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インフレで不透明な道を革新的企業が切り開く

                                                                                                                                                                     

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レイ・チウ
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ディスラプティブ・イノベーション株式運用 ポートフォリオ・マネジャー
 
 
 
  
 

2022年1月21日

 
 
インフレと金利上昇に促される形で、多くの株式投資家がテクノロジー企業や高成長企業に対する投資方針の見直しを始めている。しかし、今回のインフレ環境はこれまでとは異なっており、また、それを乗り越えるのに万全の態勢を整えている企業というのも同様にこれまでとは異なる。
 
コスト高が世界の株式市場に影を落としてからしばらく経つ。景気回復には、ある程度のインフレ(及び利上げ)が伴うのが典型的だ。しかし、2021年10月に米国の消費者物価が6.2%急上昇(過去30年で最も高い水準)した後、投資家はインフレが当面続く可能性を察知している。実際のところ、10年間のブレーク・イーブン・インフレ率(投資家が予想する今後10年間の米国の期待インフレ率を示す指標)は11月に2.7%に達し、2012年以降最も高い水準となった。
 

インフレ圧力は手ごわいものの、「ディスラプター」にとってはプラスの影響

従来、インフレと金利上昇は、将来の予想利益の現在価値に基づいてバリュエーションが評価される高成長企業にとって好ましいものではなかった(以前の記事『低金利でテクノロジー・セクターのイノベーションが加速』ご参照)。しかし、ポストコロナの世界で起こる今回のインフレは、高成長のディスラプター(破壊的な変化をもたらす企業)がアウトパフォームする原動力になるのではないかとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)は考えている。
 
とりわけ、新型コロナウイルス感染拡大期の生産停止による供給不足が引き金となっている分野などのインフレ圧力は一時的なものである可能性がある(以前の動画『US Economic Outlook: Inflation, Growth and the Fed』(英語)ご参照)。経済が徐々に再開するなかで、需要と供給が再びバランスを取り始めることから、大半財・サービスの価格は正常に戻るはずだ。
 
しかしながら、変化がより持続的で影響力の強い他の分野においては、インフレがより恒久的な可能性がある。例えば、労働力、原材料、エネルギーの分野などでは、すでにパンデミック前に一定の変化が見られており、今回の危機によってさらに変化に拍車がかかった。また、経済全体にわたりコスト高が長引く可能性が高いことから、さらなる圧力を乗り越えるために、業界に変革をもたらす新たなビジネスモデルが必要とされている。これは、破壊的なイノベーションを、必須とまではいかなくても、現時点で大きな成長の可能性を秘めている将来的な投資機会として捉えている投資家にとっては良いニュースだ。
 

ディスラプターのターゲットは変化した労働力と硬直的な賃金

景気回復期には、より多くの人々が転職し、より高い給料が提示される形で企業間で補充要員の獲得競争が起こるため、賃金は通常、この時期に上昇する。しかし、今回はそのような典型的な雇用ブームではなく、また事態が収束しても労働市場の変貌は恒久化するだろう。 
 
例えば、在宅勤務は人々の生活に対する考え方を変えた。コロナ禍に賢明な安全対策として始まったことが、今や、何百万人もの労働者にとってなくてはならない選択肢となっている。今では、オフィス勤務に戻るよりも転職を選ぶ人々も多いだろう。または、ワークライフバランスや早期退職を考え直す人々もいる。こうした傾向を見ると、2021年8月に米国において自発的な離職率が3%という記録的な数値となった理由の説明がつく。
 
多くの転職者は「ギグエコノミー」(インターネットなどを通じて単発・短期の仕事を請け負う働き方やその労働市場)に参入しており、2020年、米国では200万人急増した。世界中に11億人いるギグワーカーにとって魅力となっているものの上位に挙げられるのは、独立性、フレキシビリティ、一定のベネフィットだ。スタティスタのリサーチによると、2023年までに予想されている全世界のギグエコノミーの総額は4,550億米ドルに達する可能性がある。このように労働者の動態変化は、ウーバー・テクノロジーズ、リフト、ドアダッシュといった企業にとって、労働力の豊富な供給源となったり、グラスドア、インディード、Fiverrなどのオンライン求人プラットフォームのユーザーを増やしている。新ビジネスの起業数が過去最高(米国国勢調査局によると、2020年の米国の起業数は440万)を記録したことに伴い、ビル・ドット・コムやハブスポットなどの企業が提供する中小企業向けの革新的なレコードキーピング業務やクラウドソリューションの需要が急増している。足元では、労働者不足は製造業と運輸業で特に増えている(図表1)。
 
