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ポストコロナもグロース株は魅力的か?

                                                                                                                                                                     

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フランク・カルーソ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株式運用 最高投資責任者





 

2021年3月10日

 
 
投資家の人気を集めていた米国のグロース株が足元で売りを浴びたことは、そうした企業の潜在的成長力が極端に高いバリュエーションを依然として正当化できるのか、懐疑的な見方が高まっていることを反映している。しかし成長を追求する投資家は、利益水準が高く、持続可能なビジネスモデルを備えた質の高い企業に投資することで、バブルとは関係なく着実なリターンを得ることができる。
 
ラッセル1000グロース指数は、2020年3月22日に付けた安値から同年12月31日までに81.1%も上昇した。それをけん引したのは、コロナ危機を通じてデジタル化の恩恵を受けた少数の銘柄で、その大半はテクノロジー企業だった。しかしながら、2021年に入ってからはその勢いが失速しつつあるように見える。グロース株のベンチマークである同指数は年初から2月末までに0.8%下落しており、上位構成銘柄の一部は直近の高値を15-20%下回っている。
 
足元の急落に先立つ2020年には、記録破りの数の新規株式公開(IPO)から個人投資家の急増まで、株式市場で投機的な動きが目立った。企業の基本的な経済価値を収益ベースの指標よりも正確に評価する、キャッシュフローに基づく指標である「経済価値収益率」  によると、ハイパーグロース株のバリュエーションは2000年のITバブルの水準に接近した(図表、左図)。また、利益を生んでいない赤字企業が黒字企業を大幅にアウトパフォームした(図表、右図)。結局のところ、こうしたトレンドは、パンデミック以前から進行していた企業のバリュエーションとファンダメンタルズのかい離をさらに増幅させることになった。
 
 
株価は企業利益よりも投機的な動きに左右されている.png
 
多くの投資家はそうした高バリュエーションの持続力を疑問視しており、特に金利が上昇したり、他の業界の事業環境が改善したりした場合には、バリュエーションを維持できないのではないかと考えている。パンデミック下で最大の勝者となった企業は、前年の高い売上高や利益を基準とした比較を行うことなるため、市場の高い成長期待に応えることが難しくなる可能性もある。グロース株の投資家は今、どこに目を向けるべきなのだろうか? 正しい判断基準に従うことを前提として、株価が上昇している局面で魅力的だったように、強力なファンダメンタルズを持つ企業に注目すべきであるとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)は考える。
 

真の成長は持続力のあるファンダメンタルズから始まる

今日のような極端な値動きは、企業が着実な利益を上げていなくても極めて高いリターンをあげ得ることを思い起こさせる。2020年に平均リターンが250%に達した「跳躍」している米国の成長企業15社のうち、8社は金利・税引き前ベースで過去12カ月間に利益を計上しておらず、残りの7社も企業規模に照らせば利益は取るに足らない水準だった。ABのリサーチによると、それらの企業は平均で企業価値の87%を将来の成長見通しが占めている。このことは、投資家はこれらの企業の価値のほぼすべてについて、現在の成功ではなく、将来的に成功を収める可能性に依存していることを示唆している。
 
これらの企業の多くは、売上高の高い伸びが追い風となっている。クレディ・スイスの企業価値評価システムHOLTによると、跳躍 企業の売上高は2024年まで平均で20%を上回る伸びを遂げると見込まれている。だがそれ以降は、そのトレンドはおそらく維持できないだろう。実際のところ、企業の初期における高成長が永遠に続くことは滅多にない。HOLTによると、初期段階にある急成長企業と定義される米国の跳躍企業上位1,000社の中で、5年後も年間売上高を15%伸ばした企業はほとんどなかった。しかも、売上高の伸びは、収益力が安定していることを示唆する好ましい指標ではない。
 
