸ばす革新的な企業を発掘することができる。
 
テクノロジー及びヘルスケア・セクターは、有望な中小企業の宝庫だ。例えば、現在多くの職場でリモートワークのトレンドが加速し、ITインフラのクラウドへの移行が進んでいるが、これはリモート・コールセンター向けソフトウェアを提供する「ファイブ9」のような企業にとっては追い風となる。医療分野では、患者が診療所や病院を避けて電話やビデオ通話で医師に相談するケースが増えているため、遠隔医療サービスを提供する「テラドック・ヘルス」などが、新型コロナウイルス危機の中で、バーチャルな医療サービスの旗手となっている。他の分野でも、例えばオンライン家具アウトレットのウェイフェアのような新しい小売業者が、消費者の実店舗離れの恩恵を受けている。
 

短期的な収益動向の先を見据える

多くの革新的企業では、足元の業績見通しこそ通常より不透明であるものの、長期的な収益力は変わっていないと見られる。このため、株価バリュエーションは長期的な収益力に基づいた評価が必要である。コロナ危機以前の成長株は比較的割高に見えたが、株価が大幅に下落した現在は、足元の混乱の先を見据えたファンダメンタル・リサーチを用いる投資家にとって、魅力的な小型株をポートフォリオに取り込む好機だと言える。
 
今日の低金利環境も、株価バリュエーションを魅力的にしている。小型成長企業は、キャッシュフローを生み出すのがより遠い将来になる傾向があるため、割引率が低いほど、そのキャッシュフローの現在価値はより魅力的になる。市場が徐々に回復する中、投資家は、景気敏感銘柄よりも、マクロ経済の成長に依存しない企業の方がより信頼性の高いキャッシュフローや利益成長を生み出す力を持つことに安心感を覚えるだろう。
 

高まった上昇圧力を捉える

不安定な市場やマクロ経済環境の中、革新性による優位性を持つ小型株を見つけるのは容易ではない。しかも、パッシブ運用の場合、危機の後も厳しい経営環境が続く可能性のある企業を含め、指数に含まれるすべての銘柄を購入することになる。これに対し、アクティブ運用であれば、この不況からより強く脱却できる強靭さを備えた企業を選別することができる。
 
最近の小型株の弱さは驚くべきものではない。リスク・オフの市場では無差別な売りが横行し、企業のファンダメンタルズとはかい離した乱高下を助長することが多いからだ。しかし、このような状況は投資家にとって、既存秩序を破壊し、新しい需要を捉える革新的な中小型株を取り込むことでリターンを獲得する機会を生み出している。
 
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/can-smaller-stocks-recover-from-coronavirus-blow.htm

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2020年5月1日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 

 

 


 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@alliancebernstein.comまでお寄せください。

運用サービス

  • 債券
  • 株式
  • マルチアセット
  • オルタナティブ
  • リスク抑制
  • リターン追求
  • 更なる分散

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
https://www.alliancebernstein.co.jp/

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.3%(税抜3.0%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.068%(税抜1.880%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る