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企業文化が成長の秘訣

                                                                                                                                                                     

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フランク・カルーソ(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株式運用 最高投資責任者
 
                                                                                                                                                                     
クリストファー・コトウィッツ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株式運用 シニア・リサーチ・アナリスト
 
                                                                                                                                                                     
ライアン・オーデン
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
株式部門 ESGリサーチ・アナリスト
 
 
 

2020年11月5日

 
 
投資家はビジネスや潜在的なリターンを評価する際、企業文化には大きな関心を払わないケースが多い。しかし、企業文化は成功と失敗の決め手となる可能性がある。とりわけ、イノベーションをテコに成長し、事業トレンドの変化に柔軟に適応しなければならない成長企業にとってはそうだ。
 
企業の報告書は企業文化について詳しく触れることはない。四半期報告書の大半を占める損益計算書や財務諸表、事業報告書とは異なり、企業内部の行動特性は多くの場合、すぐに株価を動かす材料とはならない。しかし、良い企業文化は持続可能な成長を実現するための秘訣だとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では考えている。なぜなら、知識がモノを言う経済では、持続力のあるビジネスを構築するには人的資本の醸成が不可欠だからである。ESG(環境・社会・ガバナンス)問題に焦点を当てる投資家にとって、経営陣やステークホルダーとより効果的にエンゲージメントを行い、企業文化に関するリサーチをビジネスの見通しに取り入れるためにはこうした認識が必要だ。
 

最も高い成長を遂げている企業はダイナミックな
企業文化を有している

ラッセル1000グロース指数に組み入れられているトップ企業に目を向けてみよう。時価総額で上位5社の1つであるフェイスブックは、2000年には存在していなかった。グーグルとアマゾンは基本的にまだ新興企業だった。アップル、マイクロソフト、アマゾンは2000年には存在していたが、トップ企業の座を維持するため常に再投資を続けていた。これら5社はいずれも新たなアイデアに基づく比類なきビジネスを構築し、適切なリスクを積極的に受け入れてきた。それとは対照的に、2000年に米国の成長企業としてトップを走っていた企業は、当時、膨大なリソースを有していたにもかかわらず、マイクロソフトを除けば、成長ペースを維持することができず、やがて他社に追い抜かれてしまった(図表)。
 
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健全な企業文化とは

企業文化を決定づけるものは何か? 健全な企業文化は学習、発見、試みを重視し、そして何よりも信頼と説明責任を大切にする。継続的な評価を尊重する企業文化は、支配的な意見や慣行を盲目的に支持する「集団思考の罠」に陥るのを防ぐことができる。ABでは、次の3つが成長のための企業文化を育むと考えている。
 
+ビジョンを持った経営陣: 企業のリーダーは、従業員の日々の行動に関する基準を作り出し、長期的な目標を設定する。企業文化を象徴する人物が、カリスマ性や影響力のある、ビジョンを持った最高経営責任者(CEO)であることが多いことは何ら驚きではない。
 
+チームワークを重視し、柔軟性が高い: 高い成長を可能にする企業文化はチームワークを重視するとともに、柔軟性も有している。アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾス氏の「2枚のピザのチーム」はよく知られている。つまり、あるチームが2枚のピザでお腹がいっぱいにならなければ、人数が多すぎるということだ。理想的なチームは小規模で、多様性と透明性がなくてはならない。そのようなチームのメンバーは、率直なフィードバックを与えたり受け取ったりすることに前向きで、イノベーションを促すために自分たちの仕事のやり方を絶えず変えていかなくてはならないことを理解している。
 
+モチベーションを与えるインセンティブ: 全ての投資家が知っているように、過去のパフォーマンスは将来の成果を保証することにはならない。同様に、過去の成果に対する報酬は、従業員に将来の成果を目指すモチベーションを与えるインセンティブよりも効果が少ない。
 
多くの企業はこうした面で出遅れている。彼らは業績見通しの達成に立ちはだかる目先のリスクを最小限に抑えながら、既存の市場環境への段階的な対応に終始しているため、短期的なインセンティブ報酬がパフォーマンスに影響を与えるリスクを高めている。そして、企業が従業員の創造力を全面的に引き出すことができずにいるケースがあまりに多い。
 