しかし、投資家は、より安定したパフォーマンスをあげながら高い収益性を実現している大型株を見つけ出すことができる。そうした銘柄の多くは株価が高騰している同業他社をアンダーパフォームしてきたが、依然として魅力的な長期投資の機会を提供している。特に、着実な総資産利益率(ROA)や投下資本利益率(ROIC)、自己資本による再投資の規律、耐久性のある成長モデル、ビジョンや説明責任を重視する企業カルチャーといった特定の条件を満たしていれば、その魅力はさらに高まることになる。
 

ROA:長期的な視点

収益性は多くの場合、基本的なパフォーマンスを評価する上で利益水準よりも好ましい指標となる。公表された利益は必ずしも全体像を表しているわけではなく、企業が容易に操作できると考えることもできる。特にさまざまな企業を比較する場合には、ROICやROAが業績の伸びやサステナビリティを測る優れた指標になるとABでは考えている(以前の記事『利益だけを見ていても成長企業はわからない』ご参照)。
 
ROICとROAは、パンデミックのピークに多くの企業が業績見通しの公表を取りやめた場面でとりわけ役立った(以前の記事『企業の業績予想がない時、株式投資家はどうすべきか』ご参照)。金利が上昇し、資本コストや将来のキャッシュフローを評価する割引率が押し上げられれば、両指標は特に重要性が高まる。景気回復に伴ってインフレ率が上昇する可能性があることも、リスクを高めかねない。ROICとROAは、景気回復後にその企業がどうなるかについて、ゆがみのない客観的な視点を提供してくれる。
 

再投資:持続可能な成長に向けた種まき

収益力のある企業が余剰資金をどのように活用しているかに注目することが重要だ。自社株買いや配当は投資家にとって魅力的だが、企業が最大の成功を収めるのは将来に向けて投資した場合であるとABでは考えている。自己資本に基づいた戦略的な再投資は、長期的なリターンを生み出す可能性があり、真の株主価値を創出することになる(以前の記事『米国企業は将来のために十分投資しているか?』ご参照)。
 
景気が上向けば、再投資とサステナビリティが足並みをそろえた動きを示すようになる。例えば、現在あまり投資を行っていない企業は利益率が高くなるかもしれないが、弱点が隠されていたり、ビジネスモデルに対する潜在的な脅威への備えができていなかったりする可能性がある。パンデミック下で成功を収めた成長企業を評価する場合、売上高の伸びは誤解を招く可能性がある。投資家は、消費者や企業の行動が幅広く正常化した場面で収益性を維持及び強化するために、急成長企業が十分な投資を行っているかどうか確認しなくてはならない。
 

企業文化: 企業の姿勢がなぜ大きな違いを生み出すのか

投資家は、環境、社会、ガバナンス(ESG)問題が企業の利益や成長の持続力に与える影響についても考慮しなければならない。その意味では、企業文化がとりわけ重要な意味を持つ(以前の記事『企業文化が成長の秘訣』ご参照)。なぜなら、企業文化はダイバーシティ、信頼、説明責任、ビジョンに対する企業のコミットメントを示すもので、それらはいずれも長期的な成功の基盤を構築するからである。企業文化は目に見えない資産とみなされているが、企業の業績に測定可能な影響を及ぼす。例えば、パンデミックの期間を通じて従業員の安全を確保するという課題をクリアした企業は、従業員の安全確保がなぜ収益性のあるビジネスを支えるのか理解している企業文化を備えている場合が多い。
 
コロナワクチン接種の進展や政府による支援策は、経済回復の確実性を高めることにつながる。卓越した、持続性のあるビジネスモデルを持った企業は、コロナ禍が過ぎればさらに強力になるだろう。そしていずれは、景気回復がさらに幅広い成長企業に恩恵をもたらすとABではみている。株価バリュエーションが企業のファンダメンタルズの強さに見合った銘柄に焦点を当てるという規律を維持することが、次の回復段階に向けて成長の可能性を取り込む最善の方法であろう。
 
 
 
 
 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

https://blog.alliancebernstein.com/library/are-growth-stocks-attractive-in-a-post-pandemic-world.htm

 

 

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