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マルチアセット投資家は今、ディフェンス資産を分散させる時

                                                                                                                                                                     

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ダン・ローウィー(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門 最高投資責任者 兼 責任者
 
 
 
ヴィノッド・チャスラニ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 
ジェス・ガスパー
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門 リサーチ・ディレクター
 

2020年10月8日

 
 
 
国債は長い間、マルチアセット・ポートフォリオにおいてディフェンス資産として守りの役割を果たしてきた。しかし、今日の極端な市場環境では、投資家は他のディフェンス資産まで含めて、より広範囲に活用すべきではないか?
 
マルチアセット投資家は、ダウンサイド・リスクを軽減するためにさまざまな投資戦略をフルに活用することができる。しかし、過去40年間は、先進国の国債以外に目を向ける必要はなかった。これらの国債は、信頼性の高いプロテクションと豊富な流動性、そして相応のインカムを提供し、ポートフォリオの分散化にとって理想的な資産となっている。過去10年間の低利回りの時代を経ても、国債のディフェンス力には目を見張るものがある。マルチアセット投資家にとって、国債を利用することは、ポートフォリオのために保険を買うようなものだったが、そのために保険料を払うことはなかった。 
 
しかし、今後は国債からの恩恵がこれほど大きくなることはないだろう。マルチアセット投資家は、これまで以上に柔軟かつ包括的にディフェンス資産を活用しなければならない。
 

国債のリターンは、政策余地が限定的な時代には
鈍化する可能性がある

いくつかの要因によって、国債への投資のリターンは低下しており、将来的にはそのディフェンシブな特性が弱まる可能性がある。
 
第一に、記録的な低利回りやマイナス利回りでは、インカムの可能性は限られる。イールドカーブの傾きももはや急ではない(スティープではない)ため、より長期の国債に投資しても、インカムはさほど改善しないかもしれない。今後、先進国政府の債務が増加すれば、借入コストを抑制するためにイールドカーブ・コントロール戦略に頼ることが多くなるかもしれず、投資家がロールダウン戦略を利用してリターンを得る機会は、より限定的になるだろう。
 
利回りがすでに低水準にあり、かつ政策決定者がさらなる利下げを行うことが難しい時には、株式市場の下落に対して国債はそれほど強力にはポートフォリオを守ることができないと考えられる。確かにマルチアセット・ポートフォリオの分散化には資するかもしれないが、株式市場が低迷している間のリターンはかなり控えめなものになるだろう。
 
実際、この流れはすでに始まっている(図表1)。新型コロナウイルスを原因とする市場下落に際して、利回りがゼロに近い国債や、政策に制約のある発行体の国債からは、以前ほどの分散効果は得られなかった。
 
金利の下限がゼロの債券は分散効果が限定的.png
 
コロナ危機に対処するための緊急支援策を受けて、大幅な金利引き下げや大規模な追加金融刺激策の実行余地が残されている国は少なくなっている。そのため、国債のパフォーマンスを取り巻く環境は、今後さらに厳しくなる可能性がある。このことは、国債のリターンと分散効果の両方の特性が、過去40年と比べて低下している可能性が高いのではないか、というアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)の確信をより確実なものにしている。
 
しかし、それだけではない。反グローバル化の兆候と、中央銀行による国債のさらなる買い入れの可能性は、長期的なディスインフレの終焉を示唆している。もしインフレ局面に回帰する可能性があるならば、長期的な視点からのディフェンス戦略を多様化する必要性がますます高まっている。
 

多様な分散投資が役立つ

投資家が将来にわたって強固なディフェンス戦略を取り続けるにはどうすればよいのだろうか? ABは、柔軟、かつ意図しないリスクを管理するためのさまざまなツールを用いることで幅広いディフェンス戦略を活用できるマルチセクターやマルチアセットのアプローチを実践するのが望ましいと考えている。
 
国債の直接的な代替は存在しないが、幸いなことに、同様の特徴を持つ分散投資に適した資産は存在する。投資家が国債の基本的な特性を見極めることができれば、他の投資戦略にその特性を求め、その代替が実際に同様のディフェンシブな役割を担うかを検証することができる。
 
国債は、金利リスクやインフレ・リスクの代償として、質の高い発行体が引き受けた安定したキャッシュフローが受け取れることを意味する(つまり、株式市場が売られるようなマイナス成長やインフレ・ショックの時に最大のリターンを提供する)。
 
高クオリティの企業は、分散投資の観点から効果的な選択肢となりうる(図表2)。安定したキャッシュフローを持つ優良企業の株式や債券は、多くの場合、マルチアセット・ポートフォリオに類似した特性を提供する。これらの企業の株式は、強力な配当を株主に提供し、株式市場が下落する局面では確実にディフェンシブな性質を持つ傾向がある一方、相応のインカムを伴う大きな長期リターンも生み出す。高クオリティの社債もまた、低クオリティの企業と比較して、このような特徴を示す傾向がある。政府や中央銀行が金利を低水準に維持していることから、このような目に見える安定したキャッシュフローは、ほとんどのシナリオで魅力的なものであり続けるだろう。したがって、魅力的なインカムを生み出す高クオリティの資産は、将来的に最も効果的な分散投資の1つとなる可能性が高いとみている。
 
国債の代わりに効果的な分散効果が得られる資産はどこにあるのか?.png
 
制約のないマルチアセット・アプローチは、多様化するあらゆる資産や戦略からリターンを得ることを容易にする。そして、ABのリサーチでは、強力なディフェンス特性を持つリターン・ストリームとインカムを提供するリターン・ストリームのバランスをとることで、ポートフォリオ全体の特性をさらに向上させることができることが示されている。
 

国債の今後の位置づけ

国債は、マルチアセット投資家にとって今なお重要な役割を果たしていることを忘れてはならない。ほとんどの場合、キャリーは依然としてプラスのリターンを提供している。また中央銀行は政策金利の下限を引き下げれば、危機時には国債の金利の引き下げや価格上昇が可能になる。また、先進国国債の流動性は他の追随を許さないだろう。しかし、今後はリターン創出効果や分散効果は低くなると思われる。これらを理解した上で、投資家は、可能な限りインカムとディフェンスのメリットを保つために、国債のエクスポージャーを排除するのではなく、分散させることを検討すべきである。
 
つまり、マルチアセット投資家は、国債への戦略的エクスポージャーを減らし、株式とクレジットにまたがるクオリティの高い安定したキャッシュフローに配分して、ポートフォリオの中のディフェンス資産を分散させることを検討すべきであると考える。また、可能であれば、より柔軟性を高め、より強固なポートフォリオ特性を構築するために、制約がより少ないマルチアセット・アプローチを採用すべきだと考える。
 
 
 
 
 
当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。
 
 
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2020年9月10日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 

 

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