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イノベーション時代に魅力的な「ディスラプター」を発掘するには

                                                                                                                                                                     

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レイ・チウ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
インターナショナル・テクノロジー・ポートフォリオ ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 
  
 

2021年8月10日

 
 
多くの企業が、自分たちこそ「イノベーションのリーダー」だと言っている。しかし、株式投資家が持続的な成長と長期的な収益につながる真に破壊的な変化をもたらす力を持つ企業を見分けるには、どうすればいいのだろうか?
 
多くの国でコロナ危機が薄れる中、パンデミックによって加速したテクノロジーやビジネスの変化は今後さらに進みそうだ。投資はさまざまな業界で、ますます多くの革新的な企業を見つけ出すことができる。
 
しかし、革新的な企業だという理由だけで、それが投資対象になるとは限らない。例えば、Wi-fiは世界を大きく変えたが、それが容易に企業への長期的な投資機会に直結するわけではない。同様に、市場に早く参入することが常に競争上の優位性につながるわけでもない。中国のグーグルと呼ばれていたバイドゥは後から市場に参入した競合他社のアリババに追い抜かれ、今やアリババの時価総額はバイドゥの5倍に達している。収益性を伴う適切なビジネスモデルを持つことが重要な意味を持つ。
 
株式投資家は、一時的な流行なのか持続力のあるブレークスルーなのか、その違いを見極めなくてはならない。その場合でも、イノベーションの背後にあるビジネスモデルは、長期的に見て適切なファンダメンタルズを備えている必要がある。1つの企業の中にこの2つの特性を見つけ出すことが、アクティブ運用を手掛けるマネジャーにとって重要な課題となる。
 

テクノロジーの破壊的な動きがさまざまな業界に波及

我々はイノベーションがかつてないほど急速なペースで進む社会に生きている。ますますデジタル化が進む社会では、テクノロジー分野の進歩が圧倒的なブレークスルーをもたらしている。実際、米国商務省経済分析局によると、2021年には米国の設備投資総額に対するテクノロジーに関する研究開発の比率が過去最高の18%に達した。
 
しかし、「ディスラプター」(破壊的な変化をもたらす企業)の影響は、テクノロジー分野をはるかに超えて広がりうる。革新的な技術やサービスは、ヘルスケア、小売、メディア、金融、エネルギー、工業などの分野の企業にも恩恵をもたらし、新たな成長へのさらなる投資機会を投資家に提供することになる。
 
例えば、ヘルスケアや医薬品分野では、DNAのコストは過去20年間に100万分の1に低下した。また、ゲノム解析などのトレンドは、医師による病気診断や研究者による新薬発見の方法に急激な変化をもたらしている。適切なDNAがあれば、酵母細胞は糖尿病患者に処方されるインスリンを作り出すことができる。同様に、ゲノム工学は、限りない新素材の生産に活用することができる。例えば、ムール貝から採取したDNAを使って、接着剤のような素材を作ることができる。合成生物学が広く取り入れられれば、DNAを設計図とする細胞という万能の工場を利用して、事実上あらゆるものを作り出すことが可能になる。
 
「ディスラプター」はエネルギー産業にも変化を与えている。技術革新は太陽光、水素、電気自動車(EV)などクリーンエネルギーのコストを押し下げており、EVの販売台数は5年間で500%増加した。世界で最も売れているピックアップトラックであるフォードの「F-150」にも、従来のガソリン・エンジン車よりも馬力のあるEVモデルが登場した。未来の工場は、生産サイクル全体へのロボットの導入や生産プロセスの完全自動化を通じ、はるかに効率が高まるとみられる。フィンテックは最も急成長を遂げている市場の1つであり、新たなデジタル通貨や非接触型決済の導入が世界的に進展している。
 
しかしながら、イノベーションのペースがかつてなく速まっているため、投資家は持続性のあるビジネスモデルを持つ適切な企業を、より慎重に見極める必要がある。では、革新的な企業はなぜ長期投資の対象として好ましいのだろうか?
 

