AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

米国経済の正常化-未だ道半ば

                                                                                                                                                                     

Eric_Winograd_330x230.png
エリック・ウィノグラド
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
債券部門 シニア・エコノミスト





 

2020年10月29日

 
 
2020年9月末現在、米国の経済回復はアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)の予想どおり迅速なものであったが、完全回復とまでは至っていない。これから回復ペースがより緩やかになる中、長い時間をかけて「正常」に戻る道をたどることになろう。しかし、先行きには多くのリスクがある点には留意すべきだ。
 
足元の進展を踏まえ、ABは2020年及び2021年以降の国内総生産(GDP)見通しの微調整を行った(図表1)。まず2020年の米国GDP成長率については、-5.4%から-3.8%へ修正した。これは、年末までに新型コロナウイルスの影響で失われた経済活動の約70%が回復することを示唆している。


GDP反発も、パンデミック前に比べ依然低位な水準.png
 
一方、2021年の成長率については+3.8%から+3.4%へと若干の下方修正を行った。したがって、2021年末時点の経済活動レベルは今般の調整によって大きくは変わっていない。米国の経済活動が以前のピークを回復するまでには、2021年10-12月期から2022年1-3月期までかかるとABは見ている。
 

今後の経済回復を左右する重要な前提

経済予想には常に土台となる前提が必要だが、今般の予想にあたって重要な前提は経済面というより、むしろ公衆衛生や各種政策面における今後の動向に置かれている。これらについて、ABは以下の前提を置いている。
 
+経済成長の重要な要素である財政政策について、米国議会と行政は最終的に2021年の経済成長を下支えする景気刺激策を成立させる
 
+新型コロナウイルス感染再拡大を受けた広範囲のロックダウンは再開されない。また、今後数四半期で予想を超える革新的医療技術が発展し、経済成長に対して顕著に好影響が具現化することもない
 
+医療技術やウィズコロナ時代に対する社会・経済の適応が進み、2021年後半までに新型コロナウイルスがマクロ経済に対して与える影響は有意でないレベルまで減衰していく
 
+米国大統領選挙の結果に関して中期的には混乱は発生しない。たとえ選挙結果に対する異議申し立て等が発生した場合でも社会は機能不全に陥らない
 

7-9月期の反発は朗報

2020年7-9月期の米国経済が予想以上に回復したことを受けて、ABは2020年GDP成長率予想を上方修正した。個人消費が回復の大きなけん引役となっており、財政支援が後押しする形で家計支出は予想以上に堅調に推移している。
 
しかし、回復は一様ではない。財の消費は完全に回復した一方、サービス消費は依然として深刻な打撃から回復したとまでは言えない。住宅市場は堅調だが、鉱工業生産の回復は出遅れている。それでも、全体的に7-9月期の回復は目を引くものであった。
 

2021年に向けてさらなる財政支援が不可欠

7-9月期が好調だったにもかかわらず、2021年のGDP見通しを下方修正した理由は、追加財政支援の必要性について議会で論争となっている点が大きく関係している。
 
新型コロナウイルス流行以前は雇用されていた1,000万人以上の人々が依然失業したままだ。経済活動はおよそ3分の2まで戻ったかもしれないが、労働市場は半分しか戻っていない。これを恒久的な失業者増加と捉えると、とりわけ懸念すべき状況だ。
 
パンデミックを受けて成立した財政支援策によって、これまで失業者の収入は穴埋めされてきたが、これらの政策の大半は現在期限切れとなっており、個人消費が今後大きく後退するリスクがある。2020年9月のペースで労働市場の回復が続くとした場合、米国経済が完全雇用に戻るには1年半近くかかる見込みであり、ギャップは未だ大きい(図表2)。そのため、今後の緩やかな景気回復期間において、家計所得の橋渡し役としての財政政策が非常に重要な役割を担う。
 
所得ギャップを埋めるためには財政支援が必要.png
 
失業者や危機に瀕している産業に対する追加支援に関して、議会及び政権は最終的に合意に達すると現時点でABは見ている。ただし、これらの対応が遅延すると、2021年は従来の予想よりも弱いスタートになる可能性が高い。
 

予想の下方リスクと上方リスクはおおむねつり合っている

現在の経済予想について、上方リスクと下方リスクはおおむねつり合っていると考えている。言い換えれば、ポジティブ・サプライズとネガティブ・サプライズが発生する可能性はおおむね均等ということだ。下方   リスクとしては、早期の緊縮財政、ロックダウン再稼働、米国大統領選挙の結果により経済活動が混乱する可能性などが挙げられる。逆に上方リスクは、予想を超える医療技術の革新、より大規模な財政刺激策実施などだ。今後数カ月間でこれらのいずれかまたは全てが顕在化した場合、GDP予想を再調整して上方修正するだろう。 
 
 
 
 
 
当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/us-economy-still-faces-a-long-path-back-to-normal.htm

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2020年10月8日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@alliancebernstein.comまでお寄せください。

運用サービス

  • 債券
  • 株式
  • マルチアセット
  • オルタナティブ
  • リスク抑制
  • リターン追求
  • 更なる分散

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
https://www.alliancebernstein.co.jp/

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.3%(税抜3.0%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.068%(税抜1.880%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る