自動化がもたらす機会-さらに多くの職で人員が必要になる.png
 
しかし、この傾向はイノベーション、そして長期的な視野を持つ投資家にとっての投資機会も生み出している。小売業者が複数の方法で顧客をターゲットにするオムニチャネルコマースが勢いを増しており、物流や倉庫の労働者需要が急激に増えている。年末の休暇シーズン前には、より高い水準の給料とベネフィットを提示しているにもかかわらず、労働者を引き寄せるのに苦戦を強いられた小売業者がさらに増加した。そのため、小売業者は多数の欠員を自動化をさらに進めることで穴埋めしており、ロボット工学や人工知能によるソリューションに対する持続的な需要を生み出しているのだ。
 
例えば、テラダインの協調ロボットモデルは、仕分けやビンピッキング(対象物を自動でピックアップする)といった日常的な作業を担っている。企業向けソフトウェアの販売を行うゼブラ・テクノロジーズは、倉庫や配送センターにおける業務フローや在庫管理を最適化するサービスを提供している。また、スマートカメラを製造しているアンバレラは、近い将来、自律走行による長距離配送や輸送の高速化の新たな時代への道を切り開くのに一役買うだろう。
 

あらゆる業界に広がる革新的企業への投資機会

パンデミックが起こり、品不足がまん延している。自動車業界では、近代的な自動車のすべてをつかさどる半導体の不足が自動車メーカーの収益を直撃している。製造業、公益事業、鉱業も概して、今なお悪戦苦闘している。米国の工業生産高は2021年9月単月で1.3%落ち込み、2月以降で最も急激な減少となった。
 
革新的企業は先を争うように支援ビジネスに乗り出し(以前の記事『イノベーション時代に魅力的な「ディスラプター」を発掘するには』ご参照)、 スマート技術やソフトウェアを提供して、世界のサプライチェーンを強化し、製造、倉庫、輸送、物流の回復に貢献している。例えば、センサーソリューション分野のリーディングカンパニーで、日本を拠点としているキーエンスは、世界中で工場の自動化の実現を後押ししている一方、フランスのダッソー・システムズは、3Dやその他の製造工程をデジタル化、自動化する上で極めて重要な役割を果たしている。
 
エネルギーも見直されている。新規の石油プロジェクトへの投資総額は2013年に最高額となったのち減少傾向にある。2021年でもその回復の兆しが見えない中、生産余力の低下が化石燃料における世界的な価格上昇圧力の要因となっている可能性が高い。それと同時に、低炭素エネルギーを推奨する世界的な動きは、これまで以上にすさまじい勢いでエネルギー分野におけるイノベーションを生み出している。実際、よりクリーンな燃料やプロセスへの投資は2020年に対前年比で9%増加し、5,380億米ドルとなり、2015年以降、再生可能エネルギーと電動輸送機器が最も恩恵を受けている(図表2)。
 
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しかしその移行は、意欲的な気候変動目標を達成するには、おそらく十分なスピードとは言えないだろう。現在、ガス・石炭がいまだに世界における発電の50%超を占めている。進展が見られるとはいえ、供給の先細りによる原料の値上げを抑えつつ、国際連合の気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で世界各国のリーダーたちが直近に採択したグローバルなネットゼロ目標の実現に向け、プロセスを早めていくためには、さらに多くのことを行う必要があるだろう。ABの見解では、創造性に富んだエネルギー・イニシアチブや代替エネルギーへの投資を加速化することが、高騰する気候に有害なエネルギー源への世界的な依存を縮小させるための最良の道筋だ。
 
これにより、破壊的な代替エネルギー・ソリューションへの投資機会が生まれるだろう。需要の高まりとコストの低下は太陽エネルギー発電のイネーブラー(不可欠な材料、製品、サービスをリーダーへ供給する企業)の成長を下支えするはずだ。こうした企業の一例として、インバーターを製造しているエンフェーズ・エナジー、住宅用ソーラーパネルの設置を行っているサンノヴァ・エナジー・インターナショナルなどが挙げられる。また、バッテリー効率の向上や種類の拡大に貢献しているウルフスピードやアナログ・デバイセズといった企業が提供する資材やバッテリー管理ソリューションなしに、電気自動車の導入を推進、もしくは実現することはできない。
 

バリュエーションへの先入観が長期的な投資機会を判断する妨げとなってはならない

インフレと金利上昇は急成長している革新的企業の短期的な株価に影響を与える可能性がある。ABは長年にわたり、破壊的なイノベーションは多くの産業におけるデフレのけん引役だと考えてきた。しかし、インフレ圧力がより恒久的な分野においては、ディスラプターがより多くの機会と驚異的な急成長をもたらしながら、ポストコロナの経済における課題を乗り越えていく上で長期的にさらに重要な役割を果たしていくだろう。
 
 
 
 
 

 

当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。

 

 

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当資料は、2021年11月19日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタイン及びABはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。
 

 

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