真のイノベーションとファンダメンタルズを有する企業に注目

未来の大企業に真っ先に投資したいと思うのは当然である。しかし、その企業が創造的で新たな方法を取り入れているかどうかだけでなく、健全な投資に必要な要素を備えていることを理由に投資することが賢明である。最も重要なことは、長期にわたってさらなる破壊的変革を生み出し続ける企業に投資することだ。そうした企業は決してイノベーションに向けた歩みを止めることなく、あらゆる場面で自らを改革している。
 
優位な立場を維持できる破壊的な力を持つ企業は、製品、サービス、またはプロセスに、まぎれもなく他社とは異なる機能や特性を取り入れている。一部のイノベーションは、より優れた体験の実現や効率性の改善に向けて現在の仕組みを変える新たなコンセプトであることを意味する(ライドシェアのモデルやハイブリッド型のクラウドインフラなどが挙げられる)。一方、画期的なイノベーション(直交型イノベーション)はそれとは異なり、合成バイオロジーやEV、真の人工知能や自動運転など、まったく革新的なイノベーションのことを指す。
 
投資対象となる「ディスラプター」は、彼らのイノベーションを必要としている大規模な既存市場や新たな市場を有している。そういった企業は高度に差別化された製品群を有しているため、収益力の持続性が高く、高い参入障壁によって競合他社から守られている。また、ネットワーク効果(顧客へのリーチが飛躍的に拡大し、将来の収益機会が押し上げられる傾向)の恩恵を受けている企業はとりわけ魅力的と言える。
 
アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)では、投資を成功に導くスイートスポットについて、イノベーションのSカーブにおける急勾配の部分、つまり急成長を遂げている段階にあると考えている。多くの革新的な現象と同じく、そこに到達するには時間がかかるが、いったん到達すれば、強力かつ急激な上り坂に入る。それは潜在的な成長力が高く、かつ持続する局面である。我々はスマートフォンの普及やストリーミングメディアでそれを目の当たりにしてきたほか、EVの普及(図表)、ロボット工学、クラウドコンピューティング、デジタル決済でもそうした動きが見られる。
 
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卓越した経営陣も欠かせない。真の「ディスラプター」は、競争上の脅威を決して見逃さない。むしろ、ビジョンと集中力を持ち、執拗なほど競争を続け、先を行くために自らのプロセスを積極的に「自己破壊」しようとする。
 
投資家はしばしば、一部の革新的な企業の高い株価バリュエーションに疑問を感じている。ABはそれらの株価バリュエーションは、企業の成長ペースによっても正当化されるべきだと考えている。つまり革新的な企業が魅力的な投資対象となるのは、収益性への明確な道筋を示すだけでなく、長期にわたり高水準の利益成長を維持できるだけの競争力を守る砦を築いていることが証明された場合に限られる。市場を支配できる規模に到達するために必要な投資を行っている企業や、競争力を守る砦を維持している企業にペナルティを与えたくはない。実際、歴史的に見れば、研究開発(R&D)投資の比率は、革新的な企業にとって将来の成長を示す優れた指標となってきた。つまり、「ディスラプター」の現在の株価は割高に見えるかもしれないが(以前の記事『ハイテク株は割高だという通説は正しいか?』ご参照)、株価上昇と歩調を合わせて将来の利益が急拡大すれば、成長のコストは妥当だと思われる。
 

明日の破壊的なフロンティア

我々は今、現代の「産業革命」ともいうべきイノベーションの時代に生きている。強力なメガトレンドと繁栄するデジタルインフラが交差する新経済の後押しを受けた「狂騒の20年代 ver2.0」  と言えるのかもしれない。破壊的なイノベーションは、投資の観点で最もエキサイティングで重要な分野であり続ける。今後も我々がまだ想像すらしていないさらなるトレンドが現れるであろう。このため選別的な投資を心がける投資家にとっては、さまざまな業界に大きな影響を与え、グローバルな成長機会を生み出す「ディスラプター」を見極めるための明確なプロセスが必要となる。
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

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当資料は、2021年6月29日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

 

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