AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

インフレに備えた資産保護策の再構築

                                                                                                                                                                     

Headshot1-Chathlani_Vinod.png
ヴィノッド・チャスラニ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ソリューション部門 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 
  
マーク・グリーソンHeadshot1-Gleason_Mark.png
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
マルチアセット・ビジネス・ディベロップメント ディレクター
 

2021年8月13日

 
 
新型コロナウイルスのパンデミックに起因する落ち込みから世界経済が立ち直るのに伴い、人々は再び自由に動き回れるようになっている。物やサービスに対する需要が増加しているほか、財政政策の蛇口は大きく開き、緩和的な金融政策と一体化している。そして、投資家は環境の変化に応じてどんな調整が必要であるかを判断するため、ポートフォリオを見直している。
 
投資家が気にかけているリスクの1つは、ここ10年近くあまり気にされていなかった問題である。それはインフレで、米国では増加する需要に商品や労働力の供給が追いついていないため、物価水準が上昇している(以前の記事『米国インフレの行方-押さえておくべき4つのポイント』ご参照)。この圧力は2021年内に解消されるとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)は考えているが、インフレ期待は高まっている。さらに長期的に見れば、グローバル化の一巡、ポピュリズムの復活、政府債務の増大といった持続的な変化が進行しており、それらが今後数十年にわたって世界のインフレ圧力を押し上げる要因になると予想される。
 

インフレと戦う実物資産の実力

1970年代のような2桁のインフレでなくとも、インフレは経済に打撃を与える。インフレ率のわずかな変化でも、長期的に購買力を損なう可能性がある。こうしたシナリオの下では、伝統的な株式や債券へのエクスポージャー(特に国債)は逆風に直面してきた。アクティブ運用や様々な市場に投資をするグローバルなマルチアセット戦略においては、株式や債券へのエクスポージャーをインフレに対応できるよう強化できるが、それに加えて、実物資産に対して戦略的に資産配分することもポートフォリオを守る上で重要な役割を果たす。
 
歴史的に見れば、実物資産への分散投資は、インフレ率が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標水準にある、またはそれを上回っている時期など、インフレ率が上昇している場面で効果を発揮してきた(図表1)。そのため、インフレに備えて株式や債券へのエクスポージャーをダイナミックに調整することのみならず、実物資産へのエクスポージャーの積み増しや再構築を検討することが賢明だと思われる。
 
インフレ率が上昇する局面では実物資産がアウトパフォーム.png
 

ポートフォリオに欠けているインフレへの備え

ABのリサーチによると、投資家の資産配分において実物資産はかなり不足しているようだ。だが、実物資産へのエクスポージャーについてあまり議論されてこなかったことについて投資家を責めるのは難しい。この10年間の大半はインフレが抑制されていたため、実物資産のパフォーマンスは低迷してきた。世界金融危機以降、実物資産は年率換算した5年間の平均リターンが世界の株式を下回っている。2020年末までには実物資産がやや持ち直したが、リターンはそれでも世界の株式を6.8%下回った。
 
パフォーマンスが低迷していることに加え、さしあたってインフレが問題になっていないことが、実物資産のエクスポージャーを縮小させてきた(図表2)。流動性の高い実物資産に投資する上場投資信託(ETF)の比率は、現時点で約5%にとどまっている。一般的に言って、投資家は他の資産クラスではパッシブ運用に移行しているが、実物資産についてはまだパッシブ運用へは移行していない。その結果、多くの投資家のポートフォリオに占める実物資産の割合はかなり少なく、全くないケースも多いとみられる。
 
投資家のポートフォリオでは実物資産が不足しているか?.png
 

インフレと戦う特効薬はない

ポートフォリオにおいて実物資産が不足していることを踏まえれば、今は投資家にとって、必要に応じて実物資産のエクスポージャーを追加または拡大し、ポートフォリオの設計を見直す好機だと考えられる。しかし、実物資産の種類を1つに絞り込むのは賢明なアプローチとは言えないとABでは考える。インフレの形態はそれぞれ異なっている。過去にうまくいった投資が今回も成功するとは限らず、今後も常にうまく機能するとは限らない。
 
2021年初来でインフレ率やインフレ期待が上向いた局面を振り返ってみよう。この半年間に一部のコモディティ価格が急騰し、特にエネルギー、工業用金属、穀物などの上げが目立った。S&P500指数のエネルギー・セクター指数は45.5%、金属・鉱業セクター指数は59.8%上昇した。一方、金は低迷し、SPDRゴールド・シェアETFのリターンは7.6%と、インフレヘッジ手段としてはほとんど役立たなかった。
 
これは、実物資産戦略において、投資対象を狭い分野に絞るべきではないことを示す好例である。
 

分散された柔軟な実物資産へのエクスポージャーがカギ

実際、インフレに対する感応度、信頼性、コスト効率などに関する多面的な評価に基づけば、単独でインフレに対抗できるツールとして完璧な実物資産は存在しない。金はインフレとの連動性が高いにもかかわらず、そのさえない値動きは、インフレヘッジ手段としての信頼性が低いことを示している。また、リスク調整後のリターンに基づくコスト効率もそれほど高くない。不動産株は金よりもはるかにコスト効率が高く、信頼性も高いが、インフレに対する感応度が低い。
 
ABでは、不動産関連株式、天然資源関連株式、コモディティ先物、金、同業他社よりもコスト圧力への耐性が高いインフレ連動株式など、さまざまな実物資産に分散投資する戦略が望ましいアプローチだと考えている。さらに、環境の変化に柔軟に対応し、環境に応じてより効果的な手段にシフトすれば、投資家はポートフォリオにおける実物資産の不足分を埋めるソリューションを手にすることができそうだ。
 
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2021年6月18日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の格付けは特に記載のない限りABの定義に基づきます。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@alliancebernstein.comまでお寄せください。

運用サービス

  • 債券
  • 株式
  • マルチアセット
  • オルタナティブ
  • リスク抑制
  • リターン追求
  • 更なる分散

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
https://www.alliancebernstein.co.jp/

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.3%(税抜3.0%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.068%(税抜1.880%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る