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旅行指標を投資に役立てる

                                                                                                                                                                     

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ジム・ティアニー(写真)
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株集中投資戦略 最高投資責任者
 
 
 
  
デブ・チャクラバルティ(写真)Headshot1-Chakrabarti_Dev.png
アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
グローバル成長株集中投資戦略 共同最高投資責任者
 
 
 
  
ジョナサン・バーコウ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
株式データ・サイエンス ディレクター
 

2021年10月18日

 
 
米国では多くの人々がバケーションで外出することを再開しているが、欧州やアジアの観光地は比較的静かな状況が続いている。旅行関連のトレンドを把握すれば、投資家は世界のさまざまなセクターがパンデミックに伴う移動制限で受けた打撃から回復に向かっている様子を把握することができると考える。
 
新型コロナウイルスは多くの面で消費行動の変化を加速させた。しかし、「休暇」という伝統が変わることは考えにくい。むしろ、過去1年半にわたり旅行が制限されていたことから、電車や飛行機の利用やホテルでの宿泊が安全だと人々が感じるようになれば、旅行再開がブームとなる可能性が高い。旅行の回復が世界全体で同じように進むとは思えないが、ビッグデータの助けを借りれば、足元で休暇を求める欲望がどんな動きを示しているかをリアルタイムで観察し、投資に役立つ実用的な知見を得ることができる。
 

米国のホテル予約は大きな節目に到達

今のところ、旅行は一進一退を繰り返しながら回復している。米国では、7月4日の独立記念日を含む週の空港利用者数がパンデミック前である2019年の同じ週の水準を超え、大きな節目に到達した(図表1、左図)。ホテルの予約状況も米国における旅行セクターの回復を裏付けている。
 
例えば、米国ではホテルの利用者数が2019年の水準を依然としてわずかに下回っているものの、宿泊料金の引き上げで相殺している。その結果、宿泊可能な客室1泊当たりの収入を示す平均客室単価(RevPAR)は着実に上昇しており、多くの米国人が旅行に出かける前の7月に一時的にパンデミック前の水準を上回った(図表1、右図)。
 
米国の旅行関連指標は急速に回復しているが、欧州とアジアの指標は依然低迷.png
 
しかし、米国における活動再開の動きが世界全体で同じように進んでいるわけではない。欧州とアジアでは依然として活動レベルが低迷しており、同地域の平均客室単価は、2021年8月時点では依然として2019年の水準を大幅に下回っている。
 

ワクチン接種からバケーションへ

投資家としてのアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)の目標は、適切な時間軸を意識しながら、次に何が起きるかを予想することである。各国のワクチン接種率や休暇に関するトピックのグーグル検索データは、そのヒントを与えてくれる。
 
米国のワクチン接種率は当初、他の国々よりも大きく進んでいた。Our World in Data(データで見る世界)によると、2021年4月30日時点では、少なくとも1回のワクチン接種を受けた米国民の割合は44%で、西欧の約25%を大幅に上っていたが、6月末には双方とも55%前後で並んだ。
 
デルタ株により世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、その一方で、モビリティや経済活動の面では、西欧が米国に近づいているようだ。その可能性については、今のところあまり認識されていない。実際、バケーション関連トピックのグーグル検索は、世界的にパンデミック前のピークの約75%まで回復している(図表2)。しかし、国によって差があり、ドイツや韓国で関心が急激に高まっているほか、スペインや米国ではパンデミック前のピークに近い水準にある一方で、オーストラリアや英国ではまだバケーションへの関心が低水準にとどまっているようだ。
 
バケーション関連トピックのインターネット検索は回復している.png
 

投資への知見:「純粋な」旅行・レジャー以外の分野に注目を

では、これらのデータに基づく知見をポートフォリオに取り入れるにはどうすればいいのだろうか?それはすべて投資家のリスク許容度にかかっている。クルーズ船運航会社、航空会社、ホテルなどは、旅行の回復を見据えた投資先として当然のように見えるかもしれない。だが、これらの企業は高リスク・高リターンであり、もしデルタ株の後に新たな変異株が出現すれば、回復は再び先送りされ、「純粋な」旅行関連株は打撃を被りかねない。
 
むしろ、バケーションの正常化がさらなる追い風になると見込まれる強力なビジネスに注目すべきである。これはリスクの低いアプローチで、旅行の再開によって恩恵を受けそうな交通機関やレジャー以外の企業が投資対象となる。
 
一部の金融サービス会社は、旅行を支える重要な「イネーブラー」である。国境を越えた旅行が増加すれば、クレジットカードや外貨を使って買い物する観光客も増える。国境を越えた取引は、マスターカードやビザなどのクレジットカード会社に大きな利益をもたらす。欧州では、レジャー旅行が復活すれば域内の決済需要も押し上げられそうだ。それは、欧州全体で決済プラットフォームを運営しているフランスのワールドラインのような企業にとって追い風となる。
 
ここ数年、旅行の予約は急速にデジタル化が進んでいる。そのため、世界中の人々が再びバケーションを取り始めればオンライン予約が増加し、ブッキング・ドット・コムやエアビー・アンド・ビーのような企業の収益が拡大する見通しだ。こうした直接的な恩恵以外にも、旅行関連予約を目的としたネット検索が幅広く増加する可能性がある。例えば、グーグル検索が旅行の予約につながれば、グーグルの親会社であるアルファベットに実際の収益がもたらされる。
 
旅行客は買い物が好きである。高級ブランド企業の一部はこれまで、観光客から着実に収益を得てきた。旅行に関する規制が緩和されれば、化粧品や高級ハンドバッグなどの販売が急速に拡大する可能性がある。特に、2020年のパンデミックの影響で消費需要が蓄積されていることを踏まえれば、エスティローダーやロレアルなどの高級ブランド企業にとって強力な追い風となりそうだ。
 
旅行の活性化は、世界の景気回復が正常化しつつあることを示す重要な兆候である。投資家は、さまざまな業界で堅実な事業を展開している企業の中から、旅行の回復によってさらなる恩恵を受けるとみられる企業を探し出すためには、まだ完全に回復していない地域の動向を注視する必要がある。絶対ベースのリターン上昇幅は、旅行ブームで直接的な利益を受けている企業への投資ほど大きくないかもしれないが、人々が再び旅に出ることでさらなる改善が期待できる企業を追い求めれば、より魅力的なリスク調整後リターンが得られる可能性がある。
 
 
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

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当資料は、2021年8月6日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

 

 

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