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インフレが忍び寄る中、価格決定力を持つ企業を探し出す

                                                                                                                                                                     

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ジム・ティアニー
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
米国成長株集中投資戦略 最高投資責任者
 
 
 
  
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アライアンス・バーンスタイン・リミテッド
グローバル成長株集中投資戦略 共同最高投資責任者
 
 
 
  
 

2021年11月11日

 
 
最近の決算発表シーズンから判断すれば、インフレ圧力が高まりつつある。投資家にとっての問題は、どの企業がこうしたコストを転嫁し、利益率を維持できるかということである。
 
今日、インフレについての議論は投資家にとって重要な関心事となっている。インフレは今後も持続するのだろうか、それとも一過性のもので、サプライチェーンが正常化すればインフレ圧力は弱まるのだろうか?
 
直近の四半期決算説明会は、インフレは少なくとも今後数四半期にわたり問題になることを示しているとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)ではみている。S&P 500指数構成企業の経営陣の約半数が2021年4-6月期の決算説明会でコスト圧力について言及しており、その割合は過去10年間で最も高くなっている(図表)。
 
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米国企業が決算説明会でインフレについて言及した回数は、前年比で200%近く、パンデミック前の2019年と比べれば73%増加している。多くの企業はこれまで、着実な売上高の伸びとコスト削減を通じてこうしたインフレ圧力をどうにか乗り切ってきた。しかし、国内総生産(GDP)の伸びが正常化し、これまで回避してきたコスト増の一部を負担せざるを得なくなると、インフレ圧力によって収益が損なわれる恐れがある。
 
では、どのような解決策があるのだろうか?ABの見解では、成功を収める企業は、インフレの波を効果的に乗り切るために、ビジネスを支える価格決定力を持っていなくてはならない。価格決定力はこれまでも常に重要だったが、今日の環境においてはその重要性が一段と高まっている。
 

テクノロジー企業から運送業者まで

ABでは、ユビキタスなプログラムやサービスを提供しているテクノロジー企業は、値上げが可能な企業であると考える。例えば、このところ料金を引き上げていない決済処理会社やソフトウェア会社は、価格を引き上げても大きな反発は受けずに済みそうだ。ともにテクノロジー企業に分類されている世界の決済処理市場の大手であるビザとマスターカードの2社は、クレジットカードやデビットカードによる決済の約75%に利用されており、そのビジネスは成長を続けている。両社ともパンデミックの間は値上げを先延ばししてきたが、2022年には値上げする意向を表明している。
 
マイクロソフトはサティア・ナデラCEOの下で改革を進め、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(サービスとしてのソフトウェア)及びクラウド企業へと変貌を遂げた。全世界で100万社以上がOffice 365を利用しており、個人ユーザー数は2億人を超えている。サブスクリプション価格は2014年以降据え置かれているが、マイクロソフトは最近、2022年3月に値上げすると発表した。
 
運送会社も料金引き上げに前向きで、それが可能である。パンデミックにともなうロックダウンの影響で混乱が生じたサプライチェーンは、急増する需要に追いつこうとしている。港はコンテナで溢れかえっているだけでなく、トラックのドライバーも不足している。運送会社の中には、プレミアム貨物に1年前と比較して3〜4倍の料金を課すことができる企業もある。固定価格の契約を破棄して、もっと高い市場価格で仕事を引き受ける運送会社もある。なぜなら、それが可能であるからだ。実際、コスト増とサプライチェーンの遅延を受け、ある大手小売企業は運送会社に頼らずに船やコンテナを直接リースし、商品を遅滞なく市場に運び込んでいる。
 
パンデミックは消費者の行動、欲求、ニーズにも変化をもたらした。米国の消費者は自宅に閉じ込められている間に刺激策の一環として政府から支給された現金を蓄え、負債を返済した。1年半以上も旅行に行けず、娯楽も限られ、酵母からトイレットペーパーまであらゆるものが不足していたため、多くの消費者は素晴らしい体験、質の高い商品、美味しいチョコレートなど、欲しいものには喜んで支出しようとしている。そのため、真に差別化されたショッピング体験や、より質の高い商品を提供できる小売企業は、価格を引き上げやすい立場にある。例えば、ネスレは、原材料価格の上昇を今後2年にわたり世界的に消費者に転嫁できると考えている。
 
利便性を提供することも価格決定力の向上につながる。例えば、建設業では、自分で重機を所有及び維持したいと考える業者はほとんどない。英国のアシュテッドのような機器レンタル会社は、機器保有に要する顧客の負担に対処できるばかりでなく、環境に配慮した機器を提供すれば、顧客が喜んで高いレンタル料金を支払ってくれると認識している。
 

コスト上昇の裏面

一方で、企業によっては、コスト上昇が収益の悪化につながる可能性もある。インフレ環境下でパフォーマンスが劣後する可能性のある企業への投資を避ける能力は、見通しが明るい企業を識別するのと同じくらい大きな価値があるかもしれない。
 
例えば、アマゾンの配送センターが近くにできた場合、多くの企業が労働コストが上昇すると指摘している。労働者を確保できなくなる企業もあるかもしれない。また、プロフェッショナルサービス企業では契約時のボーナス支給は珍しいことではないが、ファーストフード店の従業員が同じようなボーナスを受け取ることになるとは誰も予想していなかった。
 
上述のように、輸送コストの上昇は、それがメーカーであれ最終消費者であれ、サプライチェーンのどこかで吸収しなければならない。例えば、オフプライス衣料小売チェーンのバーリントン・ストアーズの経営陣は、同社の顧客は商品に高い料金を支払おうとしないため、輸送コストの上昇は利益率に影響を与えると指摘している。
 
同様に、一部の地域では建設資材価格が平均で約20%上昇しているが、請負業者はその4分の1程度しか値上げできないと考えている。もっと具体的に言えば、鉄鋼製品の生産者価格指数は2020年8月に比べ123%上昇した。企業が価格決定力を持っていなければ、これは生産プロセスにおいて鉄鋼製品を必要とするどの企業にとっても大きな悩みの種となる。
 
価格決定力は常に貴重なものだが、インフレが高進している時期こそ最もその価値が高まるだろう。コスト上昇分を価格に転嫁できない企業は利益率が圧縮され、さらに悪い事態に直面しかねない。競争上の優位性、差別化された製品や経験、制約ある生産能力などから生じる企業の価格決定力を理解することは、特定の銘柄に対する確信度を高める上で不可欠である。
 
 
 
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

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