AllianceBernstein アライアンス・バーンスタイン株式会社

knowledge openspace 知の広場

knowledge openspace 知の広場

ハイイールド債投資では時間が味方

                                                                                                                                                                     

Headshot1-Smith_Will.png
ウィリアム・スミス
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国ハイイールド債券運用 ディレクター
 
 
 
  
 

2021年9月15日

 
 
米国ハイイールド債市場は新型コロナウイルスのパンデミックに伴うろうばい売り以来、力強い回復を遂げている。ただ、現在の景気回復が勢いを増すにしたがい、新たな不安が投資家のあいだに広がっている。債券利回りの上昇である。
 
利回りが上昇すると債券価格は下落することを投資家は知っている。したがって、次の利回り上昇局面を避けるために投資家はハイイールド債市場から資金を一旦引き揚げ、そうした局面が去るまで様子を見るべきなのだろうか? アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)の見解は異なる。
 
利回りに関してさまざまなシナリオを想定し、それらのもとでの投資スタンスを検討すると、ハイイールド債に投資をし続けることのメリット(そして、投資を短期的に引き上げることのデメリット)がはっきりと浮かび上がる。以下、その理由を説明する。
 

債券の鉄則: 時は金なり

債券価格は金利の動きに影響を受けるため、利回りが上昇すると投資家のリターンは短期的にマイナスに陥る場合がある。しかしながら、投資期間が数カ月よりも長いのであれば、短期的な損失はおそらくそれほど重要な問題ではない。
 
というのも、こと債券ポートフォリオに関して言えば、時間が大半の傷を癒してくれるからだ。債券はインカムゲインを提供するだけにとどまらず、債券価格は償還に向かって額面価格に近づいていく(デフォルト時を除く)。つまり、腰を据えて投資をすれば、自らのポートフォリオから支払われる元本とクーポンを、より新しい、そしてより利回りの高い債券へ再投資できるのである。こうすることで短期的な損失を相殺し、そして多くの場合、トータルリターンを増やすことができる。
 
図表1 にある4つのシナリオを検討してみよう。シナリオ1から3の「利回り低下」「利回り横ばい」「利回り上昇」シナリオでは、投資家は全投資期間にわたりハイイールド債ポートフォリオから資金を動かさない。一方、シナリオ4では、投資家は利回りが上昇する局面でハイイールド債市場には資金を振り向けず、2年後に同市場に参加する。
 
さまざまな利回り環境における各投資方針の利点と欠点.png
 
4つのシナリオの結果は意外かもしれない。理由は2つだ。
 
1つ目は、利回りが上昇する間に投資していなかった投資家は、利回りがより高い時点で市場に参加するものの、同じ利回り上昇シナリオのもと全期間にわたり全額投資をする投資家をアンダーパフォームする点である。この結果から、利回りに時間が加わったときの効果が分かる。
 
2つ目は、全期間にわたり全額投資をする投資家においては、利回りが横ばいの場合が最も高いリターンをあげる一方で、利回り上昇シナリオの方が利回り低下シナリオをアウトパフォームする点である。これは直感に反する。投資家は多くの場合、利回りが低下することを期待する。それが一段と価格を上昇させる要因だからだ。しかし、結果的に利回りが低下すると、ポートフォリオにはかえって不利に働いている。
 
それでは、ハイイールド債の投資家は、実のところは利回りの上昇を歓迎すべきなのだろうか? 必ずしもそうとは言えない。
 
すべてはタイミング次第である。同じように利回りが低下する場合でも、可能な限り保有期間の最後の方で低下することが望ましい。そうなれば企業は、より金利の低い新しい債券に借り換えることはなく、投資家のポートフォリオの利回りがむしばまれることはないだろう。反対に利回りが上昇する場合は、投資期間のより早い時期に上昇して欲しいと望むだろう。より高い再投資利回りによる恩恵をより早く受けられるからである。
 

「大きな波」がきた時は?

投資家が利回り上昇を望むべきか否かは、利回り上昇の程度にも左右される。利回り上昇幅が大きくなるにしたがい、価格下落幅は大きくなる。ABでは、ハイイールド債市場の12カ月間のリターンがマイナスになるには、同市場の利回りが1年で1%近く上昇する必要があることを導き出した。過去を振り返ると、そのように利回りが急速に上昇した事例はあまりない。
 
とはいうものの、より長い保有期間を想定して、そうした利回りの大幅上昇が仮想ポートフォリオに及ぼす影響を確かめてみたいと考えた。すると、大きな違いが生じないことが分かった(図表2)。
 
利回りの急速な大幅上昇がもたらし得る影響.png
 
大きな違いが生まれるのは、タイミングを誤った場合である。100%の自信をもってこの1年のうちに「大きな波」が来ると言えない限り、投資家は傍観者の立場を取るべきではない。その予想が外れ、シナリオ2にあるように「大きな波」が来るのにより長い時間を要したときは、痛手を被ることになる。
 
ハイイールド債は、時間の経過から得られるリターンが他のほとんどの資産クラスよりも勝っている。だからこそ、重要なのは、利回りが上昇するか否かではなく、利回りが大幅かつ急速に上昇するか否かという点である。そして、それを確実に予想できる者などいないのだから、投資家は投資し続ける方が賢明と言えるかもしれない。
 
 
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。 
 
当資料は、2021年7月20日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

 

 

当資料についてのご意見、コメント、お問い合せ等はjpmarcom@alliancebernstein.comまでお寄せください。

運用サービス

  • 債券
  • 株式
  • マルチアセット
  • オルタナティブ
  • リスク抑制
  • リターン追求
  • 更なる分散

アライアンス・バーンスタイン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第303号 
【加入協会】一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融商品取引業協会
https://www.alliancebernstein.co.jp/

 当資料についての重要情報

当資料は、投資判断のご参考となる情報提供を目的としており勧誘を目的としたものではありません。特定の投資信託の取得をご希望の場合には、販売会社において投資信託説明書(交付目論見書)をお渡ししますので、必ず詳細をご確認のうえ、投資に関する最終決定はご自身で判断なさるようお願いします。以下の内容は、投資信託をお申込みされる際に、投資家の皆様に、ご確認いただきたい事項としてお知らせするものです。

投資信託のリスクについて
アライアンス・バーンスタイン株式会社の設定・運用する投資信託は、株式・債券等の値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準価額は変動し、投資元本を割り込むことがあります。したがって、元金が保証されているものではありません。投資信託の運用による損益は、全て投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金と異なります。リスクの要因については、各投資信託が投資する金融商品等により異なりますので、お申込みにあたっては、各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等をご覧ください。


お客様にご負担いただく費用:投資信託のご購入時や運用期間中には以下の費用がかかります
● 申込時に直接ご負担いただく費用 …申込手数料 上限3.3%(税抜3.0%)です。
● 換金時に直接ご負担いただく費用…信託財産留保金 上限0.5%です。
● 保有期間に間接的にご負担いただく費用…信託報酬 上限2.068%(税抜1.880%)です。

その他費用:上記以外に保有期間に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。

上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、アライアンス・バーンスタイン株式会社が運用する全ての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。

ご注意

アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。デリバティブ取引を行う場合は、これらの影響により保証金を超過する損失が発生する可能性があります。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。運用戦略や商品によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。また、ご投資に伴う運用報酬や保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。上記の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

戻る