5つの問い

創造力が損なわれれば、企業は世界がどのように変化しているかについて未来志向の考え方ができずに、現状維持に甘んじることになる。イノベーションや効率性の改善に失敗し、適切な人材を発掘できない企業は、利益やリターンを維持できなくなる。では、投資家はダイナミックな企業文化を持つ企業とそうではない企業を見分けるためにどうすればいいのだろうか? 次に示す5つの問いは、2040年に市場のリーダーとなっているかもしれない企業を見極める上で、いい出発点となる。
 
1. どのようなタイプのイノベーションに資金が投じられているか? 大半の企業はイノベーションに投資しているが、そうした努力は多くの場合、「二番煎じ」商品への投資に過ぎない。資金がどこに振り向けられているかを注視する必要がある。
 
2. 創造力の欠如をコスト管理のせいにしていないか? コスト削減は少なくともしばらくの間、収益を押し上げる比較的容易な方法である。それは野心的な新たなアイデアに投資する場合と比べ、創造力をさほど必要とせず、通常はリスクも少ない。継続的なコスト削減は、有望で新たな事業機会を発掘してそれに投資するビジョンや勇気を企業が持っていないことを示唆している可能性がある。
 
3. 新製品の開発余地はどれほどあるか? 経営陣が新たなアイデアに対する投資のハードルを引き上げれば、新たな製品やサービスを生み出す余地が少なくなる。自力での成長が停滞している場合、企業が着実な利益を上げていてもそれに騙されてはならない。アイデアが少ないということは、企業が間違った分野に資金を投じた場合に、失敗に伴うコストが高くつくことを意味している。
 
4. 企業は過剰な買収を行っていないか? コアとなる事業分野で重要なテクノロジーを直接外部から取得している企業には注意すべきである。それは多くの場合、それまで成長のための投資が十分されていなかったことや成長を目指す企業文化が乏しいことを示す兆候である。
 
5. 従業員の心情から何を読み取ることができるか? 企業文化の健全性をモニターする上で、中間層の心情は上層部の心情と同じくらい重要な意味を持ちうる。報酬の規模や構造、エンゲージメント及び能力開発、バックグラウンドの多様性、チーム指向、離職率、満足感などはいずれもモニター可能で、実際モニターすべき要素である。投資家は企業やステークホルダーと対話したり、グラスドアやリンクトインなど第三者のサイトを用いたりすることで、従業員が何を考え、どう感じているかを探ることができる。
 

危機を通じてモチベーションを維持する

企業の規模にかかわらず、健全な文化を持った企業は新型コロナウイルスの大流行のような危機をうまく乗り切れる可能性が高い。従業員を信頼している企業は、リモートワークにうまく移行することができる。企業がいい時も悪い時も従業員の幸福を大切に考えていれば、危機の場面を通じて従業員のモチベーションを維持することがはるかに容易になる。ABでは、新型コロナウイルスは真の試練であり、本当にイノベイティブな企業文化を持った企業は危機を乗り切る上で大きく優位に立つことができると考えている(以前の記事『コロナ時代に高まるESG分析の重要性』ご参照)。
 
市場が上向いている局面でも、真に成長の潜在性を秘めた企業を見つけ出すのは容易ではない。新たなアイデアを追求している多くの企業は十分な利益が出せるほどの規模を達成できずにいる。しかし、ABでは、短期的な柔軟性と長期的な戦略的目標のバランスを重視する文化を持った企業は、持続可能な成長を実現できるケースが多いとみている。企業文化をファンダメンタル・リサーチの中核的な要素とみなし、経営陣と定期的に対話することで、投資家は企業の潜在力が株価バリュエーションに織り込まれる前に有望な成長ビジネスを発掘することができるだろう。
 

 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/corporate-culture-the-secret-sauce-for-growth-success.htm

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。 

 
当資料は、2020年9月24日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 
 
 
 
 
 

 

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